part3
Part3
P:社長 紫川 陽一
M:主人公/鉄道事業本部 花守 裕也
W:同僚/鉄道事業本部 和方 明人
R:同僚/鉄道事業本部 李 伊陽
O:上司/鉄道事業本部車両課長 追船 正志
E:鉄道事業本部長 榎田 和寛
A:建設課長 葦沢 拓
T:設備課長 十島 圭史
O:「第一回、舞倉車両センター(仮称)建設位置検討会議を始めます。司会は車両課の追船が担当いたします。早速ですが、各課であらかじめ決定していただいたルート案を簡単にプレゼンしていただきます。まずは建設課からお願いいたします。」
A:「はい。当課が会議で決定いたしました案は、B案、舞倉中央駅北方4kmの、百ヶ丘町付近でございます。主な決定要因は、建設費用の安さです。舞倉中央駅から北進し、白崎川を最短ルートで渡り、その後は掘割区間とし、百ヶ丘町に入るあたりで地平線になります。想定される最急勾配は、舞倉中央駅周辺で33.3‰、白崎川以北では10‰となります。また、高架区間や地盤補強区間が他のルートに比べ格段に少なく、用地の地価も安いところが多いため、建設費を安く抑えられます。」
O:「ありがとうございます。続いて車両課どうぞ。」
M:「はい。車両課は舞倉中央駅北西6km、瀬来町のC案です。主な決定要因は勾配の少なさです。白崎川を、舞倉港旅客ターミナル予定地西方で横断し、そこからは台地の上を地平線で敷設し、瀬来町へ向かいます。このルートの最大勾配は10‰なので、旅客列車のM比を抑えることが出来、車両面でのコストや電気代を抑えることができます。また、用地も広いので将来の拡張にも容易に対応できます。」
O:「では次は設備部の方、お願いいたします。…」
このような感じで会議を進めていった結果、結局百ヶ丘案と北西案に分かれた。結論は次の会議で決めるとしつつも、結局百ヶ丘案が優勢となった。
M:「うーむ…キッツイな…」
W:「どしたん深刻そうな顔して。」
M:「いや、さっきの会議で車両センターの位置決めやってたんだけど色々な面で百ヶ丘案が有利なんだよね…勾配と用地以外の要素だと簡単に説き伏せられちゃうし。」
W:「まあ仕方ないんじゃない?」
M:「そういうもんかね…」
〜数日後〜
O:「車両センターの位置が決まったぞ。結局百ヶ丘案が採用された。ただ、位置が初期案と若干変更がかかって、百ヶ丘町中心部の北東の端の元陸軍工廠跡の町有地に変更になった。あと、車両センターの隣に旅客用の駅を作って、低頻度運転ではあるが旅客線となる見通しとなった。これは百ヶ丘町が町有地売却の条件として提示されたもので、イメージとしては東京の千代田線北綾瀬支線みたいなものだ。えーと、それで乗務員の移動時間の短縮にもつながることから我が社がこの条件を飲むことで決定した。さらに、短距離を旅客線化するのでは収益が悪いので、この回送線を延長して、舞倉中央〜磯辺〜舞倉空港の空港線を建設することも決定した。これは将来、百ヶ丘から先への延伸や他社線との直通も見据えての建設決定だ。とりあえずざっとこんなもんだ。」
M:「あの、最急勾配やカーブ半径の情報とかってありますか?」
O:「一応最急勾配は中央駅北の25‰勾配で他の区間は車両性能や将来の貨物輸送に配慮して10‰以下らしい。あ、そうそう。もしかすると車両搬入や貨物輸送で百ヶ丘〜舞倉中央駅北側1.5km地点〜舞倉中央駅東側1.3km地点〜東舞倉〜東街堀〜舞倉空港駅直下〜貨物地区西区域までで貨物線を作るかもしれないから、おそらく25‰勾配は問題にならないかと。」
M:「分かりました。」
R:「ということはその貨物線化する部分は線路敷設が後回しになるということですね?」
O:「おそらく。まだ決定ではないが、舞倉中央→(磯辺)→舞倉空港の順に順次建設することになると思う。で、舞倉空港以東の半分はしばらくかかるかな。おそらく空港の隣の駅のあずま中央までは建設されるだろうが。」
さらに1週間後、社内に一斉メールが送られた。
舞倉環状線およびその付属支線のルート、諸元についてのメールだった。
舞倉環状線:旧舞倉環状線のルートを踏襲して敷設し、途中にある半径200m以下の急曲線についてはその曲率を半径200m以上に緩和するものとする。最高速度:85km/h、最急勾配:33‰
百ヶ丘回送線(舞倉環状線支線):舞倉中央駅から北進し、約4km離れた百ヶ丘町の町有地まで敷設する。最高速度:95km/h、最急勾配:40‰(北舞倉信号場以南)、10‰(その他区間、舞倉環状線接続部)
舞倉貨物線:東街堀駅から南下、舞倉空港駅直下を経由し、西貨物地区内まで敷設する。最高速度:75km/h、最急勾配:10‰
M:「半径200mか…何キロ制限だ?」
R:「おそらく50キロかと」
M:「じゃあ貨物は45くらいになるのか…ていうかまず20m車体で曲がり切れるの?それ」
W:「多分ギリギリ行ける」
M:「まあ車両基地内の曲線とかもっときついのもあるし別にいいのか」
W:「それより急カーブが多いから加減速鋭い車両を導入しないといけなさそうだね」
R:「ええ。常用最大で4.0km/h/sはいいとして加速度はどうしますかね。」
M:「もしかしたら百ヶ丘から先延伸するかもしれないらしいからそれなりの高速性能は欲しいよね」
W:「最低でも2.5km/h/s、出来れば3.2〜3.3km/h/sかな」
M:「3.3で120km/hでるか?」
R:「電気代を気にしないのであれば出ますが、おそらく電気代がかなりの額になるかと。」
W:「あと90前後から加速がかなり鈍ると思う」
M:「いや、京急みたいにバカみたいな出力のモーター積めばいける」
R:「流石にそれはオーバースペックかと」
W:「それに頑張っても一駅20秒程度の短縮だろ。30秒単位のうちの会社のダイヤだと余裕時間になって終了だよ」
M:「じゃあ加速3.0で最大120、通常100くらいを目安に車両部の設計課に回すか」
W:「まあそんなもんだろ」
R:「ちょっと待ってください。編成はどうするんですか?」
M:「あ。ところで環状の一周何分だっけ?」
W:「ちょっと待って…大体36分。」
M:「運転間隔は?」
R:「日中12分、朝夕6分です。」
M:「じゃあ4連を15本くらいじゃないか?」
R:「早朝深夜はそれだと輸送力過剰ですが…」
M:「じゃあうち7編成分を2連13本に変えるか」
W:「つまり4連8本と2連12本になるってこと?」
M:「だな」
更新が遅くなりましたがpart3です。今回はほぼセリフな回です(読みづらいです)。次話は今週中に更新するつもりです。