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JKは魔王の嫁になる。  作者: かつらぎ
第一章 出会い&育み編
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JK、魔王の城を改造する。

あれから、ひと月ぐらいだろうか、カレンダーがないから、何日経ってるのか、正確には覚えてない。



・・・200歳の美少女に驚いたあと、わたしのお腹が盛大に鳴って、また魔王・・・セル様に大爆笑された。


セル様が魔法で、調理場に作ってあったという野菜クズが入ったスープみたいなものと、固すぎる食パンみたいな食べ物を出してくれたけど、びっくりするぐらい味気が無くて、でも残せないからお水で慌てて流し込んだ。


食べながら、家のおいしいご飯を思い出してしまった。おばあちゃんやお母さんのご飯が食べたい・・・会いたい・・・また泣き出したわたしに、セル様は困ったような顔をして、こちらの世界に召喚すると、異世界からは消滅した事になるから家族や友人などの記憶からは消えているだろうということをゆっくりと、諭すように説明してくれた。


みんなの記憶から消えてることが悲しくて、家族や友人が恋しくて、それからまた泣き続けて、泣き疲れて眠った。



目が覚めると、セル様がわたしの手を握り締めながら、上半身だけベッドに倒して、眠っていた。


美しいその顔は苦しそうで、目尻に涙が浮かんでいて、わたしが寝てる間中ずっとそばにいてくれたのだと分かった。


寂しい気持ちには変わりないけど、帰ることができないんなら、ここで生きてくしかない・・・ベッドサイドのテーブルと椅子のところに、愛用のリュックが置いてあるのを見つけたわたしは、思わず大きな声を上げて、セル様を起こしてしまった。


大事なスマホも置いてある。電波はモチロン入って・・・ない。たぶん充電も切れちゃうよね、充電・・・できるわけがない。


でも、家族で誕生日の時に撮った写真や、友達と学校帰りタピオカを飲みながら撮った大切な写真は、いつでも見られる様にって、全部セル様が魔法でプリントアウトしてくれた。魔法って、やばい(語彙力)。



その後落ち着いてからセル様に連れられて、大きすぎるお城の大広間で魔族の家来の人たちを紹介された。


フェイさんに、オームさん(おじいちゃん)、シャンさん(おっきい狼?)、フラーさん(数学の先生みたい)。


200歳の美少女と、魔王に会ったのが衝撃的過ぎて、それにお兄ちゃんがもしここに居たら最&高とか言ってただろーな、なんていう風に思ってたからか、全然怖くなかったし、みんなすごく優しかった。




・・・それから、毎日がびっくりだった。この世界のルールや、魔王という種族について、魔族達のことなんかを少しずつ教えてもらいながら、あっという間に時間がたったわけ、だけど・・・。


トイレはまあ、わかる。ブラックホールみたいな亜空間につながってて・・・絶対入ろうとしなかった大嫌いだった和式トイレにも馴染んでしまった。


お風呂も、立派な温泉みたいなお風呂がいくつもある。お風呂に入れることに感動してたら、セル様に一緒に入るか、と言われて飛び上がってしまった。純粋なJKには、ハードルが高すぎるよ!!!真面目な顔して言わないで欲しい・・・。いくつだと思ってるんですか?


衛生面は良かった。魔王とか魔族とか言ってる割に、みんな清潔にしてるみたい。ただ、食事と、城の中がね・・・。


マズすぎる、全然おいしくない、というか味がしない。セル様も人間の血を引いてるはずなのに、大きなテーブルで一緒に食べるご飯を、平然と平らげてる。なんで?味覚、ないの?


一度味がしないって言ったら、苦笑しながら説明してくれた。


セル様のご先祖は、なんでも生で食べてたらしい。今でも殆どの魔族は生で食事する。でも、魔王の一族が人間の妻を貰うことで、人間の食事も少しずつ魔族に受け入れられるようになった。


セル様のおばあちゃんの頃までは、人間が使う調味料も手に入ったし、焼いたり、煮たり、調理法も人間と同じようにするようになった。


セル様のおばあちゃんは、わたしと同じ、昔の日本から来た人で、中庭には畑まで作って、調味料も手作りしてたらしい!セル様も、小さい頃はおばあちゃんのご飯が楽しみだったって言ってた。


でもセル様のお母さんが、病気で、味の無いものしか食べられなくなって、いつしかおいしい食事も、調味料も少なくなっていったんだとか・・・(察し)。そもそも買い物とか行かないし、気にしてないらしい。引きこもりなの?セル様。



それから、お城。大きいし立派だけど、使ってない部屋とか、閉じっぱなしのカーテンとか、埃だらけの調度品とか。庭も荒れ放題で、お世辞にも美しいとは言えない。


お化け屋敷みたいだもん、こんなんじゃ、怖くて快適になんて住めないよ!


この世界に来た時に着けられた腕環(ブレスレット)は、わたしを守るもので、セル様の赤い石の付いた指環(リング)とつながっているらしい。結婚の証だっけ?とにかく逃げようと思わなければ城の外に出ても大丈夫だと言われた。



逃げたって、行くところもないし、帰れるわけでもない。けど、こんなマズいご飯と、お化け屋敷みたいなお城にいるぐらいなら、逃げたくもなりますって。


・・・と、いうわけでわたしはとりま、このお城の改造計画作戦を、考えてみたわけです。

JK語広辞苑 令和二年監修


(語彙力) 表現しきれない感情の様

最&高 最高の派生語 より感情を表したい時などに用いる

(察し) 聞いてはいけない事を聞いてしまった時の複雑な感情の様

とりま とりあえずまあの略語


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