カーチェイス
車は走り出した。
「どういうこと?……ねえ!」
ジーンはクラフトに聞く……というより、相手に聞きたいのだろう。
クラフトは、一回、ため息をつくと、
「俺には、解らない」
「もうっ!」
その時だった、
ガツン!
「きゃああ!」
車が大きく揺れた。
「あいつら……!」
車で、クラフトたちの車に体当たりをしてきたのだ。
「ちょっとお!なんなのよおう」
ジーンが叫ぶ。
「ジーン!車の運転をうまくしろよ!」
そう言うと、クラフトは窓を全開にした。
「な、なにすんの?」
「こう……するのさ!」
身を出来るだけ外に出して、拳銃を持つ。その拳銃が火を噴いた。
ガアン……!
ガアン……!
「きゃああ!」
車体が揺れた。
「しっかり、運転しろ!」
クラフトが叫ぶ。
「なによおう!もうっ!」
ジーンは今にも泣きだしそうに叫ぶ。
相手の車は、その間に、クラフトに銃で応戦。
ダダダダダッ……!
「クラフト!」
「大丈夫だ!しっかり運転しろ」
クラフトはそう言い、銃を構えた。
ガアーン、ガアーーン!
そのうち、道は、山へ。
「右にカーブしてくれ!」
「え、ええ!」
グウン……!
ジーンの反応が遅かった、のが、幸いした。
車がカーブするのが、遅いため、相手の車は対処しきれなかった。
その車はガードレールを突き破った。
そのまま、相手の車は崖の下へ。
「やりい!」
「ふう……良い車だ、なんていうんだ?」
「アストンマーティンよ」




