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18.マジ狩る1 (※誤字に非ず)

勇者様の新旧お友達対決が、いよいよ始まります。

その、いっかいめ。

 私はにっこり笑って言ってやりました。

 ええ、言ってやりましたとも。


「ちょっと面の皮貸して下さい」


「面じゃなくて!?」


 何故か反応したのは、オーレリアス青年よりも勇者様が先でした。

 多分、度重なるボケツッコミの応酬によって、勇者様の方が適応していた為だと思います。

 そう、ツッコミ役に。


「まぁちゃーん、剥いであげるの手伝ってー」

「言葉そのままの意味か! いくらなんでも残虐すぎる…!」

「そもそも、誰が貸してやるものですか!!」


 そのままものともせずに続けたら、勇者様とオーレリアス青年双方からの猛抗議。

 仕方がないので言い直します。


「それじゃ、代わりに面貸して下さい」


 それはそれは、もう、立派に。

 誰がどう見ても見事に喧嘩を高く売り飛ばしてやりました。


 まあ、元々私に喧嘩を売ってくれたのは、あの青年の方なんですけどね…?



「ちょっと待て」

 と、そう言ったのは勇者様でした。

 盛大に喧嘩を売った私に、激昂したオーレリアス青年が呼応。

 このまま一瞬即発の空気へ雪崩込もうという時に、勇者様が両手を掲げて止めてきます。

「勇者様…とめても無駄ですよ?」

「わかっている。そこのところは、もう諦めた」

 諦めちゃったんですか。

 でもそれじゃあ、何なんですか?

 私の疑問に、勇者様は哀れみの目をオーレリアス青年に向けながら言いました。

「流石に、このまま奈落へと放り出すのは…な。

互いの情報を隠匿したままじゃ、リアンカにもオーレリアスにも公平と言えないだろう」

「別に私には問題ありませんけれど」

「より正確に言うと、オーレリアスの情報を秘めたまま向き合わせて、オーレリアスがリアンカたちの意表をつくような真似をしたら…その時、驚いた拍子に何をされるか不安なんだ」

 わあ、ピンポイントで的確な不安ですこと!

 勇者様のその物言いに、なんだか深く納得してしまいました。

 気の毒そうに学友の姿を見る勇者様の顔は、なんだか生贄を見る目に似ています。

 とっても不憫そう。

 いつもは同情される立場にある勇者様が、ご自身以外の第三者をそんな目で見るのが新鮮。

 大抵の場合、それは勇者様の立場なのにね。


 勇者様は、言いました。

「リアンカ、オーレリアスは召喚魔法を齧っている」

 学友を売るような情報を。


 まあ、勇者様ご自身はオーレリアス青年を庇いたい一心でしょう。

 オーレリアス青年の手の内を明かすことで、私達のより早い寛恕を願っている訳です。

 そんな思いやり、オーレリアス青年本人には伝わらないでしょうけれど(笑)


「オーレリアスさんは召喚士なんですか?」

「いや、専門職という程の能力はないんだ。あくまで齧っている程度で」

「具体的に、どんな感じなんですか」

「体長一m以内の哺乳類を呼び出すことができるんだ」

 それはなんとも具体的な。

 でも一m以下の哺乳類って、結構幅広いよね…?

「土壇場に追いつめられると何を召喚するかわからない。

おまけに召喚したからと言って、いきなり命令に従わせられる訳でもない。

どんな賭けに出るかわからないから、じわじわと嬲るのだけはやめてくれないか」

 それ、つまり無制御で何をするかわからない生物を呼び出す可能性もあるってことですか?

 なんて博打な…。

 あまり大きな動物は呼び出せないみたいだけど、物によっては酷いことになりそうです。

 主に、周囲が。

「じゃあ、さくっと殺っちゃえばいいんですか?」

「………頼むから、無邪気な顔でそういうことを言わないでくれ」

 洒落にならないと唸る勇者様。

 困った様子のそんな彼に、オーレリアス青年からは大抗議だ。

「殿下、どうして私の手の内を明かしておしまいになるんですか」

「それはな、予め言っておかないと驚いた拍子に何をされるかわからないからだ」

「私が、女子供如きに何をされると…?」

「……………」

 勇者様は無言でした。

 でも、その顎が一瞬頷くように動きかけたのを見てしまいました。

 本心では、肯定しているんですね、勇者様…。

 そんな主の反応に、青年貴族はますます憤慨している様子。

 その主張は、こうです。

「戦闘訓練を受けた訳でもない女性にどうにかされるほど、甘い鍛え方はしていません」

「オーレリアス…甘い。お前は甘いんだ」

「殿下がそこまで仰るのは何故…?」

「付け焼刃ではどうにもならないのは、むしろ魔境の民の方だから」

「殿下は私を信じておられないのですね…?」

「……オーレリアス、俺はできる限りのことはやった。後はお前自身でどうにかしてくれ」

 諦めろとそう言って。

 勇者様が指を音高く鳴らした。

 それに頷きを返すのは、サディアスさん。

 彼の手に握られているのは…

「あれ? 私の薬瓶だ」

 さっき勇者様に没収された薬瓶は、そのままサディアスさんの手にありました。

 どうするつもりなのか何となくわかりますが…

 深い溜息をついて、勇者様がオーレリアス青年の肩を掴みます。

「あれを見ろ」

 その声に呼応して、サディアスさんが動きました。

 彼の前には、シンプルな金魚鉢。

 勇者様の離宮には、到る所に金魚鉢があるんですけど…もしや、毒味用ですか?

 鑑賞用、愛玩用にしては何の躊躇いもなく、勇者様への断りもなく。

 サディアスさんが赤い金魚の踊る水槽へと、薬瓶を慎重に傾けて…


 ぴちゃんっ


 それだけが唯一の音かと思わせる静寂の中。

 小さな水滴の音は、離れていてもはっきりと耳に届いた。

 試しと言わんばかりの、まず一滴。

 だけどそれだけで、効果は劇的。

 自慢じゃないけど、私の作ったお薬はよく効きます。

 それが良い意味でも、悪い意味でも。

 

「な、なんだこれ………」

 

 勇者様、愕然。

 

「う、うえぇ…?」

 シズリス青年は腰を抜かしてへたり込み、口を戦慄(わなな)かせています。

 まあ、勇者様が止めに入らなければ、ああ(・・)なっていたのは彼ですし。

 大層気色の悪い結果に、よく見たらシズリス青年、涙目。


 全員の注目が殺到する中。

 金魚鉢は…


 水の中、悠々と泳ぐ金魚。

 …の、額に。

 金魚の頭部の、約半分近い部分を占める大きさで。

 ぎょろりと大きく違和感ばっちりな目玉が生えました。

 うん、気持ち悪い。

 それに鉢の中、涼しげに水に浮いていた小さな睡蓮。

 …の、花の真中に。

 小さな目玉と大きく肉厚な唇が生えて、不気味な笑い声を上げています。

 声帯とか、どうしてるんでしょう。

 うん、やっぱり気持ち悪い。


「見て、勇者様。お花が笑ったよー」

「それで誤魔化せると思うなよ!? 実際に笑われると怖いだけだからな!?」

 見事な新種の魔界生物っぽい何かが、水槽の中で異質な存在感を放っておりました。


 さて、今回。 

 私が用意したお薬はどう見てもヤバイ逸品です。

 処方したが最後、手遅れ感満載の事態に陥らせてくれる曰くつきの品と言えるでしょう。

 私も実際にその効果を見たのは、試薬実験以来ですけど。

 実験の時は吸血蝙蝠を使っただけで、植物にまでは試してなかったんですが…

 中々凄いことになりましたね。

 ともに効果を見守った同僚二人からは、きつく言われました。

「悪戯にしても酷いから、絶対に身内やご近所さんに使っちゃ駄目よ?」

「凄まじいね。せいぜい敵対者への嫌がらせくらいしかないんじゃない? 使い道」

 別に嫌がらせや悪戯用の薬じゃなかったんですけど…

 結果的に、どう考えても友好的な効果とは言えない物が出来上がっちゃいましたから。

 研究のやり直しかと肩を落としつつ、勿体なくて破棄せず取っておいたんですよね。

 その、お薬に。

 勇者様が床に膝をついて項垂れていました。

「そ、想定を遥かに超えていた…」

「勇者様、大丈夫ですか?」

「………あまり、大丈夫じゃないかも」

 近所のぎょろぎょろした目玉が、勇者様を映してにまりと歪んでいました。


「それで、どうしてあんな薬を作ろうと…?」

 あまりにも趣味が悪いと苦情を申し立てながら、勇者様が嫌そうに聞いてきます。

「ああ、ほら、前に狩祭の時ですよ。この薬を作ろうと思ったの」

「あの時、そんな猟奇的な発想を得るような珍事があったのか…」

「いやいや、カーバンクルの子が目玉を抉られたじゃないですか。それで命の危機に」

「………ああ。って、まさか」

「そうそう。その時に思ったんです。別にエリクサーなんて敷居の高い薬をわざわざ調達しなくても、要は失った眼球を復元できれば良いんじゃないかって」


 額の目…赤い石を失っては死ぬしかない、カーバンクル。

 余程のことでもない限り、その末路は死の一択。

 そのくせ必殺技は頭突き(ヘッドバッド)というふざけた一族です。

 いつ誰が失うとも知れない、額の目。

 だったらその修復専用の、もっと手軽な薬があればと。

 今回はそんな、珍しく世の為人の為っぽい理由で研究に着手したんですけど…

 結果は金魚鉢をご覧あれ。

 まかり間違っても、味方に処方できるような薬じゃないナニかが出来上がりました。

 お陰で研究を一からやり直しです。

 もうちょっとまともなお薬ができるのは、もっと時間がかかりそう。


「………理念は立派なのに、その副産物がコレ…か」

「私の性格を如実に体現したような出来ですよね」

「いや、それは流石に言いすぎのような気も…?」

「本当にそう思いますか? 己が胸に手を当てて、自問してみて言ってください」

「…………………いや、やっぱりリアンカにピッタリだとは思わないから」

「そのたっぷりと取られた間の意味を、是非ともお聞きしてみたいものですね」

 それでもそうやってはっきりと、言葉にして庇ってもらえるのはやっぱり嬉しい。

 嬉しいから、今回は勇者様をいじるのは止めておきましょうか。


 それよりも、ずっと遥かに。

 私がいじるべき人が、他にいます。


 →オーレリアスは、青褪めて狼狽えている!

  オーレリアスの精神に 108(税込) のダメージ!


「で、殿下…! 何ですか、あれは!」

 指さす先には、サディアス青年が青い顔で持った薬瓶。

 貼られたラベルには、ただデフォルメされた目玉の絵が描かれるのみ。

 間違っても指に触れたりしないよう、サディアス青年は瓶ごと皿に移して捧げ持っています。

 勇者様は、諦めと悟りで達観した顔をしていました。

「リアンカ手製の、洒落にならない薬だ」

「魔女ですか、その娘は!?」

「舐めるな。魔女よりももっと性質の悪い村娘だ。敵対するなんて危険すぎる」

「村娘が魔女より危険だなんて、初めて耳にしますよ!? 絶対におかしいでしょう!」

「何から何まで異常(おかしい)のが、魔境の常識だ!!」

 力いっぱい☆な勇者様の叫びは、豊か過ぎる感情が多分に含まれていました。

 ええ、言葉にするまでもない、魔境への複雑な感情が。

 込められた欝憤のどす黒さが、オーレリアス青年を怯ませます。

 その、怯んで後退さった襟首を。

 がしっと良い笑顔のまぁちゃんが引っ掴みました。

「な、なにを…!?」

「一名様、ごあんなーい」

「ちょっ …後ろに引きずるのは危なっ」

 焦るオーレリアス青年を、気にせずまぁちゃんが引きずります。

「ま、まぁ殿…?」

「室内であれやこれやしたら、破壊しちまうだろ。離宮」

 もうちょっと広くて人目につかない場所に行くぞ、と。

 そう言ってまぁちゃんが肩を竦めます。

 離宮の主たる勇者様は、ちょっと間の抜けた顔をして。

「それなら、離宮の中庭に…」

 すぐさま応じるところに、魔境に初めてきた頃との違いを感じました。

 やっぱり、順応性が凄いですね。

 柔軟ですね、勇者様。

 でもなんだか勇者として駄目な方向へ成長しているような気がします。

 魔王と仲良く肩を並べて、勇者様は私達を中庭に案内してくれました。

 四方を離宮に取り囲まれた、完全なる中庭です。

 それでも広いのは離宮自体が広いのでしょう。

 隙間なく周囲を囲われているので、人目につく心配もありません。

「勇者様、この庭壊れてもいいの?」

「なるべくなら、壊さないように努力する方向で頼む…」

 庭師さんの仕事が台無しになるのは、私も忍びありません。

 だってこんなに綺麗で、素敵に整えられた庭なんですもの。

 オーレリアス青年はぼろぼろになってもいいから、被害は最小限。

 それを念頭に置いて、いざ。

 私達は引きずられた果てに放り出されたオーレリアス青年に向きなおりました。

 まぁちゃんが、応援してくれます。

「取り敢えず、できるとこまで好きにやってみろー。

自分の受けた屈辱を、自分で落とし前つけるのは悪いことじゃねぇし」

 巧くいかなかったら、俺が代わりにシメてやっても構わないし、と。

 そう言って、まぁちゃんが笑いかけてくれます。

 信頼という目には見えない物を感じさせてくれる笑顔です。

 でも、勇者様は困ったような呆れ顔。

「まぁ殿、それ、思いっきり魔境独自の考えだからな?

普通は妙齢の女の子に、そんな危なっかしいことを推奨したりしないからな?」

「うるせぇな。俺だって心配なんだぜ? 何しろリアンカの奴、戦闘力皆無だからなぁ…」

「だからと言って油断したり侮ったりしてはいけないと思うのは、俺だけなんだろうか…」

 勇者様は、そう言ってくれますけれど…


 (たま)に、思います。

 勇者様は私のことを、過大評価し過ぎじゃないかって。


   その時、勇者様の頭の中では。

   以前、マジギレしたまぁちゃんの意識を、

   薬で刈り取ったリアンカの姿が思い起こされていた。


 思い出した光景に、勇者様の背筋を寒いものが伝っていたことなど、私は知りませんでした。

 身震いした勇者様が、改めてオーレリアス青年に声をかけます。

「オーレリアス、死ぬな!」

「それが精一杯の激励だとでも言う気ですか!」

「俺に言える忠言は、ただ一つだ。心して聞いてくれ。

それこそ死に物狂いの、本気でやらないと危ないのはお前の方だということを…!」

 本気を出しても危険極まりないとも言えず。

 勇者様は励ましにならない応援を口にする。

 その本気度合いの高い姿と、先程の悪趣味な薬。

 両方に意地を張っている場合ではないと思ったのでしょう。

 相対させられて、いつの間にか危険…なその最中。

 オーレリアス青年が、シズリス青年を引っ張り込みました。

「シズリス、お前も他人事じゃないでしょう!」

「俺、もうやだーっ!」

「いいから、死なば諸共!」

 おや、獲物が増えました。


 舌舐めずりする猛獣のように、リリフがうっすらと笑います。

「姉さん、勿論私も参戦ですよ」

「せっちゃんの代わりに?」

「主様はお怒りになられていませんが…主を虚仮にされては、私が我慢ならないので」

 金色の燐光が、ふわりと舞う。

 赤い瞳が、真中から縦にすっと裂けて。

 爬虫類そのものの眼差しが、獲物を引き裂いてやろうと怒気を滴らせる。

 心強い味方です。

 私の運動性能は、そんなに高くないし。 

 戦闘力皆無の私の代わりに、リリフが動いてくれるみたい。

 相手は勇者様のご学友で、幼馴染。

 その戦闘力は、測り知れません。

 もしかしたらそんなに強くないかもしれない。

 だけど勇者様にひたすらついていったというのなら、ある程度の実力が予想されるから。

 油断は、しません。

 できればロロイにもいてほしい。

 容赦も手加減も抜きに、揃えられるだけの手札がほしい。

 ちらりと視線を送る先は、ロロイが籠城している勇者様の寝室…。

  

 試しに、召喚してみようとしたけれど。

 使役の契約で結ばれた主従に許される、呼び出しを試みたけれど。


「………」


 不発。

 呼び出しを拒否されました。

 大昔の使役契約と違い、形骸化が進んで緩くなった今の使役契約。

 強制力の落ちた現代では、使役側に呼び出しを拒絶することが可能です。

 呼び出そうとしたこと自体は、ロロイにも伝わっているはずだけど…


 再度ちらりと勇者様の寝室へ視線を走らせて、ちょっと目を見張る。

 いつの間に用意されたのでしょう。

 勇者様の寝室の窓から張り出した、バルコニー。

 そこから、白い横断幕が下がっていました。

 記された文字列は、ただ一文。


  『ロロイくん傷心中。』

 

 まさか、あの思春期爆弾がこんな事態になっても尾を引くなんて。

 これもロロイからの信頼と受け取るべきか、見捨てられたと取るべきか…



 結局、向き合うのは私とリリフの二人になりそうです。

 私&リリフのタッグvs勇者様のご学友。

 新旧お友達対決ですね(笑)

「完膚なきまでに泣かしてあげます」

「女子供に好きにされる私だと思わないことです」

 険しい顔で睨み合う、私とオーレリアス青年。


 誰の耳にも届かなかったけれど、誰にとっても明らかに。

 勝負の開始を告げるゴングが、たった今ここで鳴り響きました。





本番までいきませんでしたー…

どうしてこう、長くなってしまうのやら。

次回こそは酷い目にあわせてやろうと、頑張って続きを書かせていただきます。

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