第115話 外出制限緩和(その2) ー4人でデートー
(前話からの続き)
さて、4人全員でお出かけする際、バカ(=孝)が笑顔で語った。
「実は4人で行けるところも緩和されました!
で、、、今日は、3年ぶりに僕が行きたいところに行きたいと思います!」
ヨメンズは全員戸惑い、「「「え?」」」とつぶやいた。
私達(=ヨメンズ、孝)は、バカ(=孝)が運転し、車に乗って、目的地に向かった。
運転中、バカ(=孝)は緩和内容を教えてくれた。
「実は、NOH市の繁華街でも、午前10時から午後4時までの間なら、
3人の付き添いがあれば外出許可が出るようになったんです!」
私は驚いて問うた。
「じゃあ、今向かっているのは?」
バカ(=孝)は運転中、うなずきながら答えた。
「ええ。NOH市の中心街です。」
優子は戸惑いながら問う。
「じゃあ、私達(=ヨメンズ、孝)だけで、
百貨店とかショッピングに行けるってこと?」
バカ(=孝)は運転中、微笑み、うなずき答えた。
「ええ、ゲーセンとか、飲酒とか、危険なところじゃなければ、、、
また、安全対策の取られたプール(第100話)も行けます。
でも、、、今日行くところはそこじゃないですけど。。。」
ヨメンズは全員、戸惑い、何も話せなくなった。
「「「・・・」」」
バカ(=孝)は、私達、ヨメンズをNOH市の中心街のWR公園にある科学博物館に連れて行った。
私はとまどい問うた。
「孝、あなたが来たかったところって、ここ(=科学博物館)?」
バカ(=孝)は笑顔で語った。
「ええ、3年半ぶりに、ここに来たかったんです。。。」
バカ(=孝)は笑顔で続けた。
「とくに、ここ(=科学博物館)にあるプラネタリウムが大好きで、
小学生の頃は毎月、両親にねだって連れてきてもらいました。。。」
私は驚き、「え?」とつぶやいた。
実は、私もプラネタリウムは大好きなんだ。。。
特に小学生の頃は大好きで、私も両親にねだって、毎月のようにプラネタリウムに来ていた。
もしかしたら、私、小学生の頃、ここでバカ(=孝)に会っていたのかも。。。
私とバカ(=孝)の意外な共通点を知った瞬間だった。。。
中学生になっても、高校生になっても、プラネタリウムには1人でちょくちょく来ていた。。。
でも、大学生になって、健司(=愛唯の亡き恋人)はあまりプラネタリウムが好きじゃなかったのでね。。。
大学生になってからは来ていない。私にとって5年ぶりのプラネタリウムだ。。。
科学博物館内のプラネタリウムに向かう通路で、バカ(=孝)は口を開いた。
「映画館や劇場でも、監視カメラのある所なら、
付き添い3人でも入場可となりました。
調べてみると、ここ(=プラネタリウム)も最近、
監視カメラが設置されたようです。
映画館や劇場も、監視カメラが設置されるケースが増えているようです。
ま、事前にインターネットで調べておく必要がありますけど。。。」
優子は戸惑いながら問う。
「じゃ、監視カメラさえあれば、私達(=ヨメンズ、孝)だけで、
映画バンバン見放題ってわけ?」
バカ(=孝)は笑顔で黙ってうなずいた。
プラネタリウムの入り口の10mほど手前で、バカ(=孝)は瀬名を呼び、耳元でささやいた。
瀬名は笑顔でうなずき、私達から離れた。
プラネタリウムに入るとバカ(=孝)の座席の左右には私と優子が座り、プラネタリウムを楽しんだ。
うん、、、やっぱり、私、プラネタリウムが好きだ。。。
これからは、バカ(=孝)とプラネタリウムを楽しむことができるんだ。。。
うれしかった。。。
上映が終わり、プラネタリウムを出ると、瀬名が合流した。
私はとまどい問うた。
「瀬名、どこにいたの?」
瀬名が笑顔で答えた。
「あなた達(=愛唯、優子、孝)から、ちょっと離れた座席に座っていたわ。
そしてあなた達を見ていた。
上映中に誰かに襲われた場合、直ちに私のスマホから係員を呼ぶために。。。」
優子が驚いた。
「そういうこと。。。」
バカ(=孝)は笑顔で語った。
「ま、万が一のためです。
プラネタリウムに入る前に、僕が瀬名さんに頼みました。」
瀬名は笑顔でバカ(=孝)に語った。
「その代わり、入場する前の約束の褒美をちょうだい。」
バカ(=孝)は笑顔で語った。
「はい。」
そういうと、バカ(=孝)は瀬名と手をつないで歩きだした。
私と優子は慌てて、同時に同じ言葉を発した。
「「ああ! いいなー!!」」
実は結婚してから、少なくとも4人一緒のときは、バカ(=孝)は手をつないで歩くことはしなかった。
私とのデート日でも、近くの公園に散歩に行くくらいしか、バカ(=孝)と手をつないで歩いたことはない。
だが、瀬名は笑顔で返した。
「あなたたち(=愛唯、優子)、
さっき、旦那様(=孝)の座席の左右に座ったから良いでしょ?」
実は、4人で映画を見に行く機会が、この日を境に増えた。
その場合は、ヨメンズの中で2人は、バカ(=孝)の左右に座り、もう1人は離れた位置に座り、何かあった時の連絡役となった。
その連絡役はバカ(=孝)と手をつないで帰る。
これが決まりとなった。
プラネタリウムを出ると、科学博物館の展示を見に行った。
当初、優子は嫌がった。
「プラネタリウム以外の科学博物館の展示って、
私も小学校の頃、ここ(=科学博物館)には来たけど、あまり面白くなかった。」
瀬名も同意した。
「そうね。。。」
だが、バカ(=孝)は笑顔で首を横に振った。
「いや、意外にここの展示って、高度なんですよ。。。」
そういうと、コンピュータの仕組みが展示されている箇所に私達を連れて行った。
「ほら、ここ(=コンピュータの仕組みの展示)って、
大学の授業の内容、そのまんまじゃないですか?」
瀬名が驚いた。
「本当だ!」
そう、CCコースを卒業する私も驚いた。
「小学校の頃は、ここの展示はさっぱり分からなかったけど、
今見ると感動する!」
優子も同様だった。
「孝が言うように、ここの展示って、結構高度ね。。。」
バカ(=孝)は笑顔で他の展示を連れて行った。
「他の展示も、高校で習う内容で、今見ると結構面白いですよ。」
そう、私と優子は文系だったが、それでも教養程度の知識は持ち合わせている。
その知識で見ると、結構面白いのだ。
私達は科学博物館の展示を楽しんだ。
私達(=ヨメンズ、孝)は科学博物館をでると、南にあるBW地区まで歩いて行った。
そのBW地区にあるトルコ料理店に行き、トルコアイスを頼んだ。
バカ(=孝)は喜んで食した。
「3年ぶりのトルコアイス~! うまああああい!!」
まあ、ヨメンズも数年ぶりのトルコアイスを楽しんだ。
まあ、でもBW地区って、首都圏のARFには比べようもないんだけど、NOH市の電器街があるのでね。。。
バカ(=孝)はその電器街に寄ろうとした。だが、優子からくぎを刺された。
「孝、ここでは何も買わないからね?」
バカ(=孝)は苦笑いを浮かべて答えた。
「もちろん、見るだけですよ。。。
それに、僕のパソコンは入院中に配られているものなので(第34話)、
2年半が経過しただけです。。。
むしろ、愛唯さん、優子さん、瀬名さんのパソコンの買い替えが先です。
入学した時に購入したものだから、もう5年が経過してますし。。。
僕のパソコンを購入するのは、
愛唯さん、優子さん、瀬名さんのパソコンの買い替えが終わった後です。。。」
ヨメンズは顔を見合わせた。
そして瀬名が口を開いた。
「そうね。。。
もう5年も経過しているパソコンだから、そろそろ買い換えないと。。。」
私が続く。
「卒業研究しているとき、パソコンが遅くって困ったことがあったし。。。」
だが、優子が制した。
「私が就職する会社はIT会社だから、
個人のパソコンを購入する際に、安くできる制度があるの。。。
私達が就職後、ボーナスで買いましょ。
ま、最初のボーナスはあまりもらえないそうだけど。。。」
私はうなずいて答えた。
「そうね。。。
就職後に買い替えましょう。
それまで、あと数か月、我慢しましょ。。。」
瀬名は黙ってうなずいた。
ということで、電器街には寄らず、帰った。
ちなみに、ヨメンズのパソコンは、ボーナスよりも先に初任給が出た後、優子の就職した会社の制度を使い、買い替えた。
話を元に戻すと、帰りもバカ(=孝)が運転した。
NOH市の繁華街にいられるのは午後4時までなので、夕食はNOH市の繁華街でとることはできない。
そこで、バカ(=孝)はNOH市東部のバカ(=孝)の実家の近くのSW区のイタリアンレストランへヨメンズを連れて行った。
私達(=ヨメンズ、孝)は、パスタ、ピザ、デザートを楽しんだ。
優子は食しながら語った。
「これからは、NOH市の繁華街からの帰り道の夕食は、
私達がよく知っている店を紹介し合うってのも良いかも。。。」
私と瀬名は同意した。
「そうね。」
「賛成!」
夕食の後は、SW区のカラオケボックスにバカ(=孝)はヨメンズを連れて行った。
バカ(=孝)は笑顔で語った。
「カラオケも、NOH市の繁華街でなければ、
人の付き添いがあればOKとなりました。」
瀬名が興奮して問うた。
「じゃあ、もちろんI大の近くのカラオケも、ヨメンズがいればOKってこと?」
バカ(=孝)は黙ってうなずいた。
私にとっても、カラオケは数年ぶりだった。
そして、、、バカ(=孝)は歌が上手いのだ。。。初めての発見だった。。。
楽しかったな。。。
で、、、瀬名が、バカ(=孝)とのデュエット曲をリクエストしたもんだから、、、
そこから、『ヨメンズの暴走が始まった』!
ヨメンズはどんどんデュエット曲をリクエストしてな~。。。
なんと、8曲連続してデュエットになったもんだから、バカ(=孝)が悲鳴を上げた。
「止めてください! 喉が潰れます!!」
当然、私はバカ(=孝)を笑って罵った。
「がはは! うるさい バカ(=孝)! 喉が潰れたって、根性で歌うのよ!!」
それに優子と瀬名が笑顔で続いた。
「そうね。根性で歌いきってもらうわよ~♪」
「旦那様(=孝)、喉が潰れたって、死にはしません♪」
バカ(=孝)は何か言いたげな表情だったが、何も言い返さなかった。
「・・・」
がはは。。。バカ(=孝)よ。スマン。。。
こうして、外出制限が緩和されてから、最初の4人のお出かけは終わったのでした。。。
(次話に続く)
まもなく、主人公の愛唯は大学を卒業し、新社会人時代も描く予定です。