表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/265

第101話 次の年のプールデート(その2) ーヨメンズ、里子を誘うー

(前話からの続き)

 

プールデッキに座る里子は問う。

 

「話って?」

 

 

 

プールデッキに座る優子が答えた。

 

「今回、ヨメンズと孝は、

 あんた達(=里子、浩司)の集団デートに便乗して、

 プールデートに来たんだけど。。。


 本当は、あんた達(=里子、浩司)の(恋の)進展状況を確認して、

 順調そうなら、里子、

 あんたを私達(=ヨメンズ)の計画に誘いたくってさ。。。」

 

 

 

里子は戸惑う。

 

「計画って?」

 

 

 

プールデッキに座る瀬名が語る。

  

「旦那様(=孝)や浩司君をはじめとした100分の1の男性には

 『永遠の試練』があるわ(第71話)。」

 

 

 

里子は暗い表情で頷く。

 

「そうだった。。。」

 

 

 

瀬名は続ける。

 

「『永遠の試練』から守るには、一つの方法として、

 100分の1の男性が重要な人物になること(第76話)なんだけど、

 それは容易なことではないわ。


 もう一つの方法は、私達、100分の1の男性の妻が、

 100分の1の男性と社会とをつなぐ『懸け橋』になることなの(第77話)。」

 

 

 

プールデックに座るバカ(=孝)が補足する。

 

「僕達、100分の1の男性は、学校か企業に軟禁されてますから、

 社会との繋がりがほとんどないし、作れません。。。


 だから、どうしても、

 社会との繋がりは、妻に依存せざるを得ません。。。」

 

 

 

プールデッキに座る私(=愛唯(メイ))が里子に語った。

 

「だからね。。。

 里子、あなた、浩司君と社会との『懸け橋』となってくれない?

  

 そして、ここからが本題なんだけど、

 『懸け橋』同士で、私達(=ヨメンズ)と連携しない?

        

 『懸け橋』が多ければ多いほど、

 浩司君と孝を守るチカラが強くなるんだし。。。」

 

 

 

そう、第98話の『計画』とは、バカ(=孝)以外の100分の1の男性の妻との連携だったのだ。

 

 

 

里子は微笑み、あっさり受け入れた。

 

「そういうこと。。。

 浩司を守るためなら、喜んで連携させてもらうよ。」

 

 

 

里子は思案顔になり、問うた。

 

「ところで、『懸け橋』は多ければ多いほど良いんだろ?

 私達(=里子、浩司)以外に、その話はしたの?」

 

 

 

私(=愛唯)は戸惑いながら答えた。

 

「それが、ほら、、、

 学生結婚したの、まだ私達(=ヨメンズ、孝)を含めて、

 4組しかなくって(第91話)、、、


 しかも、私達以外、あまりうまくいっていないの。。。」

 

 

 

共同住宅に住んでいる他の3組の学生結婚した一夫多妻は上手くいっていない。


特に、私達の部屋の隣の大学1年生の妻4人の家族に至っては、実は1人離婚して、共同住宅を離れてしまっている。。。

 

私(=愛唯)は続ける。

 

「だから、、、話がしにくいんだよねー。。。」

 

 

 

里子はデッキサイドにすわりながら、空を見つめ、腕を組み、つぶやいた。

 

「そうか。。。一夫多妻って難しいんだ。。。」

 

 

 

優子はため息をつきながら、語る。

 

「そうね。。。

 私達(=ヨメンズ、孝)も結婚当初は喧嘩ばっかでさー。。。


 結婚生活が落ち着くのに、1か月近くかかったし(第92話~第97話)。。。」

 

 

 

瀬名もため息をつき、ぼやいた。

 

「も~、あんな生活、繰り返したくないわ。。。」

 

 

 

里子は苦笑いを浮かべて返す。

 

「まあ、参考になった。

  

 もう、浩司のプロポーズは受ける気でいるからさ。。。

        

 向こう(=プールサイドの反対側の)8名から、さらに絞る必要があるけど、

 これからは、私も浩司と話し合いながら、誰が最適かを浩司と一緒に考えるよ。

        

 優子、同じ研究室なんで、その時は相談に乗って。。。」

 

 

 

優子は微笑み返す。

 

「もちろんよ。。。」

 

 

 

そう、優子と里子は同じ研究室の所属だ。

ただ、私とバカ(=孝)の所属する撫山研究室と違って、あまり厳しい研究室ではない。

優子と里子の研究室の卒業研究は本格化するのは9月以降で、あまり会う機会はないとのことだ。

 

 

 

優子は語る。

 

「それにさー、あんたが結婚すれば、

 私達(=ヨメンズ、孝)が住んでいる共同住宅に、

 あんた達(=里子、浩司)も移り住むことになるからさー。。。

       

 末永くお願いね。。。」

 

 

 

里子は笑って返す。

 

「ははは! そりゃそうだ。。。」

 

 

 

里子はふと思いついたように語る。

 

「ところでさ、、、

 その『懸け橋』って、他の大学の人と結婚した人でもいいだろ?」

 

 

 

私(=愛唯)は戸惑いながら返す。

 

「もちろんだけど。。。」

 

 

 

里子は微笑んで語る。

 

「ヨシ! 

 久美子(第36話~第38話、第40話、第51話、第87話)にも声をかけておくよ。

 彼女も結婚したしさ。。。」

 

 

 

バカ(=孝)は驚いた。

 

「えー!?

 竜二君と久美子さん、結婚したんですか? 

 それはいつ?」

 

 

 

里子はうなずいて、答えた。

 

「ああ、、、4月末の連休直前に婚約して、5月の連休後に正式に結婚した。」

 

 

 

私(=愛唯)は戸惑う。

 

「でも、、、大学で知るものは、ほとんどいないわよ。。。」

 

 

 

里子があきれて返す。

 

「そりゃ、竜二はHW大に転校する前、

 複数の女子学生に手を出していただろ(第36話~第40話)?


 結婚したことがI大内に流れると、

 久美子が、彼女達から、どんな目に遭うか分からないだろ?」

 

 

 

私(=愛唯)は納得する。

  

「それもそうか。。。じゃ、結婚パーティはHW大で?」

 

 

 

里子が返す。

  

「そういうこと!」

 

 

 

優子が怪訝な顔で里子に問うた。

 

「ところでさー。

 I大学には久美子と竜二が結婚したことは流れていないんだろ?      

 じゃ、どうしてそんなこと、里子が知っているの?      

 確かに、里子と久美子は親しいけど。。。」

 

 

 

里子は顔色が曇ったが、口を開いた。

 

「まあ、私は結婚に至った、直接の原因を知っているんだ。」

 

 

 

優子がさらに問う。

 

「直接の原因って?」

 

 

 

里子は戸惑いながら、答えた。

 

「つまり、、、『他言無用』の件だ。。。」

 

 

 

私(=愛唯)は戸惑いながら問う。

 

「それって、、、まさか。。。」

 

 

 

里子はなおも戸惑いながら答えた。

 

「何度も言うが、『他言無用』だ。

 でも、あんた達(=ヨメンズ、孝)なら、経験済みのことだから特別に話す。       

 竜二も『拍子法行為』に対応したんだ。

 あれは、4月連休前のことだった。。。」

 

 

 

里子は竜二の拍子法行為について語りだした。


(次話に続く)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ