Y-14(優子ルート・第14話) 【独自ルート】優子、撫山教授を説得する。ー第2の条件ー
(前話からの続き)
さて、私と孝が恋人になる2つ目の条件について、話していこうと思う。
まずは、私の説得にもかかわらず、愛唯が登校を拒否した場面から再開する。
【空想再開】
愛唯は一瞬考えた。でも、顔を横に振ると、私を罵った。
「私は入学式で、男子クラスメートに不満があったの!
だから、あんた(=優子)に、男の子を紹介してって頼んだの!」
(Y-4)
愛唯はさらに私を罵った。
「男子クラスメートが誰が生き残ったって、
私がそいつと新しい恋をするわけないでしょ!
もう、帰って!」
そう言うと、私の手から布団を剥ぎ取ると、またベットでふて寝を始めた。
私は愛唯の部屋を出ると、部屋の扉のそばにいた愛唯のお母さんに首を横に振って、語った。
「ダメでした。。。」
愛唯のお母さんは、がっかりした表情を一瞬浮かべたが、すぐに苦笑いを浮かべた。
「そう。。。もうあきらめるわ。。。
優子さん、今までありがとう。。。」
そう言うと、愛唯のお母さんは、私に頭を下げた。
だが、私はあきらめなかった。
だって、『恋人の翔を失い』、今また『親友の愛唯まで失う』なんて、あってたまるか!
「愛唯のお母さん、まだ、あきらめないでください!
愛唯に単位を与えるよう、『私が撫山先生を説得します』から!」
愛唯のお母さんは驚く。
「え! そんなこと可能なの?」
私は考えを説明した。
「CCコースは、いつもは厳しい先生でさえ、追試、追追試、課題提出で、
なんとか単位を出そうとしています。
(第1話)
加えて、撫山先生は、愛唯に何度も連絡を取り、
しかも愛唯のお母さんに直接連絡とるくらいです。。。
つまり、撫山先生は、なんとか愛唯に単位を与えようとしています。
説得は可能だと思います!」
愛唯のお母さんは戸惑いながら、うなずく。
「そ、そうね。。。」
私は話を続けた。
「どうせ今日は、新しい入校許可証をもらうために、私は登校します。
ついでに、撫山先生に会って、説得を試みます!」
私は愛唯のお母さんにお願いをした。
「どうか、愛唯のお母さんは、愛唯の説得を続けてください!
まだあきらめないで!」
愛唯のお母さんは戸惑いながらも、了解した。
「わ、わかりました。」
そして、私はI大へ向かった。
【空想一時中止】
ここから先の詳細は第2話も読んでほしいのだけれど、、、
リアルストーリー(第2話)と、私の空想の相違点を述べようと思う。
リアルストーリーでは、私と愛唯でI大へ登校するのだが、、、
私の空想では、私はバスと電車を乗り継ぎ、一人でI大へ向かうことになる。。。
【空想再開】
大学が閉鎖となったのは一昨年の11月だったから、その1か月前の10月は、パンデミック発生で登校していなかった。
つまり、登校するのは1年と4か月ぶりだった。
だが、登校してみると、I大の姿はすっかり変わってしまっていた。
高い壁に囲まれ、セキュリティゲートが設置され、警戒厳重になり、すっかり外観が変わってしまっていた。(第2話)
ロータリーのあるバス停でバスから降り、2~3mの壁を見上げ、私はつぶやいた。
「なにこれ?」
ロータリーの先にセキュリティゲートがあり、これをくぐりぬけないと学内に入れないようになっていた。
このセキュリティゲートを抜けるには、ICチップ内蔵の新しい入校許可証が必要だが、今日だけ特別にパンデミック前の古い入校許可証を守衛さんに呈示して通らせてもらった。
私は戸惑いながら、古い入校許可証を守衛さんに呈示し、学内に入った。
入校許可証の交換場所は事務棟の一室で、CCコースは午前10時から入校許可証を交換した。(第2話)
集まってきたクラスメートから、生き残った男子クラスメートが誰なのか分かった。
まー、生き残った男子クラスメートが孝と知って、失望したね。
Y-5で述べたように、見た目は最悪で不快だし、薄気味悪い奴だったから。
そのときはこう思った。。。
(どうして、孝の代わりに、
翔(=優子の亡き恋人)や、健司君(=愛唯の亡き恋人)や、
武君(=愛唯の亡き弟)が、
生き残らなかったのだろう?)
(3人のうち、誰が一人でも生き残っていれば、
私は一人っきりになる恐怖をしなくて済んだのに。。。)
(愛唯が来ていたら、失望しただろうな。。。)
(愛唯に生き残ったのが孝だと伝えたら、
余計登校する意欲を無くすだろうな。。。
愛唯も、孝を嫌っていたし。。。 )
・・・ちなみに、前半2つは、リアルストーリーでも私が実際に思ったことだ。。。
そして、孝に対する女子クラスメートの冷たいまなざし。。。
特に里子は孝を冷たい視線で見ていた。
里子は恋人の聡を亡くしたのだろう。。。
ま、私も翔(=優子の亡き恋人)を亡くしたから、気持ちはわかる。。。
でも、瀬名が別の建物へ走って行ってね。。。
うれしさと驚きのあまり、走って行ったとわかったよ。。。
しかし、、、どうして、、、
瀬名は、見た目は不快で、薄気味悪い、孝が好きなんだろ?
・・・で、ここから先は完全に私の空想だ。。。
私と孝が恋人になるルートがあるとした場合、ここからが2番目の条件となる。。。
【条件2】
新しい入校許可証を受け取ると、本当はバイトがあったのだが、バイトを休んで、撫山教授の個室へ向かった。
もちろん、撫山教授を説得するために。。。
撫山教授の個室の前に来た。だが、話し声が聞こえる。
仕方がないから個室の前で待っていた。
でも、、、30分経っても、終わる気配がない。。。
私はしびれを切らして、ドアをノックして、入室した。
「先生、お話し中、失礼します。」
撫山教授の個室に入ると、そこには撫山教授と孝がいた。
撫山教授は困ったように、孝に語る。
「だから、、、それは個人情報だから、提供できん!」
だが、孝は引く様子はない。
「でも、、、僕は、罪なき囚人か、籠の中の鳥になるんですよね?
そして、種牛か種馬の如くになるんですよね?
そうなる前に、行きたいんです。。。
是非とも、皆の、亡くなった男子クラスメート全員の、
住所と保護者の電話番号を教えてください!」
相変わらず、孝の言うことは、理解できない。。。
『罪なき囚人』とか『籠の中の鳥』とか『種牛か種馬』って何?
こんな訳の分からん話をしていて、私は30分も待たされたってこと!?
(ため息)はー。。。
撫山教授は個室の奥の席から私を見て、話しかけた。
「ん? 優子君か? 何の用か?」
私はわざと明るく、笑顔で話しかけた。
「はい! 今日は愛唯の代理として、面談に来ました~♪!」
撫山教授はがっくりとした表情を見せると、顔を下に向けた。
そして、数秒後、あきれた表情を私に向けると、手を上げて、手を振った。
「全く、、、
もう、愛唯君には単位を与えないから、、、
すまないが、優子君は帰ってくれるか?」
もちろん、これくらいは織り込み済だ。
私はやっぱり、わざと明るく、笑顔で答えた。
「先生!
愛唯のためにも、私のためにも、引き下がるわけには参りません!」
撫山教授は困った表情で、私に語った。
「優子君、、、
孝君と話し合っていて、今、それどころじゃないんだ。。。
すまないが、帰ってくれ。
愛唯君には単位を与えないから。。。」
だが、それでも引き下がるわけにはいかない。
だって、『恋人の翔を失い』、今また『親友の愛唯まで失う』なんて、あってたまるか!
私は撫山教授に問うた。
「先生、、、
私は、先生の個室の前で30分ほど待ってましたが、
ずっと話し声が聞こえてました。。。
いったい、孝君と何を話し合っているのですか?」
撫山教授は困った顔で答えた。
「孝君が亡くなった男子クラスメート19名を弔いたいから、
連絡先を教えろと言っているが、、、
そんな個人情報を教えるわけにはいかないと、平行線なんだ。」
私はニヤリと笑って、撫山教授に語った。
「それじゃ、先生。。。 私が孝君に同行しましょうか?」
撫山教授はあっけにとられる。
「は?」
私はあっけにとられる撫山教授をスルーして、話を進める。
「撫山先生は、
一旦、亡くなった男子クラスメートの連絡先を孝君に教えてください。
私は孝君に同行し、男子クラスメートの連絡先を、
孝君がちゃんと管理しているか見張りますから、、、
そして、19名の弔いが終わったら、
孝君がちゃんと連絡先を消去したのか確認しますから。。。」
私はニヤリと笑ったまま、更に続けた。
「その代わり、愛唯に単位を与えてくれませんか?」
撫山教授は当然のごとく、反対した。
「優子君、待ちたまえ。
孝君が19名の男子クラスメートを弔うことと、
愛唯君に単位を与えることは、全く別の問題だ。」
だが、私は撫山教授の本心を見抜いていた。
「先生、、、
愛唯に面談に来るよう、何度も連絡したそうじゃないですか。。。
しかも、愛唯のお母さんにも連絡したそうじゃないですか。。。
本当は、愛唯に単位を与えたい。。。
違いますか?」
本心を見抜かれた撫山教授は戸惑う。
「まあ、そうなんだが。。。
だが、優子君が孝君の弔い行くから、愛唯君に単位を与えると言うのは。。。」
私は撫山教授に決断を促した。
「先生~。
先生だけでなく、今期はCCコースの先生方、
単位認定が大甘じゃないですか~♪
私が孝君の弔いに同行することを条件として、愛唯に単位を与えても、
他の先生方、文句を言わないのでは~♪」
ついに撫山教授は折れた。
「わかった。わかった。。。
優子君が孝君に同行することで、愛唯君に単位を出してやる。。。」
そう、、、もう、皆さん分かったと思うけど、、、
私と孝が恋人になるルートがあるとするなら3つ条件がある。(Y-13)
最初の条件はY-13で述べたように、
『新しい入校許可証を配布される日の朝、
私の説得に関わらず、愛唯は登校を拒否する。』
ってことだ。
そして、2番目の条件とは、、、
『孝の19名の男子クラスメートの弔いに、私が同行する。
そして、それを撫山教授に呑ませる。』
ってことなんだ。。。
【現在の愛唯と優子の会話】
リアル愛唯:「最初の条件はともかく、
2つ目の条件は難易度メチャ高くない?」
リアル優子:「私もそう思う。。。
でも、これしか、私のルートはないんだよね。。。」
【空想に戻る】
話を元に戻そう。
私は孝と共に撫山教授の個室を出た。
そして、孝が最初に聡君を弔いたいと言ったので、共に聡君の実家に向かった。(第3話)
聡君の実家に向かう電車を待つ間、私は駅のホームで、愛唯のお母さんのスマホに電話を掛けた。
「愛唯のお母さん、なんとか撫山教授を説得しました。
愛唯は3年生に進級できるかもしれません。」
愛唯のお母さんはホッとした声で答えた。
「優子さん、本当にありがとう。」
だが、私は愛唯のお母さんに依頼しなくてならないことがあった。
「愛唯のお母さん、
私は用があって、しばらくそちらに行くことができません。
ですから、しばらくの間、
愛唯のお母さんの方で、愛唯の説得を続けてもらえませんか?
私は用が済んだら、一緒に、愛唯の説得に加わりますから。。。」
そう、、、
私は孝と一緒に、亡くなった19名の男子クラスメートの弔いに同行しなくてはならない。。。
弔いが終わるまでは、愛唯の家へは行けそうにない。。。
だから、、、その間は、、、愛唯のお母さんに、愛唯の説得をお願いしなくてはならない。。。
(次話に続く)
次話は2024年11月29日の午前0時に公開予定です。