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創生な君に花束を。  作者: ゆーさき
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プロローグ・第一章

なるべく一目でわかりやすいように、()で誰が発言したかを明記させていただいてます。

プロローグ

 今から皆さんが目にする物語は、僕、御狐神雪村が中学生の時に体験した、ある女性との物語です。


「君、D組の人だよね?」

 中学2年の春、彼女は僕の前に突然現れた。密かにクラスで可愛いと噂されていた、花園零華だった。

 正直いって僕は人間関係を構築するのが苦手だ。スポーツも得意ではないし、誰かから褒められるような趣味もない。

 そのため、人と話しても会話が五秒ほどで終了してしまう。

 そんな僕とは真逆で、性格も明るく、小綺麗で、スポーツ万能で勉強もできる、まさに僕の好きな恋愛ものラノベに出てきそうな強キャラだ、、、、、

 とうてい僕なんかと釣り合わないし、話すこともないと思っていた。だけど、僕らには一つの共通点がある。

 それは、同じ図書委員会ということ。

「では各学年の代表の人前に出てきてくださーい」

 おそらく図書委員長であろう、一つ結びの先輩がそういった。なぜ確信がないかというと僕は自分が持ち歩いている本を隠れて読んでいたので全く話を聞いていなかった。だから余計驚いたんだ、、

「二年A組 花園零華です!よろしくお願いします!」

 僕は耳を疑った。少しの寒気と謎の緊張感を感じながら視線を前へと向ける。初めてちゃんと顔を見た、、       

 今もだがずっと髪を切っていないせいで視界の半分が前髪で遮られているため、遠いところから見かけても、口ぐらいまでしか見えていなかった。

 ただ、今はあまりの驚きに前髪を手で押さえて視界を確保していたため彼女の顔がはっきり見えた。綺麗な顔だ。

 なんだろう可愛いというより、どこかの芸能人のような顔だった。

「はい!各学年の代表の方に拍手をお願いします!」

 小さな会議室に拍手が起こる。

「では本日の会議はこれにて解散になります!進行は委員長萩野が担当しました!」

 あ、やっぱ委員長か、、当たった。

 僕は会議室にいた誰よりも先に部屋を出た。本来なら何もないはず、、、、はずなのに、、、、!

「君、D組の人だよね?」(花園) 


1章 予期せぬ出会い

 はい、僕の回想シーンからお帰りなさい。

 一応現状報告すると、今、たちはさっきまでいた会議室を出て少し先に進んだ廊下にいて、僕の目の前には花園麗華が立っているという状況だ。

「え?聞いてる?」(花園)

「え、、、あ、、はい、聞いてますけど、、、」(僕)

「どこみてんの?あたしこっちなんだけど?」(花園)

 え、、なにここは地獄ですか?なんで僕に話しかけてくるんだよおおおおおぉぉぉぉぉぉ

 だめだ。なんかわかんないけど花園の顔見れない、、、

「こっち見ろっての!」(花園)

「み、見てるよ?あはは」(僕)

「は?全然目合わないじゃん!」(花園)

「お、おかしいなぁ。合わせてるつもりなんだけどなぁあはは・・・・え?痛い!なんで顎掴んでんの?ちょ、、まっ」(僕)

 急に顎を掴まれて半ば強引に目があった。

「ちゃんと聞いてよ!あなたD組の御狐神雪村くんでしょ?」(花園)

「え、、、、えーー!なんで僕の名前知ってるんですか?!」(御狐神)

「知ってるよそれぐらい。」(花園)

「とりあえずここだと場所が悪いわね。ちょっとついてきて。」(花園)

「え、あ、はい。」(御狐神)

 今思うと僕ってただのコミュ症なのか、ただ単に人見知りなのかわかんないな。

 彼女に手を引かれるまま廊下を歩く。

 正直いってめちゃくちゃ恥ずかしいというか、視線が痛い! 

 よく考えてみればここ廊下だった!さっきの顎掴まれて目合わせてるところも、廊下にいた人みんな見てたのかぁ、、、かなりきついなこれは、、

 考えている間にいつの間にか、校舎5階の図書館に連れて行かれた。

 ここの図書館は、利用者が最近減っていて、図書委員会もどうしたら利用者を増やせるのかが課題となり、話し合われている。

 僕たちは、入り口から少し離れた席に座った。

「で、なんか僕に用かな??」(御狐神)

「用があるから話しかけたんじゃん!」(花園)

「そ、そうだよな!あはは、、、」(御狐神)

 意外と花園って、こわいのか?

「それじゃあ本題に入るけど・・・この本、、、」(花園)

 そう言って、彼女はずっと持っていたかばんから、緑色のブックカバーがかかった本を取り出した。

「あ!それ、、もしかして、、」(御狐神)

「雪村くん、君のでしょ?」(花園)

「う、うん。なんでわかったの!?失くしたの三週間前ぐらいで、もう無理かと思って諦めてたのに。」(御狐神)

「え?!そ、それは、、、後ろから見てたのよ!落としたところ。」(花園)

「え?じゃあその時声かけてくれればよかったのに。」(御狐神)

「い、いや、そ、その時は、よ、用事があってすぐ行かなくちゃいけなくて、、、雪村くんの顔は知ってたからさ?だから、後で返そうと思って、、、、そしたらタイミングなくてさ、やっとゆっくり話すタイミングができたから、よかったぁ。」(花園)

 あれ、いつの間にか僕普通に喋れてる。

 なんだろう花園さんが声をかけてくれたのもあるし、本を返してくれたのもあるだろうけど、ものすごく嬉しい。

 僕にとっては、非日常的な時間だ。

「そっか。ありがとう!すごく助かるよ!じゃあ僕はこれで!」(御狐神)

 僕は、逃げるようにそう言って、静かに椅子を引く。

「え!?ちょ、ちょっと待って!」(花園)

「はい?」(御狐神)

なんで引き止めるんだ?・・・・・まさか!謝罪が足りないとか!?やばい殺される!謝んなきゃ!

「あ、あのね、、、」(花園)

「す、すいませんでした!!!!!」(御狐神)

「え?え!?」(花園)

「拾ってくれただけでも親切なのに、わざわざ僕のために届けにきていただけるなんて!本当にご迷惑をおかけしました!」(御狐神)

 我ながら、そこらへんのサラリーマン顔負けの謝罪の仕方だと思った。

「な、なに急に!?しかもここ図書館!静かにしないと目立っちゃう!」(花園)

 あ、やべ、そうだった。ここ図書館だった。つい謝ることに集中しちゃってて忘れてた。

「あ、あのね、私ね、、」(花園)

 なんだ?急にたどたどしいな。顔も真っ赤だ。りんご病かっていうぐらい真っ赤。

「あ、あの!御狐神雪村君!わ、私と、友達になってくれませんか!」(花園)

「は?」(御狐神)

第一章 終

 


雪村の今回の一言

「普通の高校生って、、、何?」


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