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凸凹コンビほど不思議な関係  作者: 如月朱鳥
第1章 国体に入るまで
6/12

神のいたずらはたちが悪い

国体の臨時職員が決まって2ヶ月後の3月20日

この日は正規職員の人事異動が発表される日だった。

朝から職員全員そわそわしながらいつだろうと待っている。

その時は突然それは訪れた。

昼一番で発表され、パソコンに食いつくように職員は見ていた。

彼女は年度末の書類整理で人事異動が発表されているのには気づいていなかった。

「人事異動が発表されたみたいだよ~」

と同じ課のアルバイトが言い、彼女はある程度片付けて、職員用ネットワークを見た。

『意外とこの課も変わるのか~』

自分の課だけを見るだけ見て、書類を処分する準備を書庫の隅で始める。

古い書類をファイルから外し、束ねては台車に山積みにしていく。

黙々と作業をしている彼女の後ろにそっと無言で立った男性が居た。

話しかけることもなく彼女が気付くのを待ってた。

後ろに誰かの気配を感じた彼女は後ろを振り向き

「ん?何か用ですか?」

「4月からよろしくな」

「・・・・・・はい?」

彼女の後ろに立っていたのは、管財課の正村だった。

庁舎内で見かけたりはするが、全く話す事はなかった。

そして、唐突によろしくといわれたが全く何のことか分かっていない。

彼の言葉に首をかしげている彼女に

「いや、若本さんって国体のソフトテニス担当だよな?」

「まあ、そうですけど・・・・・・」

と言いながら、少し不安そうな顔をした。

「僕もソフトテニス担当だから」

そう言われて彼女は何のことかやっと理解できた。

そして、それと同時に驚きがあった。

「嘘でしょ?」

「いや、ホント。さっき国体推進に挨拶行ったら君と組むって言われたから」

彼は人事異動が発表されてすぐに挨拶に行った。

その時に国体推進課長の堀内に

「ソフトテニス担当なんだが、庁舎内に居る子なんだけど」

「誰ですか?」

「都市道路整備課の若本って子知ってる?」

「ええ、僕が思っている子で合っていれば知ってますが?」

「その子と2人でやってもらいたい」

という話があったのだった。

彼女はフライングで一緒に仕事をする相手までも知ってしまった。

普通であれば、4月1日に国体推進課で担当する係と担当者を知る。

でも、彼女は庁内で仕事をしていたから全てを3月中に知って知った。

4月1日の楽しみは全くなくなったのだった。

それから彼女は数日間、やる気がない状態で仕事をした。

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