プロローグ -崩壊のカウントダウンー
西暦2091.ニューヨーク。
繁華街、裏通り。
ここは、浮浪者、酔っ払い、不良、など、気持ちの宜しくない、者たちがはびこっていた。
その、もう一つ下の、階段を降りたところにある、広場。
その一角に、ポツンと、テーブルに布をかけてあるだけの、簡単な店構えに、一人の男がいた。
彼は、どこか暗い表情の中に、一筋の光明が見える。
その男は、誰かを待っていた。
誰?
それは、その男本人にだってわからない。
男は、長い布……ローブを身にまとっていた。
きゃっきゃっ
何人かの、女の子たち、高校生が団体で通りかかった。
「ねえねえ」
その中の背の低い女の子が、ローブの男を指さして、
「あれ、占い師ー?」
「えー?なんかこわあ~い」
「流行ってないんじゃない?」
「いこいこ」
きゃっきゃっ
そう言いながら、女子高生たちは去って行った。
男が待っているのは、彼女たちではないようだ。
-今日も、またダメか?
そう、男は湿っぽく思っていた。
その時だった。
カッカッ……
ヒールの音を響かしながら、一人の女が歩いてきた。
その女は、この通りには、おおよそ似つかわしくない、綺麗な姿をしていた。
女は、男へ近づいて行く。
そして、前まで来ると、歩みを止めた。
「貴方、占い師?」
「……ええ」
男は、ぶっきらぼうに、それだけ言った。
「私のこと……占ってくださる?」
「……それが仕事ですから」
じっと、手相を見る、男。
-この人、変わってるな……。
そう思いながらも、
「恋愛運が良いですね」
ほとんどでたらめに、男はそう言った。
「まあ、ほんと?」
その割に、女は、良い反応をした。」
そして、
「その、水晶玉。使わないの?」
そう言った。
男は驚いて、女を見た。
「ねえ、どう?」
その女の角度からして、それは見えない角度にあったのだ。
-占ってみるか……。
そう思い、男は水晶玉を机に置いた。
……!?
「う……」
男は、そのイメージに眉をしかめた。
「ねえ、どう?」
「……」
男は一息ついて、
「世界は、崩壊に向かいます」
「へえ……?怖いわね」
「私は貴方を、待っていました」
「あら、ほんと?」
女は少し笑みを浮かべた。
「私と……一緒に……来てくださいます?」
「あら?ナンパ?」
男は下を向いた。
そして、商売道具をしまい出した。
「いかがです?」
その女は、男にそういわれると、
にやあ~と、笑い、
「いいわよ」
そう、言った。




