閑話 仕様
ふははは、前回の後書きは嘘だっ!
てことで閑話挟みます。わざとじゃないんです。閑話がここに挟まれたいって……。
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「それにしても……スキルはどんなものなんですかね?
魔法や鑑定はともかく……桜さんのスキルは謎が多いですよね。
太一先輩の空間魔法と桜さんの亜空間の違いとかも気になります。」
「ふむ、たしかに。
ステータス画面はゲームみたいにタップできねーのかな……『鑑定』……うん、触れねーな。
そこまで便利じゃないか。」
鑑定画面を出して手を伸ばしてスカスカさせる太一くん。
どうしよう、半端なくマヌケというか、怪しい人だ……私も気になってたけど確認しなくてよかった……。
確かに他の3人は見てどんなものか大体は予想がつくけど私だけ謎だ。
属性魔法系は漫画やアニメとかでイメージわくもんね。
所持界越え、亜空間、多種コミュニケーションが謎スキルだよね。
言語全翻訳は文字も会話も全部勝手に日本語みたいにするすると脳みそに入ってくるからそういう能力なんだろうなぁって思えるんだよね。
なんか日本語喋ってるつもりだけど人からすると違う言語喋ってるみたいだし。
と、いっても皆アディシア語は話せてるみたいなんだけどね。
別の言語の国から来たっていうメイドさんが1人いたからその国の言葉で喋ってもらったら分かったのは私だけだったんだよねー。
召喚された場所の言語だけは誰でも分かるのかな? そこも謎。
「言語はわかりやすいとして、多種コミュニケーションってなんだろうね?
相性よくない人とか言葉通じない人とも仲良くなれるとか?
……ってあれ? 実は桜動物と喋れるようにとかなってないの!?」
すっごいわくわくした顔をして観月ちゃんがこっちを見てくるけど……。
「……そういえば鳥とかっている?
私鳥の声すら聞いた記憶がないんだけど。」
この世界に来てから一ヶ月はたったと思うけど、書庫と部屋を移動するだけの毎日で外にいる時間なんて皆無といっていい。
窓も基本的にしまっているからか防音性が高いのか鳥の声すら聞かない。
「……桜……引きこもりすぎは良くないと思うよ……。」
どうやら私が把握してないだけで鳥はいる模様。みんなが呆れた顔してるよ。
これはいかんね、今度外にお散歩しに行こう……。
誰かと遊びに行くのは好きなんだけど……基本的にはめっちゃインドア派なんだよねぇ……。
お家サイコーバンザーイ。
「えーっと……今度お散歩してみます……。」
みんなからの無言の圧力に屈しました。
「えーっと……亜空間ってなんですかねっ!?」
佑太郎くんが空気を読んでくれたので便乗して話を変えましょう、そうしましょう。
「なんだろう、使ってみたらわかるかも?
『亜空間』……んん? なんかでたね。」
目の前にはぽかっと空いた黒い何か。
「ん? 収納と同じように見えるな。」
太一くんの使う収納は、名前そのままで収納することができるスキル。
青狸さんのポケットみたいなもんだよね。
試しにいっぱい入れてみたら収納量は軽トラック分くらいらしいけど亜空間はどうなんだろう?
ていうか見た目確かに見せてもらったのと同じ感じだけど……本当に同じなのかな? 危なくないかな……?
試してみた結果、亜空間は限界が見えないくらいに入ります。
収納はある程度入れると中身がそのまま入らないですり抜けちゃうんだけど、その量を超えても余裕で入ってったし更に入れても入れても限界が見えないからやめた。
「桜は自分のスキルとかなんも試さなかったの? どんなスキルなのかとか気にならなかった?」
「うーん、気にはなったんだけど、なにが起こるか分からなかったし、なんていうか……派手なものがなくて面白くなかったというか……。
あ、でもね、所持界越えはどんなか分かるよ。
ティッシュが増えるの。」
「「「……は?」」」
「いや、だからね、ティッシュが増えるの。」
初日に佑太郎くんの鼻をかむとき使ったあのティッシュ。
普通に鼻をかんだり使い続けてたらすぐになくなっちゃったはずなのに、次にカバンを開けたときには何故か復活してたんだよね~。という説明をしたらなんとも言えない空気になってその話は終わった。
ね、なんとも言えないスキルだよねーそんな反応になるよねー。
あ、言い忘れてた。
ゴミ袋の中身も気付いたら無くなってるんだよ?
嫌がらせのように前回の後書きが嘘になってしまいました。
あえて編集しなおさないでそのまま閑話を更新してみちゃってます。
無限増殖するティッシュのスキルなんだぜって書きたかっただけの閑話。
次こそ前回予告した本編です。
せっかくなので次回予告を前回とは少し変更して……。
『勇者は給料制とかナニソレキイテナイ』です。