表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/180

5-12 プリンセスの娘、誘拐の謎12

 すると、実務は、椅子を3脚選び出し、2脚を相対して向かい合うように並べ、その1つを、その横に並べた。そして、横に並べた椅子には、マリアと麗奈が座り、麗奈の前の椅子には、実務が座った。


「さあて、麗奈、いいこと。一世一代の移面術の始まりよ。」


 それを聞いて、麗奈は、焦りながら、

「じ、実務さん、そんなこと!無理よ!マリアの顔を治すなんて、そんなこと!いくら、移面術でもできないわ!」


 ところが、あくまでも、強気の実務は、引き下がらない。さらに、語気を強めていく。


「麗奈、あなた、以前、オービスの顔移しをした時、最後に、目の前に写真とか具体的な顔のイメージがない自分の顔に戻したでしたでしょう。覚えているわよね。」


「ああ、だって、あれは、自分の中の、元々、生まれてから持っているDNAからデータを読み取ることができたからよ。実務さんが、教えてくれたでしょ。」


「よく覚えているじゃない。それと同じことを、いいえ、もう少し、上のレベルのことを、今、ここでやるだけのことよ。」


 それを聞いて、麗奈は、少し興奮しながら、

「だって、あれは、顔移しの回復の術をやったのよ。私の顔に戻すことだもの。でも、今回、マリアの顔は、こんなに傷んでしまって、この状態ではやりようがないわよ。顔を作るようなものよ。」


だが、実務は、さらに語気を強めて、麗奈に攻めていく。

「麗奈、あなた、私が何も知らないとでも思っているの?」


 驚く麗奈!


「麗奈!その、しまった、という顔は何?実は、可能性がある、ということでしょ。」


 はるか昔から、くノ一のような活動をしながら、多くの事件を解決してきた、琥珀こはくつばさ。その数ある術の中でも、特出してすばらしい移面術は、彼女たち独自の術であるが、そのまた遥か昔に、ただ1人の、伝説のメンバーが存在していた。後にも先にも、主命しゅめいという、その特別な立場は、ただ1人。これまで代表といえる、主理しゅりを遥かに超える、主命しゅめいを名乗れたのは、彼女だけであった。


 実務は、今、ここで、麗奈に、その可能性があるとはいえ、これまでの移面術の、もっと先のことをやらせようとしている。こんな土壇場の、ぶっつけ本番で、しかも、やったことのない麗奈に、こんなに緊迫した状態で、マリアには、絶対に治してみせると言い切る実務は、誰からみてもあまりに無責任すぎて、皆は、驚きしかなかった。


 実は、実務は、主命しゅめいのことなど全く知らなかった。ただ、これまでの移面術をみてきたことから、過去にそこまでやっていたメンバーが、必ずいたに違いないと、自信を持って言っているだけなのであった。


 皆が、呆然としている中、


「何をぐずぐずしているの、麗奈!始めるわよ!」


 だが、あくまでも、どう考えても、自分にはできないことを主張して、1人で勝手に、簡単にできるように指示をする実務に、麗奈は、かつてないほど反発をした。


「いいかげんにして、実務さん!やったこともないことを、それも、簡単にできるようなことを言って、プリンセスたちにまで、ぬか喜びをさせて、何が楽しいの!これまでは、色々とアドバイスをもらってきたけど、今日だけは、言わせてもらうわよ、そんな勝手なことを言って!」


 だが、あとへは引かない実務。逆に、さらに強くでていく、


「麗奈、あなた、何を言ってるの!今日のことは、ただ個人的な問題じゃないのよ。イミリア共和国の行く末がかかっている大切な大問題なのよ。マリアは、このままだと、おそらく、次期プリンセスにはなれないわ。そうなると、王室が血族の流れが途切れてしまい、そうなると、イミリア共和国の国民は、血族以外は、王室を認めないから、このまま行くと、イミリア共和国は危機を迎えることになる。国が破滅の道を突き進むことは間違いないのよ。そうなったら、すべてあなたのせいなのよ。あなたが、今、マリアの顔を治さないと、すべてが終わってしまうの。1つの大きな岐路に立たされているのよ。それを、麗奈、あなたがやれるかどうかということなのよ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ