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宣告師  作者: 坂本カズキ
6/7

山田さん③

山田さん③言ってみたらやっぱり言いにくいですね。それではどうぞ

 修太郎君が余命宣告されてから2週間が経った


「山田人志さん、山田幸子さん、あなた達は子供に体罰をした。その体罰が学校のアンケートで知られる可能性があった。そして、あなた達は自分たちの事を考え、体に残った傷の証拠隠滅を図るため死なないように燃やし、話す事ができなくなって都合の良いように、嘘を事実とし俊太郎君はあたかも自身のせいで全身火傷をしたというトリックを作った。そうでしょう。」

 夫婦の顔が真っ青になるのが分かった。

「ば、バカ言え。どこからそんな嘘作り上げてきたんだよ!」

 夫が田口の肩を掴み怒鳴った。

「修太郎君に教えてもらいました。ねっ」

「コツコツ」俊太郎はそれに応えるように缶ジュースを叩いた。

 

「・・・お、おい、う、嘘だろ?修太郎の意識があるだと?どうしていってくれなかったんだ!」

「嘘も何も、修太郎君の意識がある時に応答しなかった。それが何よりの答えでしょう。それとな・・・」

 田口は肩にかかった手を無理やりなぎ払い、逆に胸を押し返し夫を壁にぶつけた」

「どうしていってくれなかっただと?お前らに殺されるからだよ!」

 田口は夫を下から睨み上げた。

「うるさいっ!あなたが修太郎の何をわかるっていうの?」

 妻が叫ぶように声を上げた。

「お前らバカ親が修太郎のことわかったように語ってんじゃねぇぞっ!」

 バンッ!!

 田口は思い切り、夫のすぐ横の壁を殴りつけた。


「・・・あぁ、全て認めるよ。私たちはバカ親だ。ただ自分たちがやりたいように修太郎を扱ってきた。それが小学校1年になって家庭内暴力アンケートがあると聞いて、私たちは私たちだけを守るために息子を燃やしたんだ」

「あなた・・・」

 田口は夫から離れ包帯で巻かれている修太郎君を見て言った

「あんたら親が7年かけてきた愛情より、他人の俺が7日かけてきた愛情の方が大きいなんて事があっちゃいけねぇんだぞ・・・とりあえず、あんたらはもう自首しろよ」


 その後、山田夫妻は自首し罪を認めた。結果的に彼らの人生は田口によって大きく変わった。

 しかし、修太郎の必ず来る未来は変えることはできない。

山田さん③最後まで読んでいただきありがとうございました。山田さん編は④まであるのでよろしくお願いします。

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