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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

お守り

作者: kaHo

お守りを握りしめて。

今日こそ人と仲良くして話せますように。

そして、私は家をあとにする。

私は、どこにでもいるOLだ。

顔は特徴のない顔立ち。

ただ違うことがあるとしたら、この障害のせいだろう。

ドンッと駅のホームで肩同士が当たってしまった。

私は軽く会釈し、その場をあとにしようとした。

後ろから、

「んだよ、謝りもしねーのかよ」

と、先程の当たった方が言う。

今度はちゃんと話さなければ!

人と仲良くなりたい、と思えば思うほど空回りする毎日。

入りたての会社で私は、

「おはようございます!」

と、勢いよく大きな声で言う。

「……中谷さん、おはよ。そんな大きい声出してどうしたの?もうここに勤めて半年になるけど、私中谷さんよくわからないわぁ」

と、パートのおばさんに言われる。

そう、私は仲がいい人がいない。

いや、正確には上手く話すことができないのだ。

私は、小さい頃からこんなだ。

一人遊びが好きで、でも皆が遊んでいるのが羨ましくって。

幼稚園の先生に促されて混じっても、何も発せず楽しくないからと皆からおいてけぼりにされたり。

中学で変わろうとして、明るく振る舞ってみたものの、作り笑い。

愛想つかされて、皆違う子と話して私は孤立していた。

なんでだろう、そう思った。

社会人になっても馴染めずにいて。

『あんたおかしいわよ、なんで友達いないのよ!』

と母親に言われたことも。

10年前、あまりにも『死ななきゃ』って思って、その場にあったハサミで手首を切ろうとした。

でも、できなかった。

『生きたい』という気持ちが勝ったのだ。

その後、病院に行き精密な質問などをされ、私は『アスペルガー症候群と二次的なうつ病』だと診断。

最初はわけも分からなかった。

ただ、先生が言うには先天性の脳の障害でそれによりうつ病が発生したのだということがわかった。

なんだか、少しホッとした。

涙が溢れた。

ただ、うつ病は軽かったのがよかった。

でも、『アスペルガー症候群』は、先天性のもので軽くはなるらしい。

人と交わるのが不得意な私。

こうして、障害がわかったままでも人とうまく付き合うのが未だに下手な私。

どうしたらいいのか。

今私は職場にいられないくらいいじめにあっている。

それでも仲良く仲良くしようと頑張ってはいるが、帰っては泣いて暴飲暴食して寝る毎日。

気づけば3年が過ぎ、精神的苦痛で辞めることに。

今では、親と従兄弟ぐらいしかまともに話せないのが悩み。

田舎だから、サポートしてくれるところが少ない。

訪問看護さんやヘルパーさんが来てもその場しのぎになってしまう。

自分でも何が困っているのかよくわからないのだ。

ただ、こうしてたまに何かを書くことは欠かさない。

脚本を書いて、声優さんに読んでもらった。

色々イベントをしてる声優さんのようだ。

入ってみたら、変わるかな?

そう思い、お守りを持って中に入る。

居心地が悪い。

私、何書けばいいんだろ?

こうして、凝りもせず人と交わろうとする。

だって人恋しいんだもん。

話したいよ。

でも、周りはそんな私はいらないみたいだ。

お守りを握りしめて。

次は何を祈ろう。

仲良くなんてなれないならいっそのこと、引きこもろうかな?

そう思う今日この頃であった。

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