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Lonely Life  作者: 静ゆうと
3/3

第二話 「過去編2」

その日の放課後は、係の仕事で僕と颯太と楓は教室に残っていた。

というより、残されていた。


「悠馬ー。僕もう部活行きたいよぉー。」


無言でやっていた颯太だったが、もう限界か。


「うーん。そんなこと言われてもねぇ…。ほら、あともう少しだから。な?」


僕は机に突っ伏した颯太を見下ろして言った。

駄目だ。全く動く気配が無い。


「むー。僕、背低いから掲示係は無理なんだよー。」


今度は机の上であぐらをかいてふくれっ面をし、向こう側を向いた。


「颯くん、3人で掲示係になろう、って言ったのは誰?」


楓!!楓が話に入ってくれれば、颯太はちゃんとするんだよな。大抵は。


「3人でなろう、って言ったのは悠…「颯くんだよね?」

「うっ。」


楓が颯太の言葉を遮って、ニコニコの笑顔で言った。

いや、こわいよ。真面目に。


「颯くんがなりたい、って言ったんだから、ちゃんとやらなくちゃでしょ?それに、颯くんはセンスがいいから、綺麗に掲示できるよ?」


そう楓が言った瞬間、後ろ姿の颯太の体が、ぴくっと跳ねた。


「本当に?」


颯太が後ろを振り返って言った。

目が赤い。泣いてたな、こいつ。

いや、まあ、確かに楓はこわい。


「うん!だから、一緒にやろう?」


楓が掲示物を颯太の前に差し出した。

颯太はそれを受け取った。


「うん!僕、悠馬と楓と一緒にやる!」





すご…!あの颯太があれから10分間、文句も言わず、黙々と作業をしている。

やっぱ楓はすごいな…。


「悠馬!それ、なんか位置おかしい!センス無い!!」


颯太は人差し指で僕を指差して言った。


「…は⁉︎なっ…!センス無くはない!!」

「センス無い!!それ、位置おかしい!!」


颯太はおかしいおかしい、と、言い続けてくる。


「うるっさいなー!分かったよ!もう、イラっとするなぁー!」


僕はそう言いながら一度掲示した掲示物を剥がし、颯太の言った通りに掲示し直した。


「イラっとするってひどいー!悠馬のバカ!!」

「バカじゃないよ!!バカって言う方がバカだよ!!」


その後約1分間「バカ」の言い合いは続いた。最後は楓が僕と颯太に「バカ」と言い、終わった。








少しイラっとするけれど、やっぱり、楽しいな。




こんな日が、ずっと、いつまでも続くといいな。




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