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3-9 ダイヤモンドは、誰の手に⑨

 あまりにも、意外な結果に、横で一緒にみていたクラリスも、


これは、絶対に何かあるわ。この2人の対決なら、オービスの勝ちに決まっている。


 実は、これは、チームMDが仕掛けたものだったのである。フランソワ高木が飲んでいたコーヒーに、チームの1人が、ある薬を入れた。なんと、このチームは、ガレリア国からやってきた薬学研究所のチームで、独自に開発した薬を、所長は、盛られたのであった。


 この薬を飲むと、まず、すぐに眠りについてしまう。そして、再び目を覚ますと、その時に、初めて見た女性を自身が最高に美しいと判断して記憶されてしまうのである。ちょうど、ニワトリが卵からかえって、そのヒナは初めてみたものを母親と認識するという、刷り込み(インプリンティング)という現象を、同様の作用を起こす薬だったのだ。


 クラリスは、思った。


 たしかに怪しいから、所長さんの脳に意識を入り込ませて、その中の美の中枢を探ってみるわ。あっ、あったあった、こんなところに、、、。美の中枢は、いわゆる美のセンサーのようなものだから、中に特定のものが入っているわけではない。


 だけど、今、所長さんの脳の中の美の中枢には、あの対決相手の3人のイメージが刷り込んであるじゃない。これは、刷り込みと同じこと、インプリンティングだわ。これなら、相手が誰であっても、所長さんは、この3人がトップで美しいと思ってしまうわ。これなら、オービスだってかなうわけはない。しょうがないわね。こんな卑怯ひきょうな手を使って。それなら、まず、この3人のイメージを消して、と。これでいいわ。


 さて、そのかわり、次のこちらのメンバーを、次はコスメだから、所長さんの美の中枢に、コスメのイメージを入れて、と、これでいいわ。こんなずるいことをして、こちらも同じことで、対抗するからね。あなたたちみてらっしゃい。さて、どうなるのか、楽しみよ。


進行役が舞台に進んだ。

「それでは、準決勝の第2対決の2組目を開始いたします。まず、チームMDからは、1人、そして、チームMLからも1人、それぞれお進みください。それでは、対決、スタートします!」


チームMDからの女性は、余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)で、不敵な笑いを浮かべたまま、測定器前へ進んでいった。そして、コスメも、測定器前へ進み出る。


すると、コスメは、アピールの体勢に入った。一方で、チームMDの女性は、ただ微笑むだけで、特に何をするわけでもない。もう勝てるとしか思っていないのだ。そして、1分がすぎ、2分がすぎて、、、。

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