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5-14 プリンセスの娘、誘拐の謎14

「麗奈、呼吸が整って、自分の心を解き放ちたなら、自分の中にある、これからやることに対する不安と、そして、可能性を感じる気持ちを捨てなさい。簡単に言えば、できるという気持ちと、できないという気持ち、そのどちらも持っていてはいけないわ。どちらでもない、気持ちを無にしなさい。今は、できるという気持ちさえも邪魔になるわ。これからやることは、それだけ高いレベルのことになるのよ。


 じゃあ、つなげていくわ、右手で、マリアの左手を握って。そして、自分の意識を、その手からゆっくりと、つなげていって、マリアと1つになって。」


 すると、麗奈の身体がマリアとつながって、一体化するのを感じられてきた。もはや、麗奈には、マリアの身体は、自分の身体と感じられてきた。


「そうよ。今、まさにマリアの身体と一体化したわね。そうよ。焦らないで、そのまま、ゆっくりと、自分の意識をマリアの顔まで上げていって。」


 すると、麗奈の意識が、マリアの首から上へと上がっていくのを感じている。


 麗奈は、これまでの移面術とは別の手ごたえを感じていた。


 何なのだろう。今までの移面術は、感覚のセンサーを広げていくことから、やっていたのに、これは、そうではなくて、自分の意識を相手に入っていくなんて、こんな不思議な感覚って、初めてだわ。


「じゃあ、ここから、感覚のセンサーを開いていくわね。読み取りは、まだしないわよ。そうね、大きなスポンジに、そのはじから、水を少しずつ染み込ませて広げていく、そんなイメージで、やっていって。」


 感覚のセンサーを、スポンジのはじから、染み込ませるようにやるのね。あああ、細胞の1つ1つが感じられようだわ。時間はかかるけど、繊細に読み取れるようだわ。


「そこは、ちょっとだけ意識を、変えてね。読み取るのではないから、あくまでも感覚のセンサーを広げていくだけね。」


 そうか、うっかりしたわ。感覚のセンサーを読み取りのためではなくて、広げるだけなのね。ただ広げるだけね。


 気がつくと、首から上全体に、意識が広がった気がするわ。


「とうとう、きたわね。そこからは、下に深く潜っていくようにイメージしてね。そこは、ちょっとだけ難しいわよ。」


 ええ?実務さんの言ってることがわからない。深く潜っていくって、穴とか、潜っていく場所が何もないわ。ただ、センサーを広げた平坦なところしかないわ。どういうこと?


「そうね。ここは、かなり難しいわ。潜れそうなところなんて、ないものね。でも、そうじゃないの。潜っていこうと意識してみて。」


 ええ?だから、どこから、潜ればいいかわからない。潜れないわよ。どうやればいいの。


「だから、潜っていこうと意識するだけでいいのよ。潜れると、信じてみて。そう強く思うのよ。」


 ところが、いくらやっても、麗奈は、潜ることができなかった。


「麗奈、だめそうね。いいわ、もう戻ってきて。一度目覚めてね。」


 すると、マリアと一体化した意識まで、戻ってきた麗奈は、自分の身体だけに、その意識を戻していった。そして、通常の意識へと戻ってきた。すると、マリアと麗奈のつなげた手が離れた。


 我に帰る麗奈とマリア。すると、麗奈から、

「ねえ、実務さん。これって、この間、オービスの顔移しをしたあとで、私、顔を戻すのに、回復の術をやったでしょう。あの時、自分の顔を、DNAから読み込んでいった時、こんなに遠回りしなかったけど、あの時の手順じゃだめなの。あのやり方だったら、もっと簡単にDNAまで辿り着けると思うんだけど。」


「そうね。DNAまでの手順は、あの方が簡単だし、確かに早いわよ。だけど、あのやり方だと、傷ついた顔は元には戻せないのよ。傷ついた顔を戻すためのデータは、もっともっと深いところまで読み取れないとあの傷は治せないのよ。つまり、復活の術は、本当に難しいということね。」


「そうなのね。だけど、あまりにも、難しすぎるわ。」


「それは、そうよ。だって、あれがそんなに簡単にできたら、何百年に1人の「主命しゅめい」になれるんでしょ。」


「そうだったわね。」


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