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小さな願い

このページはR15ではありません。主人公の性格が読者に伝わればいいなと思います。

これは3カ月前の話である。


とある帝国の、とある農村。

彼女はここで小作農の男の一人娘として暮らしていた。


小さくて質素な家。裕福とは決して言えない暮らし。満腹感を得られるほどたくさん食べる事は難しかったが、それでも家族で力を合わせて慎ましい暮らしを送っていた。

彼女にとって農作業は生活の一部であり、苦労もあるけど「逃げ出したい」と思う程の苦痛は無かった。この生活が合っているとさえ思えた。


肥沃な大地。他の地域に比べて温暖な気候。豊かな水。農民同士の多少のいざこざはあったけれど、農村は村長の手腕もあり比較的平和であった。


もうすぐ16歳になる彼女は、結婚適齢期の年齢(※この時代・この国における基準)をオーバーしつつあるが、特に焦ることもなく過ごしていた。

(彼女としては独身のままでも良かったが

、女が独り身でいるのが許されない風潮があるため、無意識に諦めている。)


いずれ父親が選んだ男性と結婚をし、結婚後も今と同じような生活をしながらひっそりと一生を終えていくのだろう。願わくば、父と同じくらい穏やかな男性と結ばれ、可愛い赤ちゃんにも恵まれたら。母と同じように家をしっかり切り盛りできる人になりたい。そんな風に考えていた。


小さい頃には物語に出てくるお姫様にほんのり憧れた事もあったが、農民である自分にとっては夢物語だと分かり切っていたし、それを悲しいとも思わなかった。


ささやかな幸せで良かったのに。

ある日、彼女の小さな願いは非情にも打ち砕かれた。

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