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言葉を重ねるしかないんだ(一日一詩(あくまで目標)

冬空モノクロブルー

作者: ふにゃこ(水上える)
掲載日:2017/02/28

麻布の心地よさとローズマリーのかおり

茂る葉に隠されない冬の空は広く

裸の枝の先が指し示す天の方向は

鮮やかな無色が記憶の中の白黒写真のようだ


雲はうろこ

世界樹を食べた しずく


青空が青いときに

おまえは思い出すのだ

生まれる前の充足感とたしかな証しを

遠い昔に置いてきてしまったなにかのかけらを


おまえは世界の要ではない

おまえは世界の軸ではない

おまえは世界の核ではない


それでも

世界は直線だけでできてはいない

世界は曲線だけでできてはいない

満たすものがあり

満ちるから ひかる


水中を拡散する光の輪が

あらゆる波を透過してゆくように

放射状に展開する粒子の軌跡は

まるで花弁がひらいてゆくように


きっとすべての道は美しいのだ



愛するものを嬲り殺す正義が

天国の名札を付けて棍棒を振りあげる

未来のような景色の中で

原始的な儀式はしめやかに進み続ける


道徳酸に浸された脳髄と

偏ってしまった電気信号と

祀り上げられた美徳の発酵した命令で動く四肢


けたたましくなり続ける警告音は

肯定だけを求めるものには称賛の鐘である


おまえはただそれを知っている

おまえには見えている

そしてそれだけではなにも解けはしないのだと


足を踏み入れた茨の道は

いつも二手に別れている


騙し絵のようなループを全速力で走る

獣の足跡にも意味を見出そうとしている

道化ではなく己の尾を食う蛇と

いつか、いつかその視点に時制を重ね

それが破滅ではないのだと知ることを願う


きっとすべての道は美しいのだ



雲はうろこ

一枚一枚が絵画

抽象であり具象

つまり意思であり翼だ


冷たい空気に鈴の音が鳴るような冬は好きだ

春を待つためではなく

その身を切る切先そのものが好ましいのだと


乾いた指に馴染む目の荒い布に道具を包み

神話とサイエンス・フィクションが同居する地平で

痛みに驕ることなかれと

四方八方に伸びた糸を手繰り寄せながら

おまえはいま信念にたどり着いた


きっとすべての道は美しいのだ


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