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創生な君に花束を。  作者: ゆーさき
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第二章 動き出す歯車

なるべく一目でわかりやすいように、()で誰が発言したかを明記させていただいてます。


「わ、私と、友達になってくれませんか!」(花園)

「は?」(御狐神)

 人気の少ない図書館に僕の声が反響する。

「図書室ではお静かに!」

「あ、、すいません!」(御狐神)

 司書さんに怒られてしまった、、図書委員会なのに図書室でうるさくするとは、図書委員失格だ。

「だ、だから、私と、友達に、、、」(花園)

「ま、、待って?一回落ち着こうか。ね?」(御狐神)

いや、落ち着いてないのは僕だ。

「私は常に冷静だけど、、、?どっちかっていうと、御狐神君の方が落ち着いて?」(花園)

 さすが花園さん。しっかりツッコミを入れてきた。

「ま、まず少し質問してもいいかな?」(御狐神)

 僕は再び椅子に腰をかけた。

「すぐには答え出さないんだ・・・」(花園)

 その言い方は、、、なんか、、、罪悪感があるな・・・

「ご、ゴホン。じゃあ質問させてもらうけど、、、なんで僕と友達になろうと思ったの?」(御狐神)

「ふふん!よくぞ聞いてくれました!」(花園)

 花園は両腕を腰に当てながら、自慢げな顔を俺に向ける。

なんとなくウザいけど、とてもかわいらしい表情だ。こんな顔もするんだな。

「御狐神くん私だけじゃなく、この学校のみんなに隠してることない?」(花園)

「ん?いや特にはないと思うけど、、、」(御狐神)

「嘘。御狐神くんあなた、、、ピアニストでしょ?」(花園)

 僕は静かに笑ってしまった。そんな僕を見て、ムッとした顔を浮かべながら、

「なんで笑ってるのよ。」(花園)

「いいや、、なんでもないよ。」(御狐神)

「・・・まあいいわ。で、なんで隠してるのよ?」(花園)

「別に隠してるわけじゃないよ。自分から言わないだけで。僕って友達少ないからさ、、、まあ少ないって言っても唯一信頼してる人は一人しかいないけど、、、おそらくだけどその一人しか知らないんじゃないかな、僕がピアノ弾いてること。」(御狐神)

「え?どうして自慢しないの?誇れることよ?だってあなたこの前の大会3位だったじゃない。」(花園)

「な、、、そんなことまで知ってんの?もう一周回って怖いんだけど・・・。この前の大会はそんなに大きくなかったし、3位だったからさ・・・誇れる順位でもないからね。」(御狐神)

 僕は彼女と視線を合わせないようにし、そう言った。

 ピアノは好きだし・・・楽しいけど・・・なんか違う。そう思った。

 僕がさっき笑った理由、別に面白かったわけではない。

 自分はピアノが好きだからやっているのに自信満々にピアノが好きです!と言えない僕がいる。

 そんな僕に僕自信が呆れてしまい笑ってしまったのだ。

 すると彼女は後少しで鼻がくっついてしまいそうな距離で言った。

「もったいない!」(花園)

「へ??ちょ、ちょっと近くない?」(御狐神)

「もったいないのよ!御狐神君自分で友達少ないとか言ってたけど、あなたは自分のことを語らなすぎよ。あと、自分から行動しないこともよくないわ。待ってても何も起きないのよ?」(花園)

 な、なんなんだよおおお!とりあえず近いし、めっちゃ語るじゃん!語りまくるじゃん!

 まあ、人の話聞くの好きだし、誰かの考えを聞くと新しい見方が生まれるから全然構わないし嬉しいんだけど・・・近い。

「う、うん、確かにそうだね。何事も自分からやってみなきゃダメだよね!ありがとう!今度からはもう少し積極的に自分から動いてみるよ!」(御狐神)

「よろしい。いい心がけよ御狐神君。」(花園)

「うん・・・・・・で、結局なんでなの?」(御狐神)

「私はね、真実を知りたかったの。この学校にいる御狐神雪村という人物が、そこそこ有名な大会に何回も出場している謎多き中学生、、、御狐神雪村をね!」(花園)

「すごいドヤ顔だな。」(御狐神)

 僕は笑いながら言った。

「本当にタイミングと運が良かったわ。ちょうど御狐神君と知り合える方法がないか探していた時に、偶然目の前で本を忘れていくから、驚いたわ。返すのが遅れた本当の理由は、御狐神君と対等に話せるように、あなたが読んでいたであろう本を読んでいたからなの。だから最初の言い訳は嘘よ。ごめんなさい。」(花園)

 彼女は深々とお辞儀をする。

「あ、いやそれは全然構わないんだけど、、、図書委員会に入ったのは?本好きだったの?」(御狐神)

「実は返せなかった三週間の間ずっと本を読んでいたら、本を読むことに気付いたらハマってて、、、それで、図書委員会に入ったらもっと面白い本に出会えるかなって思って入ったの。」(花園)

「そうだったのか。」(御狐神)

「だからね?図書委員会にあなたが所属したって聞いて私はチャンスって思ったの。やっと確かめられるってね。」(花園)

花園はすごい。僕に話すために色々準備して、話しかけてくれたんだ。正直驚きだ。

「まあ最初の会話はあなたがコミュ障すぎて、予定してた会話とは違ったけど・・・まあ結果良ければ全て良しってことね!」(花園)

 や、やめろおおおおおお!それ以上言わないでくれえええ!僕は心の中で叫ぶ。

 十分わかってる、、、僕がコミュ障なことは、、、でも流石に、笑顔が持ち味の花園が、ここまで中途半端な苦笑いをするということは、それほど僕のコミュニケーション能力は皆無なのだろう。

「じゃ、じゃあ、最後の質問。僕と友達になってどうするの?」(御狐神)

「そうね・・・あなたにおすすめの本を教えてもらったり、本を買いに行く付き添いとしてきてもらったり、あと、、そう!ピアノの話とか!」(花園)

「なるほどね。うん。どんどん教えるよ!」(御狐神)

 僕は何度も頷いた。

「質問ばっかでごめんね。これから友達として、よろしくお願いします。」(御狐神)

「うん!」(花園)

 話題がなくなった。どうでもいいけど、久しぶりに長く喋ったので口が疲れた。

 ずっとここにいても気まずいし、ここら辺で教室に戻ろうかな。昼休みも終わるし。

「じゃ、じゃあ昼休みも終わるしここら辺で解散にしようか。」(御狐神)

 僕が静かに椅子をひき、立ち上がると、

「ま、まった!」(花園)

 今度は小さめの声で僕を引き止めた。

「え?まだなんかあった?」(御狐神)

「ちょっと今日の放課後・・・・付き合って?」(花園)

「はい?」(御狐神)

「だから、、、今日の放課後、、付き合って欲しい場所があるの!もう友達だし、、、付き添ってくれるよね?」(花園)

 いつの間にか僕と花園さんの距離が、また近くなっている。

 花園さん・・・そんな子犬みたいな目でこっちを見つめないで、、、

 意識してないのに結構ドキドキするから、、、

「わ、わかったよ。い、行こう!」(御狐神)

 僕は慌てて目を逸らし、散歩後ろに下がってそう告げた。

「や、やった!じゃあ放課後ね!」(花園)

「お、おう、、、」(御狐神)

 僕の弱点がわかった気がする。

 一つ目は、女の子に弱いこと。

 二つ目は、押しに弱いこと。

 三つ目は、、、花園零華という人間に弱いこと。

 二章 終


雪村の今回の一言

「綺麗って、、、すごい。」

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