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今何て言ったの

「歯科衛生士、寿理沙29才。結婚しまーす!」

「はあっ!理沙、今なんて言ったの?」

「♪今なんて言ったの・・・」

「こら!歌うな。今、何んて発言した?」

「寿理沙29才、結婚しまーす!」

「えーーーーーっ!」


「・・と言うことで、龍崎真司先生と、寿理沙さんがこの度めでたくご結婚することになりました!」

院長先生は、みんなの前でそう告げた。

「おめでとう!」

「おめでとうございまーす」

「ありがとう」

「どうもありがとうございます」

「結婚式はいつですか?」

「実は・・もう入籍は済ませてまして・・」

と、申し訳なさそうに報告する真司さん。

「何その超特急・・あっ!もしかして・・理沙」

「そのもしかしてです!」超笑顔の私。

「なにーーーーーっ!」


私たちの突然の発表に、みんな天地がひっくり返ったような驚きよう。

私もまさかとは思ってたけど。まあそれだけ相性が良かったってことかしら・・私と真司さん。


ある日

もしやと思い、検査薬を使ってみたら見事陽性!

婦人科に行ったら「おめでとうございます。3ヶ月です」と言われ!

まずは先生と駿くんに報告。

そして先日、真司さんのご両親に挨拶に行った。

いやみの一つも言われるかと覚悟していたが、二人とも大喜びしてくれた。そして予定日はいつだとか、早く籍をいれなさいとか・・。

それから私の両親にも、真司さんと駿くんと3人で挨拶に行った。

お母さんはそれほど驚かなかったけど、お父さんの喜びようときたら半端ではなかった。


そして、誰よりもお腹の赤ちゃんのことを喜んだのは駿くんだった!

「僕、お兄ちゃんになるんだよね!ねえ、弟?妹?」

「まだわかんないの」

「駿くん、この子が生まれてきたら可愛がってくれる!?」

「うん!鬼ごっこしたり、ゲームしたり・・自転車乗ったり!」

「ありがとう駿くん」

「あー、早く生まれてこないかなあ・・。そうだ、名前は何て言うの?」

「名前は生まれてから決めるの!その時は駿くんも、どんな名前がいいか教えてね」

「うん、わかった!・・やったー、やったー。僕はお兄ちゃん・・」


そしてお昼休み。

「理沙、仕事はどうするの?」

「私は続けたいと思ってるけど」

「そっかあ、しばらくは一緒にお酒も飲めないね」

「うん。でもこうして食事には付き合うわよ!」

「赤ちゃんかあ。早く見てみたいなあ理沙と先生の赤ちゃん。どっちに似るんだろうね?」

「どうかなあ・・」

「家はどうするの?」

「来週引越し!彼のところに」

「じゃあ手伝いに行くよ。瑞希ちゃんたちと」

「うん、ありがとう」


そして今、荷造りの真っ最中。

「明日、天気よさそうで良かった」

「そうだね」

「ヨシッと!大体終わったかな」

「このくらいの荷物なら一度に運べそうだな。大きな荷物も無いから、男は僕だけで大丈夫だね」

「僕もいるよ!」と頼もしい駿くん。

「おっ、そうでした!男2人いれば大丈夫だ」

「うん。お願いします!」


引越し当日。

「理沙さん、意外と荷物少ないですね」

「うん、元々備え付けのものが多かったから」

「なるほど」

「じゃあ、出発しますね」

「はーい」

「駿はどっちの車に乗る?」

「ルミお姉さんたちと、パパの車で行く!」

今日、真司さんが運転するのは、レンタカーの軽トラック。真司さんのBMW は、ルミが運転した。

「いいわよ駿くん。お姉さんたちと行きましょう」

「じゃあ私は真司さんと!」

「真司さんかあ・・なんかまだピントきませんね。寿さんがそう呼ぶの」

「同感です」

そのうちビンとくるわよ!千穂ちゃん、瑞希ちゃん。

「じゃあルミ、お願いね」

「OK!」


こちらBMW の車中。

「駿くん、パパと理沙お姉さん、結婚してくれて良かったね!」

「うん!」

「それに、駿くんもうすぐお兄ちゃんだね」

「うん」

「いいなあ駿くん。私も弟か妹が欲しくなっちゃった!」

「お願いすれば!」

「無理ですよ!」

「冗談よ、冗談!」

「駿くんはお願いしたの?理沙お姉さんに。弟か妹が欲しいって」

「言わなかったけど・・パパとお姉さん、一緒にお風呂に入ったら赤ちゃんが出来たんだ!」

「えっ?」

「この前、遠足に行ったとき!」

「ぷっ!」

「理沙たち見られてたんだ・・」


そして引越しも無事終了。今日からここで3人の、いや4人の新しい生活が始まる。


「お礼にご飯、ご馳走させてください」

「はーい!喜んで」

「瑞希ちゃん・・」

「すみません。調子に乗りました」

「ふふふっ」


私達はお店に移動していた。

「ん?どうしたのみんな」

みんなの視線が私に集まっている。

「お風呂入ったんだって?!」

「はあっ?毎日入ってますけど」

「それは誰とかなあ・・」

「一人に決まってるじゃない!」

「遠足の時も・・・」

「遠足の・・ああ、駿くんと一緒に入ったわよね!」

「うん」

「それだけかなあ・・」

「パパと入ってたよね!」

「えっ!駿くん知ってたの?」

「うん」

「いつの間に・・・それで駿くん、その後は・・何か見ましたか?」

「うんん、お風呂だけ!」

「ふうっ」

「何焦ってるのよ!?理沙」


そして

「おっ、いたいた!」

そこに、レンタカーを返しにいってた真司さんが戻ってきた。なんというタイミングの悪さ!

「パパ、お帰り」

「お疲れさま」

当然、真司さんも口撃?の的に・・。


「ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでした」

「いえ、こちらこそありがとうございました」

「理沙、じゃあまたね!」

「みんな気を付けてね」

「駿くん、バイバイ。また、お話聞かせてね」

「うん、バイバーイ」


皆は地下鉄の駅に向かい、私達はBMW に乗り込んだ。

「さあ、家に帰るよ」

「はーい!」

「はーい!」







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