第173話 別れと出会い
今話から、「第7章 後に続くもの、そして旅立ち」が始まります。
皆様、お付き合いください。
学会から帰ると、私達(=ヨメンズ、孝)はバカ(=孝)の35歳の誕生日に出発する海外旅行について、話し合った。
まず、海外旅行のホテルで、BB市の高層ホテルの夜(第170話)の再現となることは決定!
ふっふっふ。
バカ(=孝)よ。
多数決に持ち込んで、ヨメンズ3人がまとまってしまえば、
『お前に拒否権はない』!
海外旅行のホテルの夜は『覚悟しておけ』!
もうバカ(=孝)の顔色は青くなっている。。。(笑)
あ、それから、バカ(=孝)よ。その海外旅行で、私と恋人として付き合っていた頃の『デートの場所に苦労した分も返してもらう』からな(第22話)!
ツケがものすごいことになっているぞ!
利息を含めたら、とんでもないことになっているぞ!
お前(=孝)の35歳の誕生日の海外旅行で、『変な所に行くのは許さん』ぞ!!
ますます、バカ(=孝)の顔色が青くなった。。。(笑)
後の優子:「あと、結婚式(第85話)があまりにも質素だった分も
返してほしいよね~。(笑)」
後の愛唯:「おう! その通り!(笑)」
後の瀬名:「卒業旅行(第113話)で、旦那様(=孝)がいなかった分も
返していただかないと。。。(笑)」
後の愛唯:「バカ(=孝)よ。 分かっているな?(笑)」
さらに、バカ(=孝)の顔色が青くなった。。。(笑)
それから、昨年と同じように(第155話)、クリスマスイブにI大正門近くのアパートで、里子の夫婦(里子、綾子、加奈、浩司)、久美子の夫婦(久美子、元サッカー部マネージャ2人、竜二)を呼んで、12人でパーティを開いた。
その席上、私は、里子と久美子に、精子提供義務の猶予期間の緩和について語った。
「先日、撫山先生から、政府関係者の話として、
100分の1の男性に対する精子提供義務の猶予期間が、
来年4月から妻子一人当たり1年から、2年に緩和されるって。。。」
(第164話)
当然、里子と久美子は喜んだ。
特に里子はこう言って、喜んだ。
「本当か!
再来年から、私(=里子)、綾子、加奈の順番で、
毎年1人、妊娠出産する予定だったけど。。。
3年で3人はちょっときついと思ってたところなんだ。。。」
久美子も微笑み頷いた。
「そうね。家族計画を検討しなおすわ。」
また、40歳までは共同住宅に住む必要があるが、35歳から外出と旅行が自由となると伝えた。
我が家では、バカ(=孝)が35歳の誕生日に海外旅行に行くと伝えた。
それは、里子と久美子も同様だ。
「浩司は23歳だから、12年後、海外旅行に行くためにお金を貯めるわよ!」
「竜二は25歳から、10年間、お金をたっぷり貯めて、
豪華に海外へ旅行するわよ!」
さて、その里子達だが、浩司君が3月に卒業した。加奈も修士を卒業した。
浩司君はNOH市の教員に採用され、加奈は地元企業に就職した。
そう、浩司君がI大を卒業したので、里子達(里子、綾子、加奈、浩司)は3月下旬、NOH市の共同住宅に引っ越した。
さみしかったなー。。。
今まで、共同住宅の隣に住んでいたから、時々、お互い訪問し合ったり、ホームパーティを開いたりした。。。
エッチナイトでは、一晩、しゃべって、女子会としゃれこんだ。。。
そんな彼女達が引っ越してしまった。。。
話し合う相手が減ってさー。。。さみしかったなー。。。
引っ越す際、里子はこう語った。
「愛唯と孝は3年後、NOH大に来るんだろ?
(第168話)
NOH市の共同住宅は、NOH大から車で約10分の距離だから、
簡単に会いに行ける。。。
だから、それまではお別れだ。。。」
そう、私もバカ(=孝)も、NOH大の助教として赴任されるよう、頑張らなくては。。。
そして、浩司君の3番目の妻を加奈と最後まで争った、留美も卒業した。
彼女も100分の1の男性と結婚しており(第157話)、卒業まで学部生の100分の男性の恋人や妻の取りまとめをやっていた(第157話)。
卒業前にちゃんと後輩に引き継いでいた。
しかも、今後それが継続できるように、仕組みまで作っていてくれた。
さすがは、里子の2代後のラクロス部キャプテンだ。。。
浩司君と里子が、3番目の妻として、加奈を選ぶか、留美を選ぶか、どおりで悩むはずだ(第107話)。。。
留美が仕組みを作ってくれたことは、懸け橋を維持発展したいヨメンズにとってありがたかった。
というのも、留美が卒業した後の4月の新4年生は、ヨメンズが4年生だったとき、1年生だった。
さすがに繋がりが薄い。そして新3年生以下には全く繋がりがない。
学部生より、教職員との繋がりの方が強くなってしまったぐらい。。。
でも、『懸け橋』として、これじゃあ、いけないってことで、、、
日曜日のテニスで(第157話)、積極的に学部生の100分の1の男性達や、その恋人や妻を誘うことにした。
また、私も『IT特別ヘルプ』のバイト(第153話)を継続した。
同じ『IT特別ヘルプ』を行っている学生や、『ITヘルプ』の学生、そして相談に来た学生達にも繋がりを持とうと努力するようにした。
『IT特別ヘルプ』の学生や、『ITヘルプ』の学生からは、『お姉さん』と呼ばれることが増えた。。。
後の優子:「『姉貴』の間違いじゃ? (笑)」
後の愛唯:「誰が『姉貴』だ! 誰が!」
ああ、バカ(=孝)も3月に修士を卒業したよ。まあ学会発表したから(第160話)、後は修士論文としてまとめるだけだったから。。。
でも、3月末までに学会誌に投稿するのが、特例として助教になる条件だったから(第168話)、それはもう厳しかった。。。
徹夜の連続だったよ。。。まったく。。。
なんとか3月末までに学会誌に投稿したよ。1度突っ返されたけど、半年後になんとか学会誌に採録されたよ。。。
話を戻すと、4月にバカ(=孝)は助教となり、働きながら博士課程に進むことが決まった。
私は修士2年となる。
そんな3月末、里子達も引っ越した後、土曜日の朝、一人の少年が私達の住宅を訪れた。
その少年は私達の住宅に入ると、口を開いた。
「こんにちわ。
4月にCCコースに入学する、護と言います。
孝さんがCCコースの先輩で、
そして先生になられると聞いて挨拶に来ました。」
そう、バカ(=孝)以来の、男子生徒がCCコースに入学してきたんだ!
当然、ヨメンズは突然の訪問に驚いたが、大歓迎!
急遽、歓迎パーティを行ったよ。ま、まだ護君は19歳なので、お酒はダメだけど。。。
優子と瀬名が大急ぎでスーパーに行って、食材を買ってきて、調理を始めた。
その間、私は護君に口を開いた。
「4月に修士2年となる、愛唯よ。初めまして。
撫山先生の研究室か、計算機センターのITヘルプの部屋にいるから、
何か困ったことがあったら、相談に来て。」
護君は緊張気味に話す。
「愛唯さんと孝さんの伝説は、寮の先輩から聞きました。。。」
私はとまどい、「え?」とつぶやいた。
護君は続ける。
「毎朝、8:45に愛唯さんと孝さんのカップルは、
寮の前でかならず一騒動起こすから、目覚まし時計がいらなかったとか。。。
(第105話)
多くの学生を動員して、購買を故意に欠品させたとか。。。
(第41話)
大学祭で、愛唯さん1人で3人の男子学生をボッコボッコにしたとか。。。」
(第38話)
私は慌てて語る。
「前半2件は事実だけど、最後の1件はあなたの先輩、
CCコースのクラスメート15人全員でやったことよ!
さすがに、私1人で、男子学生3人をボッコボッコにできないから!」
護君は少し安心して語る。
「そうなんですか。。。
『愛唯さんって、どんなに恐ろしい人なのか?』
って、思ってました。。。」
がはは! 尾びれに背びれがついて、伝説化しているってことね。。。
その後、優子と瀬名が料理を運び、本格的な歓迎パーティとなった。
そう、里子達との別れがあったが、護君という新たな出会いもあった。
パーティ中、優子が護君に問うた。
「護君、恋人はいるの?」
護君は手を振って答えた。
「いえ、いません。。。」
がはは! それじゃ、学部生の争奪戦になるわね。。。
事実、バカ(=孝)は25歳で、護君は19歳だ。学部4年生が22歳だから、学部1年生(19歳)から学部3年生(21歳)にとって、バカ(=孝)より護君の方が年齢は近いのだ。
しかも、2歳年上で結婚した里子の例があり、護君を狙う学部生は多いだろう。。。
4月以降、助教に就任したバカ(=孝)から、そしてバイト先の『IT特別ヘルプ』のバイト仲間から、「物凄い争奪戦になっている」と聞いた。
だが、5月の連休明けに護君に恋人ができたって聞いた。同じCCコースの1年生の女の子とのことだ。
その争奪戦で勝利した女の子は、どんな美貌の持ち主かって思っていたら、偶然、護君と一緒に学食に行く女の子を見かけた。
まあ、そこそこの美人ではあるけど、彼女より美貌の持ち主は少なくないと思ったので意外だった。
そのことについて、バカ(=孝)に尋ねると、バカ(=孝)は笑顔で答えた。
「彼女、史恵さんと言う名前なんですけど、明るくて話が面白いんですよ。。。
加えて、入学直後、護君を無理やり、学外に外出させていたそうです。
どうやら、彼女には100分の1の男性の兄がいて、
実態をよく知っていたみたいです。」
なるほどね。。。
護君はときどきPCの設定について、ITヘルプを訪ねてきた。
そのとき、恋人の史恵さんも同伴だった。
確かにバカ(=孝)の言う通り、屈託のない明るい笑顔が特徴で、話も面白い女の子だった。
バカ(=孝)は笑顔で話す。「案外、ああいうタイプの女の子の方がモテるんですよ。」だって。。。
ま、二人の仲を見守ることにしよう。。。