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世界の果てまで  作者: 秋田原 充
はぐれ者編
3/15

第3話 個性的な組織


何も分からない...

何が起こったのか理解もできない...

こんなの現実的じゃないぞ...?


「あの...?大丈夫ですか?」

困惑のまま、横に座る女の子が話しかけてきた。


「あ、あぁ、全然大丈夫だよ。」


大丈夫な訳が無い。こっちは理解すらしてない。

なぜこの子はこんなにも冷静でいられるんだ...

僕と同じくらいの年齢なのに、僕と違って心が強いなこの子は。


なんでこんな親目線なんだ。


僕も冷静になって状況を確認しよう。


「あの、僕はどうなったんです?」


「私もさっぱり...急にパッと登場してきたので...」


車に搭乗、パッと登場なんてダジャレも思いついたが、滑るのは屈辱的なので、言わないことにした。


「そ、そうですか。なら、今これはどんな状況で...?」


「私もよく分かっていませんが、この車は、はぐれ者集団の車らしいんです。私たちは今攫われているんです。」


いや無理だろ、こんな状況で冷静になるなんて。

僕は内心心臓バクバクだ。


「...はぐれ者集団って、なんですか?」


「色んな任務そうじだったり、身元調査とかをするみたいです。

...あなたって、あの病院から出てきてましたよね...?」


「?あぁ、そうですけど...」


ちょっと待ってくれ。ついていけない。なんか凄いことは言っていたけど、冷静どころか、今すぐにでも逃げ出さなきゃやばいんじゃないのかこれ。


「今回の任務はあの病院の調査らしくて、医者の松坂?さんが怪しい行動をしていな」


「ちょっちょっと待ってください。そんな状況なら、こんな悠長にしている暇はないんじゃ...」


「悠長...?ああ、そうでしたね。 状況も話さずごめんなさい。それなら大丈夫ですよ。この人たちは安全です。運転席に座っている人に全部聞きましたから。」


「運転席...?」

運転席と言われたので、そのまま目線をそちらへ向けた。


「あーごめんね、そこの南海(みなみ)ちゃんには言ったけど、君たち2人とも死ぬとこだったんだよ。」


「え?」


「あの、本当です。私はこの人たちに助けてもらいました。さっき私がお互い不幸って言ったのは、殺されかけてたからなんです。」


やっぱり分からない。なんで攫ったんだ?そんな危ない任務(そうじ)をする集団がなんで僕たちを助けたりなんか...?


「そう。その子の言う通り。で、病院から出てきたじゃん君?実は病院の影から君のことを狙っている人がいてね。麻酔だろうけど撃たれそうになってたからさ。だから横の有能な部下に僕が言って助けて貰ったって訳なんだよ。」


「あなたが言わなくても助けるつもりでしたが。」


「まあまあ、いつものツンはやめてくれyっ」

ゴツンッ

頭に強烈な一撃が入る。

「ごめんよ、よっ...いや(ひいらぎ)くん。君は確かこの青年と知り合いなんだったっけ?」


「ええ、病院内で少し交流を。」


ん?ちょっと待ってくれなんだそれ?こんな怪しい組織と関わった覚えはないぞ

って!?

この人、顔は違うけど声でわかった。


『「私は信じる。」』

って言ってくれたあの病院の見た目怖くて中身優しい人じゃないか!

この人、患者さんじゃ...?


「え、あ、あなたって...ただの患者さんじゃ...?」


「すまないが、私は患者のふりをしていたんだ。理解できたか?」


「いや、あの何も分からないんですが...」


そんな時、チャラい雰囲気の男が言う。

「ごめんごめん、柊は言葉足らずなとこがあるんだ。代わりに僕が説明するよ。」


そう言うと、柊と呼ばれていた男は、少ししょんぼりしていた。

いや可愛いかよっ!


「えぇーっと、とりあえずお願いします。」


「うん。横のは(ひいらぎ) 夜空(よぞら)って言って、僕の大切な部下だ。そしてさっき彼が言っていた事だけど、さっきその南海ちゃんが言った任務っていうのを任せてたんだ。


「設定は全身骨折って事にして入院させて、松坂堂時の裏を暴くつもりだったんだけど、あてが外れたね。」


「全身骨折って!?...レントゲン写真とかバレますよそんなの。」

「あーいや彼は本当に骨折してたんだ。僕がさせた。そして病院に運んだ。もちろん顔はメイクして変えたけどね。」


「は?...えっとどういう事ですか?」

「まあ彼が特殊な体質だということだけだよ。そんな話はいいんだ。」


いやいや説明になってない。

もうよく分かんないしいいか。


「ちなみに僕は市橋(いちはし) 龍星(りゅうせい)。以後よろしく。じゃあ本題に入るけど、僕らは裏の業界でははぐれ者集団って言われていてね。結構気に入ってるんだ。」


「混乱してる君が信じてくれるかは分からないけど、僕らは裏業界の中では珍しく善良な方でね。普通の市民に手を出すことはないんだ。なんなら守る立場だよ?褒めて欲しいなもっと。それで言うなら最近さぁ〜」


「頭、関係の無い話はやめてください。」


「んまあいいじゃないの柊、珍しく騒がない人達に出会ったんだ、世間話くらいいいじゃないか〜」


その時、市橋は無言の圧を感じとった。

「あ...

えっと、それで僕らは関係の無い人々に危害を加えるつもりはなくてね...とある組織の行動を止めようとしてるんだ。」

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