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フラット  作者: ritu
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1.多数決と真実

これから書くことはヘンテコであり、当たり前のことかもしれない。

あるいは娯楽であり、戯言であり、真実なのかもしれない。

ただ一つ分かっているのは、少しばかりおもしろい話であるということだ。


例えば、大統領が一定数の国民の意志に反する政策をしたとする。

するとその国民は団結してデモなどを起こすだろう。

しかしそのだいたいは阻止される。

なぜなら一定数の国民が他の国民よりも少ないから、または兵隊に劣る力であるためだ。

これにおいて特殊な武器が関係ない場合、反発する国民の数によって政策を決行するかが決められるだろう。


でも例えば、兵隊の大多数が大統領の政策に反対した場合。

間違いなくその政策は決行されない。

つまり兵隊のほうが大統領よりも力があるのではないか。

そう気づいた兵隊は軍事政権を始める。


だが例えば、軍事政権に対して国民の大多数が反対したとする。

兵隊は国民を殺してでも従わせようとするが、そうしている間にすべての国民を殺さねばならなくなると気づく。

そうなれば国は滅んでしまい、自身も滅ぶだろう。


この理屈は絶対王政でも民主主義の国でも成立するものだ。


ここまでのことを簡単に言えば、数こそが力であり未来を決める。

一人がどんなに強力な力を持っていても、その者が余程賢くない限りはこの原理には敵わない。基本的に生き物は丁度よい人数で協力して生きた方が楽だからである。

意志が強い人間一人が強力な力で全てを滅ぼし、生き残っても大変だろう。否定するものが無ければ刺激もないだろう。



人数こそが全てを決めるのであれば、その手段である多数決を制したものが最強だろうか。

ならばその方法は何か―情報操作である。

印象の良い情報や感情を誘導する何かを広め、人々を意のままに操る。

それができれば、未来は決められる。


このことに対して邪悪だと感じる人がいるだろう。

それは恐らく、真実とは異なる情報を扱うところにある。

ではなぜそう感じるのだろうか。


怖いためだ。

真実に抗えば、何かしらの制裁が来ると予感しているからだ。

それはまさしく、黒死病にどうにもならなかった宗教のように。水銀を飲んで死んだ皇帝のように。


だがそれはもう古い話になってしまっているのだ。

人はある程度、科学を制してしまった。そして科学を否定しなくなった。

科学、すなわち真実を利用している。


異なる情報も科学を否定しない限り、問題はない。

治療薬が毒薬であるかどうかがわかっていれば、人間は大方死なない。

滅ばなければ利益は出るから、問題はない。


しかし真実とは科学以外にも、誰が何をしたとかという事がある。

例えば、大統領が不倫したとか、無実の人を殺したとか。

そもそも大統領が未来を決めるという行為自体が、非効率的かもしれない。目立ちすぎて不安定だから。

それはおいておいて、大統領が失脚すると国が大きく変わる場合を想定してみる。

まず、この情報は真実であるかという部分。

仮に真実だと証明できたとしても、それを知っているのが少数であれば鎮圧できる。

仮に偽りであっても、大統領が嫌いな人ばかりなら失脚させられるだろう。

もはや真実などは関係なくはないか。

誰が言ったのだろう―真実のほうが幸福だなんて。



全人類を賭けた重要な決断を、その権利が一人一人の人間にかかっているとする。

多数決によって、人類の進む未来が変わる場合である。

そこまでには様々な情報が入ってくるだろう。

その中で、何を信じたらいいのだろうか。


でも一つ思うことがある。

我々は恐らく、それが真実であるかどうかよりも、そうなってほしい幸福な未来を夢見る。

そしてその道を選んだ時にこう言うのだ。


「ぜんぜん、幸せになっていない」と。


しかしひょっとしたら―この未来はあっちの“真実による未来よりかは幸福”なのかもしれないよ。



こんな醜い世界に絶望した人間が、だいたい悪役になる。

だからこの思想、使ってみても面白そうだね。


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