4-3. あばかれたカタリーナの秘密③
カタリーナは、事務所に戻ると、麗奈に相談した。
「そうなの。どう考えても、顔移しのことを知っているような口ぶりなのよね。」
「だけど、あの女性は、どう見ても、人を脅すような人に見えないのよ。本当に、その介護施設にいる人なのかしらね。」
「おそらく、一度お金を振り込んだら、たぶん、これで終わりにはならない。絶対に、その後も、ゆすられる。」
「カタリーナ、私が施設に行って、あの人がその施設にいる人かどうか、たしかめてくるわ。」
「そうね。そうしてもらえたら、どうするかは、その後で考えるわ。」
麗奈は、その施設について、調べると、たしかに、その女性、佐藤こずえは、その施設の代表であった。それは間違いないので、直接訪ねてみることにした。
麗奈が、施設の駐車場に車を着けると、向かいに大きな建物が見えた。とても大きな介護施設で、おそらく収容人数も多いに違いない。
木に隠れながら、ゆっくりと正面玄関まで近づいていくと、正面入り口の掃き掃除をしている女性がいた。よく見ると、先日見た女性、佐藤こずえ本人であった。しかし、この人が、本当に、先日、カタリーナをゆすった人なのだろうか。
すると、向こうもこちらに気がついた。
「あら、今日は、どうしたの。まさか、カタリーナに頼まれて、あなたが現金を持ってきたんじゃないわよね。」
なんと、この女性は、ここの施設の代表、本物だった。そして、先日、カタリーナをゆすった本人でもあった。だけど、この女性は、ネット上でも、とても評判が良く、悪く言う人は、1人もいない。いったい、どういうことなのだろうか。
「あなた、ひょっとして、私が本当に、この施設にいるか、たしかめにきたんでしょ。そんなことだろうと思ったわ。もちろん、他の所員には、内緒のことよ。わかったなら、帰りなさいよ。カタリーナには、お金待ってると伝えてね。」
「と、とにかく、今日は、帰るわ。」
カタリーナがゆすられている、この女性は、間違いなく、この施設にいる一般女性だった。それなら、私たちと、この女性の接点が見当たらない。帰ってから、カタリーナに、そのことを伝えると、
「それだと、ますますわからなくなったわ。だけど、お金を渡すわけには、いかない。いったい、どうしたらいいの。」
そこで、ついに、モデルラボの事務所の実務計子に、相談することになった。
すると、
「そうね。たしかに、その女性は、一般人かもしれないけど、そこまで、細かいことまで見抜く能力は、普通じゃないわ。誰かと組んでいるとか、まさか、1人でやっているとしても、何か、私たちにはわからないことが、背景に絶対あるはずよ。
とにかく、お金は、振り込みじゃなくて、直接渡すことにした方がいいわ。それで、麗奈と私と3人でいきましょう。お金は、ほしいはずだから、絶対に、断らないはずよ。そこで、直接会って、必ず、その謎を見破るわ。」




