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宣告師  作者: 坂本カズキ
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佐藤さん①

新しく小説を書き始める事にしました。人気になる、ならないは置いといて、まず僕がやる事は読者を楽しませる事だと思っています。この作品も読者を楽しませることができるという自信を持って書いていきます。

よろしくお願いします。

 夫 佐藤信彦 48歳 職業 自営業

 妻 佐藤智恵子73歳 職業 無職 (元弁護士)

  


「落ち着いて聞いてください、旦那さん。貴方の妻、智恵子さんの余命は三ヶ月です。」

 田口の一言で、目の前の男性、佐藤さんの顔が真っ青になった。

「・・・う、嘘だろ。先生・・・おい、嘘だと言ってくれよ!」

 田口の肩を掴んで訴えてかけている。

「旦那さん。これは真実です。智恵子さんの為にも、まずは落ち着いてください。」

「お、落ち着くも何も、どうしてっ!?だって、今、別に妻は話す事も、動く事だってできるじゃないか!」

 男性はかなり混乱しているようだ。

 田口は「まぁ、まぁ」と言い、肩にかかった手を戻した。

「今から奥さんの病気を説明します・・・」


           〜30分後〜


「以上が、奥さんの病気です。今はそこまで症状は出てませんが、3ヶ月も経てばもう体は持たないでしょう。」

「・・・そ、そんな。ぼくは、ぼくはこれから妻の為に・・智恵子の為にどうすれば?」

 田口は少し困った顔をした

「まあ、僕から貴方に伝える事はここまでです。それでは、待合室の方へお戻りください。」


「・・・は、はい」


 男性は重い足取りで病室を後にした。


 はぁ、これだから"宣告師"という仕事は楽しくないんだよなぁ。いくら余命宣告するのが嫌だからって、宣告する為に人を立てちゃうなんて。

 しかも、なんで俺が宣告師に任命されたかって、医師の中で、視力検査した時に1番"目"が良かったからだって、どんな理由だよぉ。

 まぁ、金は悪くないから取りあえず続けていくとするか。


 それにしても1つ心残りが残ったなぁ。佐藤さんあんなに悲しんでいたのになぁ。

 

  なんで、だろう。なんで、出ていく時に


        佐藤さん笑ってたんだ?



初めは短めでしたね。次の話では佐藤さん編が中盤へと差しかかります。どうぞ宜しくお願いします!

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