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JKは魔王の嫁になる。  作者: かつらぎ
第四章 奇跡&大団円編
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JK、石を譲り受ける。

しばらくセル様に抱きしめられて泣いた。


みんなは、気を利かせて(?)いつのまにか、2人きりにしてくれていた。



やっとわたしの涙が止まると、セル様が手のひらに載せた石を眺めながら言った。


「ユリ、この石の事だが・・・この石は元々一つだったと高祖父上の文に書いてあったな。」


「はい。割れて、2つになっちゃったんですよね?」


「ああ、という事は・・・今私が指環にユリの気配を感じているのも、その石をお前が持っているから、という事になる。腕環が壊れてしまっても、その石さえ有れば・・・時間は掛かるかもしれないが、また以前の様に、私達を繋ぐ物を造る事が出来そうだ。」


そっか!同じ物を作るには、同じ素材が必要なんだったっけ。


「ユリを異世界より喚んだ時も石の力を感じたが・・・きっと、母上がお前を私の元へと呼び寄せて下さったのかもしれない。」


「愛の力が、世界も時間も・・・超えたんですね。」


「ああ、そういう事らしいな。まさか、こんな事が起こるとは・・・」


またしばらくセル様と見つめ合う。こんなキセキが起こるなんて嬉しくて・・・キスして、2人で笑い合った。



「この石は、ユリが譲り受けたのだろう?」


「はい、一応・・・?」


「ならば、その石と、それから壊れた腕環を使って・・・私が新しく造ろう。」


ひいひいおじいちゃんがおじいちゃんに渡して、おじいちゃんがわたしに渡した石。



時を超えて片割れの石を求めて・・・この世界にたどり着いた石は、セル様とわたしを出会わせてくれた。




セル様は、その後どんどん回復して、お城にはようやく前みたいな日常が戻ってきた。


セル様のリハビリを兼ねた散歩は、今では毎朝の2人の日課になった。頑張って早起きして、朝ごはんを食べてから、セル様と中庭をゆっくり歩く。そのささやかな時間が嬉しい。ついこの間まで、ホームシックだったのに!!!


寂しい気持ちはもちろんまだある。でも、わたしはこの人を失いたくない。優しくて、愛しい、わたしの魔王。



わたしがこの世界に来てから、そろそろ1年が過ぎる頃だ。


今日はセル様の大好物の塩むすびと、たくさんのおかずを持って、珍しく、夜に!四阿でピクニックする。夜のお花見かな?中庭の花は咲き乱れてて、夜の風も優しくて、心地良い。月もきれいで、星もたくさん出てる。


四阿は、いくつもの小さな灯りに包まれてて、イルミネーションみたい。これ、セル様が作ってくれたのかな?すっごくロマンチックだ。


セル様はいつもよりもくつろいだ格好で、長い黒髪がさらさらと風に揺れている。気持ちよさそうに、目を閉じて、きっと昔を思い出してるのかな。



わたしも変わらず、セル様の隣にいる。大好きなこの人と、優しい仲間達に囲まれて、毎日幸せです。


セル様と同じように、わたしも目を閉じて池からの風を感じる。気持ちいいな。


あ、そういえば、今夜はセル様に大事な話があるって、言われてたんだっけ。



四阿で、2人きりで夜にピクニックデートしようって提案したのは、セル様だった。


改まって、どうしたんだろ?なにかあったのかな?まさか、また元の世界に帰れるとか・・・ねえ、今さらそんなこと、言わないよね!?


でも隣にいるセル様は、こわい顔なんてしてなくて、今日も穏やかで優しい。



わたしが疑問に思ってると、セル様が目を開けて、赤い目でわたしを見つめた。

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