JK、平成DKに反撃する。
「ああ、君。なんでそんなに若いのって思ったんでしょ?これはね、うーん、相対性理論の応用ってとこかな。」
「そうたいせいりろん・・・?」
「ははは!相対性理論、知らないか。君文系でしょ?ま、説明すんのも面倒だけど。オレはね、自分の肉体と精神体を完全に2つに分けて、肉体の方の時間だけ、経過が遅くなる様にしたんだ。この世界じゃ、速度も重量も操作出来るから。つまりね、肉体だけ、周りとは時間の流れ方が違うってことだよ。まあ、この肉体も結局後から作ったんだけどね。アバターってやつだよ。」
はい??全く理解できない・・・。
「理解してもらわなくって良いよ。ギルにも、危ないから元の世界に帰れって言われてたんだ。帰りたく無かったから、こうした。」
「はあ・・・。」
ユージは、頭の中が混乱してるわたしに続けて言う。
「ね、君、ついでに教えてあげる。その腕環はね、最初の魔王とその奥さんの聖女が、自分の命を使って、子供達と人間の嫁を守る為に作ったんだ。こっちの世界じゃ有名なおとぎ話。だから、その腕環があれば魔力が無くても君は守られてるんだ。攻撃は出来ないけど、守りだけならその腕環は最強みたいだね。オレの光の鎖も壊しちゃったし。提案だけどさ、オレが魔王を殺したら、オレと結婚しない?異世界人同士、仲良くやろうよ。」
はあ!?・・・セル様、背中しか見えないけど、すごい、怒ってるのが分かる。
「・・・成る程、肉体と精神体を切り離しているから、理性が肉体の魔力に喰われず、理性も残っているというわけか。」
えっ、おかしくない!?なんで今ので納得できたの?セル様、わたし・・・ぜんぜん理解できてませんけど!!
「さて、ここまで教えてあげたし、もういいでしょ?殺しても。」
ユージの身体から、黒い炎みたいなものが出る。オームさんとフラーさんが、結界を広げる。でも、ユージの炎は2人が作った結界を少しずつ破っていく。
「我が王、このままでは・・・」
「御二方とも、お逃げ下され!!」
「我が行く!!」「わたくしもです!!」
みんなが一斉に飛び出そうとしたところを、セル様が手を伸ばし止める。
「手を出すな!!!・・・私が相手をする。ユリを守れ!!」
「「「「はっ、畏まりました!!!」」」」
わたしはみんなに囲まれて、四阿の後ろに下がった。
セル様がユージに向けて、左手を差し出し、黒い炎を吸収していく。
「それ、ギルも使ってたよ。魔素をコントロールして吸収するの。でも、今のあんたじゃ、そんな事したら余計に理性失くなっちゃうんじゃないの?」
「黙れ、お前に殺されるよりはましだろう。ユリには、手を出させない!!!」
セル様、苦しそう!!・・・理性なくなっちゃうなんて、ぜったいやだ!!殺されるのも嫌!!!
「あっ!ユリ様!!」
「出てはなりません!!」
思わず、セル様の背中に飛びつく。
「ユリ!!近付いては駄目だ!下がっていろ!!」
セル様は、片手で私を引き離そうとする。でも!!!
「いやです!!セル様がただの魔物になっちゃうのも・・・殺されるのも嫌です!!わたしが・・・側にいます!!!」
「ユリ・・・」
「へえ、仲良いんだね。でも、どこまで耐えられるのかな。そろそろほら、限界みたいじゃん。」
「っぐ・・・」
セル様の身体がどんどん黒い炎に包まれていく。どうしよう!!!
わたしの腕環は光ってるけど、魔素は吸収してくれない・・・なら、ならどうすれば良い!?
「あ・・・そっか。お願い!!ユージを、動けない様に捕まえて!!!」
その瞬間、腕環が、わたしの言葉に返事をするみたいに大きく光った。
『相対性理論の応用について 』 平成DKの魔王攻略ノートより抜粋。
速く動けば動くほど、周囲に対する時間の流れが遅くなる。動きが加速し、光の速さに限りなく近づくと、時間は、地上で普通に生活している人たちからは、ほとんど止まっているように見える。
物体が、光の速さに限りなく近付く事で、1秒が、周りにとっての100年にも1000年にもなりうる。
但し、速度が早くなると、加速に使ったエネルギーはその物体の質量を増加させる(重くなる)のに使われてしまう。
光速にするには無限の力が必要。
つまり、レベルアップして、速度と重量をコントロール出来れば・・・永遠の命も夢じゃない!!!かな?




