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そして・・

さすがにGW だけあって、大浴場は結構混んでいた。

私は空いてる椅子に腰掛け、蛇口のレバーを押した。

そして、シャワーに切り替え髪を濡らした。

シャンプーにリンスそれにボディシャンプー、固形の石鹸まで何でも揃っている。さすがね!

私はいつもより入念に?体を洗った。

よし、お風呂に浸かろう・・。


「ふうーっ・・極楽極楽・・」

無色透明、ちょっと唇をなめてみるとしょっぱい味がする。

この分だと男湯の方も混んでて、とても泳ぎなんか出来ないだろうな。駿くんの残念がる顔が見に浮かぶ。


さあ、露天にでも行ってみようかな・・。


その男湯では

「よーし駿、泡を流すぞ!目をつぶって」

「うん!・・いいよ」

「いくぞー」

ジャー!

「OK !」

「もうお風呂入っていい!?」

「ああ、転ぶなよ」

「うーん!」

ジャボーン!

「こら駿、飛び込んだらダメだ!」

「はーい。ねえ、泳いでいい?」

「ダメ!」

「あーあ」


私は露天風呂に向かった。

うわー!まさに絶景。

あー、こんな景色を見ながら歯磨きしたら、最高に気持ちいいだろうなあ・・なんてね。


私は広い露天につかりながら、さっき見た部屋の露天風呂を頭に思い描いていた。

ああいうのって、やっぱ2人で入るものだよね!で今回は、真司さんと駿くんと、私と3人かあ・・。

ということは、組み合わせは3通り。

真司さんと駿くん、これはごくごく普通よね。

駿くんと私、これもまあ、あってもおかしくないわね。

問題は真司さんと私、恋人なら当たり前ね。でも、そうしたら駿くんがかわいそうよね。ひとりぼっちになっちゃうもん。じゃあ、どうしたらいいのかなあ・・。

そして、のぼせる前に、私は露天風呂を出た。今度は潮風が心地いい!


浴衣を着て休憩室に行くと、既に真司さんと駿くんがそこにいた。

「ごめんなさい。遅くなっちゃって」

「いや、僕らも今あがったところ」

「よかった。駿くん、お風呂大きかったね!」

「うん!ホントにプールみたいだった」

「でも、人がいっぱいで泳げなかったでしょ」

「うん」


そして私達は、部屋に戻ってきた。

「夕食はここでとるんですよね!」

「うん、7時にしてもらってる」

「楽しみですね」


「失礼いたします」

「はーい」

「お食事をお持ちしました」

「はーい」・・いよいよね。

どんどんとテーブルに並べられていく、見事なまでの料理の数々。

まずはビールで喉を潤し・・いただきまーす!

新鮮なお魚、伊勢海老、アワビ、黒毛和牛・・。色とりどりの絶品料理に舌鼓をうち、私たちのお腹は大満足だ!


「ごちそうさまでした。大変美味しかったです。美味しかったね!駿くん」

「うん!」

「ありがとうございます」


そして再び係りのひとが。

「お布団を敷かせていただいてよろしいですか?」

「お願いします。僕たちは出てた方がいいのかな?」

「いえ、どうぞそちらの窓際の部屋に」

すると後ろから

「ちょっと失礼していいかな!」

「ああ、おじさん!」

「料理はお口に合いましたかな?」

「ええ!とっても美味しかったです」

「それは良かった。食後になってしまったけど、これ私からのプレゼント!」

「うわ、高級そうなワイン!」

「おじさん、そんなに気を使わないで下さい。宿代までまけてもらってるのに・・」

「いいんだよ。私は嬉しいんだ!真司君達がわざわざここまで来てくれたことがね」

「おじさん・・」

「それからボクにはこれだ!名前は・・」

「龍崎駿です」

「おうそうそう、駿君だったね!」

「ありがとうございます」

「どういたしまして!ごゆっくり」

「ありがとうございます」


さっそく・・。

「じゃあ遠慮なくいただこうか」

「そうですね」

「理沙さんの場合は、お酒は別腹だからね」

「真司さん、それはちょっと言い過ぎです」

「そう?」

「まあ、少し当たってますけど」

そして駿君も頂いた袋を開けている。

「わあー、アイスクリームだ!」

「美味しそうだねー!」

「良かったな!駿」

「うん!」


「真司さん、明日の予定は?」

「明日はスパイダーマン見るんだよね!」

「うん。その前に伊勢神宮にお参りだ!」

「そうですね。日本人なら一度は行っておかないと!お伊勢参りは」

「お伊勢参り?」

「伊勢神宮には昔の神様が祀ってあって、そこでお参りするとたくさんいいことがあるのよ!ね、真司さん」

「まあ、そんなとこかな」

「あら?なんか不満そうですね」

「そんなことはないよ。ああ、確かパワースポットでも有名だったはずだ」

「パワースポット??」

「その場所に行くと、全身の力がみなぎってくるのさ!」

「ホントかしら・・」

「女子にも意外と人気があって、ツアーなんかもあるらしいよ」

「よくご存じですね真司さん。以前どなたかとご一緒に・・」

「ないない!今回が初めてですよ」

「でもおもしろそうだから、そこにも行って、それからスパイダーマンだね!」

「うん。近くに遊園地もあるぞ!」

「やったー!」

「やったー!」つい私まで・・。


すると不意に真司さんが言った。

「そうだ駿、そこにもお風呂があるから、理沙お姉さんと入ったらいい!」

どきっ!そうきたか。

「えっ?」

「ほらあそこ。お外になってるのよ。じゃあ駿くん入っちゃおうか!」

「うん」

返事をしたかと思ったら、駿くんはもうお風呂に駆けていってしまった。

「お願いします」

「あっはい」

「僕たちもあとで入ろうね!」

「あっはい・・えっ!」

私の心臓は止まった!


「お姉さん、早く早く!」

「うーん」

こんなとき、どんな顔で真司さんを見ればいいのか・・。

ゆっくりと顔をあげると・・なんとなくいたずらっぽい真司さんの笑顔・・今のはお酒の勢いだったの?真司さん。


「ああ気持ち良かったね!」

お風呂からあがり、体を拭いてあげると、駿くんは裸のまま駆け出していっちゃった。


布団は3セット、並べて敷かれている。時計の針はもうすぐ午後10時をまわっていた。

「あーあ」と駿くんの大きなアクビ!

「駿、歯は磨いたか?」

「うん、さっきお姉さんと一緒に磨いたよ」

「じゃあ、もう遅いからお布団に入りなさい」

「はあーい・・」

駿くんは、並んだ布団の真ん中に潜り込んだ。


「僕達も休みましょうか!」

「えっ!?」

そう言うと、真司さんも布団に向かっていった。そして・・

「グーっ、グーっ・・」

眠っちゃたの!?

やっぱりあれはお酒の勢いだったか・・。


私はひとり、わずかに残ったワインをグラスに注いだ。

カーテンを少し開けると、空にはキレイな星たちが輝いている。

そして私はそのまま睡魔に負けた。


どのくらい眠っちゃったんだろう。目を擦りながら、ゆっくりと体を起こすと、そこには真司さんがいた。

「あっ、真司さん」

「こんなところで寝てると風邪引くよ」

「うん・・」

「じゃあ約束、お風呂に入ろうか・・」


そして・・私達は結ばれた!



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