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ナイアガラの滝
「う……」
クラフトは、少し寝ていたようだ。
「クラフト、起きた?」
「あ……ああ」
のそお~っとしているクラフトに、
「あんたって、戦闘しているときと、普段と、まるっきり違う性格してるわね。ジキルとハイドみたい」
そういった。
「……俺は、そんな気はないが……」
そういって、頭をガシガシ掻いた。
「そう、思い出した。あんた、水晶玉で、何か見たんでしょう?」
「あ……ああ、忘れていた。すまん」
ジーンは身を乗り出した。
「それで?どうなったの?」
「ああ、たぶん……ナイアガラの滝に、何かがあるみたいだ」
「ナイアガラ……ふうん」
「それじゃあ、行くか?」
「待ってよ、私のアストンアーティン。ダメになったのよ」
クラフトは、少し考えて、
「電車……」
そう言いかけると、
「はい、ブー。私、市民の暮らし、ダメなの」
「……じゃあ、どうする?」
すると、ジーンが、キャッシュカードを見せた。
「はあい、これよおう」




