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宣告師  作者: 坂本カズキ
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山田さん②

こんにちは。個人的にこの訳あり余命宣告が1番お気に入りです。それではよろしくお願いします。

 修太郎君が余命宣告されてから3日が経った。


「しゅんちゃん早く起きてよ」

 病室には夫婦と田口と体全体を包帯でぐるぐる巻きにされている修太郎君がいた。

「先生、もしかしたら意識が戻っているのではないですか?ただ、動くことができないだけで」

 そう言われてもなぁ。・・・ん?よく見ると、右手の人差し指だけ包帯が巻かれてない。これは・・・ここだけ火傷していないということか。

「修太郎君の指だけが火傷していません。もし意識が有れば動かす事ができると思うのですが・・」

「ほ、本当ですか!?」

 どうすればいい・・・修太郎君に意識があるとかどうか調べるためには・・・これをやってみるか。

 すると田口は冷蔵庫に入っていた缶ジュースを取り出し、修太郎君の右手の人差し指に近づけた。

「修太郎君。もし、意識があるんだったら、指を動かして、この缶ジュースで音を2回鳴らしてくれるかな」

 全員が音が鳴る事を、息を飲んで待ち望んだ


「・・・・・・」


 音が鳴る事は無かった


「やはり、意識が無いみたいですね・・・」

 病室の空気は前よりもさらに重苦しくなった。

「やっぱり、しゅんちゃんは、もう・・・」

「幸子・・・」

 その後、ただただ無言の時間が続いた。


「それでは先生」

「はい。お気をつけて」

 その後、山田さん夫婦は帰っていった。


 はぁ〜、しかし、どうも気になる夫婦だな。


 田口の観察眼からはっきりした根拠も無くただ、怪しいという考えが浮かんでいる。

 田口は親が帰ったのを見届けると、また修太郎君の病室に戻り、椅子に腰掛けた。

 そして、もう一度缶ジュースを近づけた。

「起きてんなら、音を鳴らしてくれないか?」


「・・・・・・コツ、コツ」


「やっぱりな意識あんだな。修太郎、なんで親の前で嘘をつくんだ?」

「・・・」

 あぁ、そうだった。喋れないだったな。

「親の前では嘘をつく何か理由があるなら2回缶ジュースを叩いてくれ」


「・・・コツ、コツ」


 あぁ、ちくしょう、どうすればいいんだ。あの夫婦の謎を知る鍵はこの喋る事ができない修太郎君にあるというのに。

 どうすればいい?どうすればいい?どうすれば・・・

モールス信号?ってそんなの7歳の子供がわかる訳がな

い。まだ、ひらがなぐらいが限界なのに・・・

 いや待てよ。ひらがなが分かれば文字を伝える事ができるんじゃないか?

「修太郎君。今から僕の言うようにして、いいかい?」

「コツ、コツ」

「ひらがなの47音はわかるかい?」

「コツ、コツ」

「それと指を使って文字を伝えるんだ。やり方は、初めに、あ・か・さ・た・な・は・や・ら・わ、の行の文字を選ぶ為に指で音を立てるんだ。もし、さ行の音の文字を伝えたいのなら、3回音をたてる。さ、は右から3つ目だからね。そして後半、もし、さ行のさ、し、す、せ、そ、の中から、せ、を選びたいのなら音を4回たてる。その文字で決まったのなら少し間を開けて、次の文字へといってくれ。言いたい言葉が決まったのなら、大きめの音を2回たててくれ」

 さすがに小学生には難しいすがるか?でもこれができれば、文字を通して会話する事ができる。

「コツコツコツコツコツコツ(6)、コツコツコツコツコツ(5)」

「早速理解したのか。すごいぞ」

「コツコツコツコツ・・・・・・」


 その後

 

「トントンッ!」


「これが、これが修太郎の伝えたい言葉か・・・」


「ぼ・く・は・お・や・の・お・も・ち・や・だ」





音だけで文字を伝える事の説明が少し下手でしたね。すいません。とりあえずこの方法は読者がわかっててもわからなくても特に問題ないので大丈夫です。修太郎君の伝えたい言葉は濁点なんかが足りませんがそれは見逃してください。それては③もよろしくお願いします。

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