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JKは魔王の嫁になる。  作者: かつらぎ
第三章 煩悩&闘い編
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JK、魔王の部屋に引っ越しをする。

セル様が突然、一緒に寝ようなんて言うから、わたしは思わず口に含んだ紅茶を噴き出してしまった。


あ、ごめんなさい、セル様、紅茶も滴るイケメンです。・・・熱盛?


セル様は、わたしが噴いちゃった紅茶を、ぜんぜん気にもしないで手で拭うと、わたしを見つめて、困ったような顔で聞いた。


「・・・ユリは、嫌だったか?もし嫌ならば・・・まあ、無理に移らなくても・・・良いのだが・・・」


セル様の声はどんどん小さくなる。セル様、目がちょっと泳いでません?さっきまでの勢いは、どうしたんですか?・・・わたしが嫌がると思ってるのかな?


もちろん、イヤじゃない!嫌じゃないです!でも・・・一緒に寝るのなんて、まあ2回くらい一緒に寝ちゃったけど、毎晩なんて恥ずかし過ぎませんか!?たしかに、寂しくなる時もあるけど・・・セル様、なんでそんなこと急に言うんだろ?大人だから、余裕あるの?優しさ?


セル様、不安そうな顔になってる・・・とりあえずブンブンと頭を横に振ると、セル様は不安そうな顔のまま笑って、言った。


「・・・そうか、安心せよ、ユリが怖がる事は、何もしないと誓おう。」


えーと、怖がる事って・・・どういうことですか?



それを側近のみんなに伝えたら、みんなすごい驚いてて・・・オームさんはなんか涙ぐんでるし、フラーさんはオームさんの肩を優しく叩いてる。フェイさんは、準備がとか言って、自分の裁縫部屋に篭ってしまった。あれ?そういえば、シャンさんは?・・・とりま、みんな喜んでくれてるってことだよね?


お城が大騒ぎになった後、あれよあれよという間に、わたしが使ってる部屋から荷物が運び出されて、わたしはその夜から、セル様のお部屋で一緒に暮らすことになった。えー、だいじょぶかな、わたし!?同棲ってやつですか?コレ。また一気に大人の階段のぼっちゃうの?ちょっと飛び越えすぎじゃないですか?



「・・・戻っておったか。」


いまわたしが座ってるのは、セル様のおっきなベッドの上、ではもちろんなくて、おっきなソファ。いや、今夜からあのベッドでセル様と一緒に寝るとか・・・やばい恥ずかしすぎる!!!


あのベッドなら・・・確かに4人ぐらいでも寝れちゃいそうだけどさ!・・・わたしはフェイさんが腕によりをかけたっていう、ヒラヒラレースがいっぱい付いた、前開きのネグリジェみたいなのを着てる。


に、しても。わー、お風呂上がりのセル様・・・尊い!!!


・・・よき。きゅんきゅんしちゃう。セル様、色気すごいですね。やばみ。



わたしはドキドキして、夕ご飯どころじゃなくって。何を食べたか、なにをしゃべったのか、全然覚えてない。


その後、フェイさんに連れられて花びらがいっぱい浮いた大きなお風呂で(すみずみまで!)きれいにしてもらって、クリームだのなんだのって色々塗られて、なんかちょっと疲れて、やっと部屋に着いたとこだった。でも落ち着かないし、どうしてたらいいか分からなくて、とりあえずソファに腰を下ろした。


部屋に入ってきたセル様は、わたしの座ってるソファには腰を降ろさずに・・・なぜか遠くの窓辺の方に行ってしまう。お風呂上がりで、暑かったのかな?セル様の耳が赤くなってる。


「セル様?」


お風呂上がりでまだ濡れたままの黒髪。水滴が滴り落ちてく。


「髪、ちゃんと乾かさないとカゼひいちゃいますよ?」


ソファから立ち上がって、セル様に近付くと、セル様は身震いして、手拭いを握りしめる。


「ほら、やっぱり。湯冷めしちゃうから、貸してください!」


セル様から無理やり手拭いをもぎ取ると、セル様をソファに座らせて、後ろから髪をくしゃくしゃ拭く。


(あ、セル様、お風呂上がりのいい匂いするな。)


そんな事を考えながら髪を拭いてたら、セル様が深いため息をついて、言った。


「・・・ユリは、良い匂いがするな・・・花の様な香りだ。」


おんなじ事考えてた!!ついさっきまで緊張してたのがなんかおかしくなって、笑ってしまう。


・・・セル様も、もしかしてドキドキしてるのかも。ああ、そっか。この人は、初めて会った時から、いつもわたしのこと一番に考えてくれてたし、やさしかったな。一緒の部屋で、セル様だって、ドキドキしないわけないよね?


「ユリ?」


わたしが笑い出したから、セル様はびっくりした顔して振り向いた。でもこっちを見て、愛おしそうに目を細める。


(いまはまだ、怖いけど。セル様となら、大丈夫かもしれない。)


その夜は結局、セル様とその日お城であったことをたくさん話して。それまで緊張し過ぎてたわたしは、セル様もわたしとおんなじ気持ちなんだって安堵して・・・そのままソファで眠ってしまったらしい。


朝目が覚めると、なぜかわたしは一人でふかふかのおっきなベッドで寝てて、セル様はソファで身を縮めて苦しそうに眠っていた。なんか・・・ごめんなさい、セル様。やっぱいろいろ飛び越えて一緒に寝るとか、JKにはハードル高すぎたかも?でも、これからがんばるから!!・・・ね?

JK語広辞苑 令和二年監修


熱盛 某ニュース番組の放送事故から派生 突然の発言や誤打、間違いなどを照れ隠しする際に用いる

よき 良いの古語 よきかなより派生の語

やばみ 〜み 最新の形容詞を用いた語 より深みのある表現として用いられる

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