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7-2 マリスガス・ミレニスの憂鬱②

 すると、隣りのブースから、別の女性が、

「そこのお嬢さん。こちらのも、ぜひ見てよ。これは、もっとすごいのよ。」


すると、先程の商品担当者の女性が、

「ちょっと!このお嬢さんは、今、これを見たいって言ってるのよ。邪魔しないでちょうだい!」

「こちらにも、興味を示しているじゃない。お嬢さんの好きにさせなさいよ。」


その女性は、左右から、腕を引っ張り合いで、困っている。すると、

「わ、わかったわ、どちらもみるから、順番にね。じゃあ、今度は、こちらの話しを聞くわ。」


隣りのブースの女性は、

「ほら、みなさいよ。今度は、こっちよ。」

腕を引っ張られて、隣りのブースへ、

「よく来てくれたわね。じゃあ、思いっきり安くするからね。みてちょうだい。」


とにかく、業者の呼び込みの声が響いていて、会場は騒がしくて、どうにかなりそうであった。

「じゃあ、早速、この商品よ。これは、美人度が10倍になる特殊なクリームよ。これを塗ると10倍は美人度がアップして、しかもまるまる1日は持続するのよ。これなら、美の極みの称号には、楽々合格するわよ。なにしろ、オーラも10倍になるし、どんな検査や診断に対しても、これでできた顔は、自分の肉体だから、絶対にバレないわ。おまけに、750万ミラという、激安ですからね」


 すると、2人は、続いて、様々な商品をみて、説明を受けていった。その女性2人は、超が付くほどの美人だったので、バイヤーたちは、知り合いにでも売るために、ここにまとめて買いに来たのだと思い、他の客たち以上に、商品を売り込んでいた。このように、裏の世界では、その美貌を操作して、美の極みの称号を取得し、金儲けを目論むやからが後をたたない。


 かといって、表の世界にも、様々なことがある。コトールルミナス国では、最近、とても人気のお店があり、多くの女性が詰めかけていた。


 そこは、「アイスクリームショップ アメイジング」というアイスクリーム店で、一口食べると、それがもう、信じられないくらいに、美味しくて、心にまで沁みわたり幸せ感を味わえる味だという。


すると、ある日、開店から、相変わらずの女性客の行列であった。 


そこに、ある2人の女性が訪れた。

「あら、なかなかいいお店じゃない。」

「本当、さすがに今評判のお店ね。」


すると、現れた店主の女性。

「皆さん、おはようございます。また、開店までには、あと1時間ほどありますが、もうしばらくお待ちくださいね。」

2人は、店主を見つけると、駆け寄っていった。

「繁盛してるわね。」

店主は、2人を見つけると、店の奥へと行こうとした。すると、

「ちょっと、待って。店長さん。」


ゆっくりと振り返って、

「な、何か、ご用ですか?」

「どうして逃げるの?」

「え、べ、別に逃げませんよ。たまたまじゃないですか。」

「そう。なら、ちょっと話しを聞かせて。なかなかの繁盛ぶりね。」


すると、店長は、何かを察すると、あたりを見回して、

「ここだと、皆さんの行列の邪魔になるといけないわ。中で話しましょう。」


店長は、2人と共に、事務所に入っていった。すると、そこで、他の店員から、何かを受け取ると、

「あのう、これから忙しくなるので、お話しは手短かにお願いします。それから、これ、、、。」


そう言うと、2人に何かを手渡した。

「せっかくなので、これ、うちの1番人気のアイスクリーム、ミラクレームのプレミアムバージョンです。どうぞ。」

「うわあ、ありがとう。これ、並ばないと食べれないやつね。すごいわ。」

すると、受け取るが早いか、2人とも、すぐに一口!

「すごいわ!これ!美味しい!」

「よ、よかったわ。」

「ありがとう。これが、今日食べられるなんて。だけど、私たちも、回りくどい話しは嫌なので簡単に話しますね。」

「ど、どうぞ。」


「率直に言って、このアイスクリーム、こんなに美味しいのって、中に入ってる特殊ガスのせいでしょ。」

驚く店長!

「な、なんのことですか!言ってる意味がよくわからないわ!」

「あなたが手短かにというから、私たちも率直に話してるのよ、ミレニス・ジャクリーン・ペネストリア!」

「ど、どうして私の名前を!それもフルネームで知ってるなんて!」

「特殊ガスの研究といえば、あなたしかいないでしょ。」

「私は、悪いことなんてしてないわ。だから、こうして、アイスクリームのお店を始めたのよ。地道に生きていこうとしてるのに。」

「じゃあ、このアイスクリームは、どうなの。この中に入っているガス入りのカプセルね。よく考えたわね。さすがだわ、あなた。アイスクリームの中に、直接ガスを入れられないから、長さが1ミリ以下の食べられるマイクロカプセルを開発して、中に特殊ガスを詰めたんじゃない。食べると、カプセルが潰れてガスが出て、最高の味覚を作り出すってことね。よく考えられてるわ。」


それを聞いて、居直るミレニス、

「だけど、皆が美味しく感じて、幸せを感じるのに、何が悪いの!」

「そう。それなら、食品管理調査機関テイスティーに報告したら、どうなるかしらね。きっと、1番正しい判断をしてくれると思うわ。」

「ええ、テイスティーに通報は、やめてください。お願いします。」

「これを、特別に開発した味付けととるか、味覚神経をあざむいた巧妙な仕掛けで食品管理法に違反しているととるか、それは、テイスティー次第だけどね。」

「どうか、お願いよ。あなたたち、このためにやってきたの!」

その女性は、少し微笑むと、

「そうじゃないの。実はね。あなたに頼みがあるのよ、テイスティーに言わない代わりに、頼み、聞いてくれる?」

「それが、目的なのね。最初から、そのために!いったい、あなたたちは、何者?」

「そうよ。だって、これ、あなたにしか作れないんですもの。」


2人の女性は、ミレニスに、特殊なガスの製造を依頼にきたのであった。

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