表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
凸凹コンビほど不思議な関係  作者: 如月朱鳥
第3章 リハーサル準備
9/12

最悪は同室

ホテル探しを始めて1ヶ月。

若本は毎日朝、昼、夕方と3回ホテルの空き状況を見ていた。

それでも、2人で1週間分のホテルは確保できていなかった。

ほかの競技担当者はほぼホテルが確保出来ていた。

そして、ある日ホテルが取れていない彼女は正村に

「シングルはないんですけど、ツインって部屋はあるんですよね」

と突拍子もないない発言をした。

一応わかると思うが、この2人はカップルではない。

それどころか、年齢は一回りも違っているのだ。

あと彼は妻子持ちでもある。

「待て!本気で取るなよ!いくらないって言っても俺は困る!」

と見たこともないくらいに焦っていた。

「仕方ないじゃないですか、ホテルの空きはツインばっかりなんですから。

 ちゃんと仕切りくらいはしますし!」

「そんなことじゃなく、俺が寝れないっていうことだよ」

「いびきはかかないですから」

と彼女が冗談を言っているのか本気で言っているのか彼には分らない状態だった。

「あのな…」

「最悪は同室でも仕方ないですよ」

それは彼女だから言えるのかもしれない。

見た目は女だが、やることなどは男勝りだから。

でも、これとそれとは別。

女と男が同じ部屋で寝るなんて……ということだろう。

その後、2人の会話を聞いていた彼女と同じ臨時職員の田崎は

「あれって冗談よね?」

と言ってきた。

彼女は

「半分は本気かな?いくら探してもツインとかはいくつか空きがあるからさ」

笑いながら言っているが、どっちにも捉えれる答えだった。

その後いくらか探して、シングルの部屋は見つけていたがそれもそれで問題があった。

1週間の宿泊が不可能だったり、1部屋しかなかったりしたのだった。

たが、ツインの部屋は1部屋だけ取れば何泊かしかなくても別のホテルが空いたりしている。

同室でもいいという話から数日後、ロッジの予約があることを知った。

そのロッジは少し会場からは離れているが、レンタカーがあれば10分ほどでつく距離。

そして、宿泊予定日から5ヶ月前からしか予約を取っていない。

ホテルが取れてない2人にはいい話だった。

「このロッジだったら予約できるんじゃないですか?」

「一応連絡して聞いてみるか」

彼がロッジに予約が取れるかの確認をした。

「すみません、9月30日から1週間泊まりたいんですが2部屋空いていますか?」

『宿泊の2ヶ月前から予約抽選になりますので、1週間というのは難しいと思います』

だが、現実はそう甘くはなかった。

「2人分の部屋を一緒に抽選って言うのは出来ますか?」

『それは無理です。どちらかが抽選に外れることもありますし、両方が抽選で当たることもあります。』

もし、どちらかが抽選に当たっても泊まれないのが確定だった。

そうなってくると彼女の冗談が本当になる可能性も高くなってきた。

問い合わせを終えた彼を見て

「一応、予約抽選だけはしておきましょうか?」

と言うと

「ああ、でも1部屋だけってなったらキャンセルになるから……」

と彼は悩んでいた。

「でも、1部屋に何人かは泊まること出来るんですよね?」

彼女の追い打ちの一言。

「それはそうだが……俺が本気で困るからやめてくれ」

「一応探せるだけは探しますし、予約も入れるだけは入れておきますから」

とその日はそれで終わった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ