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凸凹コンビほど不思議な関係  作者: 如月朱鳥
第3章 リハーサル準備
7/12

最初の仕事は宿探し

4月1日、新年度が始まる日。

若本は臨時採用されたほかの職員と一緒に挨拶をしていた。

「道路維持課で働いていました若本 みちかです。

 分からない事ばかりですが、よろしくお願いします。」

全員が挨拶を終えると各担当者と顔合わせをしてた。

彼女は正村とは事前に顔合わせをしていたのでする必要がなかった。

そして、2人の直接の上司になる真崎と挨拶をして引継ぎを始めた。

「一応ソフトテニスと軟式野球を担当している真崎です。

 リハーサル大会までは掛け持ちでやりますので」

「よろしくお願いします」

「早速ですけど、10月1日からの出張のホテルを取ってもらいたい」

「国体の視察ですか?」

「そう」

彼女は2人のやり取りをなんとなくで聞いていた。

出張に行くのは正村1人だと思っていたからだ。

実際、今までの課では臨時職員やアルバイトが出張に行くことはなかった。

「何泊分取ればいいですか?」

「たぶん前泊、後泊がつくから6泊で2人分を」

と言いながら2人を指差した。

「若本さんも一緒に?」

2人ともが一瞬驚いた。

「うん、今回は臨時職員も国体の運営とか見てもらったほうがいいからということみたいだから」

一番自分には関係ないと思っていた彼女がきょとんとした顔をしていた。

それが彼女の……いや2人の最初の仕事だった。

真崎から出張の話を詳しく聞いた2人は、スケジュールとかを相談することにした。

「移動手段とかどうしますか?」

「まあ、飛行機と電車での移動だろう」

前年の視察に行っていた真崎の日程表を参考にしている。

「俺はそういうプラン組むの苦手だから、若本さん任せた」

と言って、彼女に全部を任せた。

「一応何パターンか考えますけど……」

困ったような顔をしながら、日程とかを紙に書いた。

「ふと思ったんですけど、それよりも先にホテルを手配しないといけないですよね?

 移動手段はホテルが決まってからでも確保できそうですし」

と彼女が言うと、2人は黙々と宿探しを始めた。

課のほぼ全員くらいが宿探しをしている状況だった。

そして、半日が経った頃

「これって本当に空いているんですか?」

と彼女がボソッと言った。

ホテルの比較サイトやホテルの公式サイトを見ても国体が開催される日は全く表示がされなかった。

「探せばあるだろう」

能天気なことを彼は答えた。

別の職員にも聞いたが、どこの競技もホテルは取れていない。

しかも、条件がシングル2部屋で1週間近く取るなんて言うのが難しいのだった。

彼女はこの日から数日時間があればホテルを探す日々を過ごすことになるのだった。

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