3-2 ダイヤモンドは、誰の手に②
参加者たちは、これだけ大きなイベントで優勝することは、もちろん名誉なのだが、今回は、それよりも、やはり、みんなダイヤモンドが目当てだった。
そして、とうとう、8組が残り、モデルラボチームも残っていた。
ここで、一度30分の休憩が入り、休んでいると、誰かが声をかけてきた。振り返ると、そこには、今回のジャッジを務めるフランソワ高木がいた。
「お久しぶりです。社長さんも、皆さんもお元気ですか。」
「あら、本当にご無沙汰してます。所長さん、お一人で、今日は、審査員大変ですね。」
「そうなんですよ。結局、私なら、研究所のプライドにかけても、不正など、絶対しないですから、依頼されました。」
「それに、所長さんなら、確実ですからね。」
「いえいえ、私も人間ですから、完璧なジャッジができるわけじゃないですが、でも、一般のどんな人たちよりは、公平にやり遂げたいとは思っていますよ。
ただ、実は、今回は、こんなに見たこともないモデルが多くて、驚いているんです。いくら、私が世界中のモデルたちをすべて知らないとしても、それは当たり前のことなんですが、今、8チームが残っているのに、半分は知らないメンバーばかりです。それも、オービス並みか、それ以上かというハイレベルの人ばかりで、今や、オービスとエミリアが頂上と思っていたのに、私がこんなに知らないハイレベルなメンバーがいるなんて、信じられない。もはや、オービスがトップだと言っているのも、過去のことになるのかもしれない。しかしながら、視点を、変えれば、非常に楽しみではあるんですが。」
実は、多くの参加者たちは、欧米諸国からが中心になるかと思っていたのだが、いざ参加者で勝ち抜いてきたチームを見ると、決してそうとばかりは言えないし、その魅力的な輝きが、これまでフランソワ高木がみてきたものを完全に超えていた。
その1つの理由として、やはり、優勝を目指す目的が違いすぎた。これまでの、コンテストや様々なコンペティションのようなものでは、優勝賞金がそこまで高額でないことと、また、多くの有名なモデルたちは、自分たちの知名度を上げることの方が目的で、今後の仕事を増やすためにも必要としている、いわゆる自分たちを売り出すための1つの方法として考えていることがあった。
ところが、今回のコンペティションについては、自身の名前や今後のことよりも、その高額なダイヤモンドを手に入れたいという、それだけの目的の参加者が多いので、モデル経験もない、本当に自分たちの美貌だけで勝ち抜こうとする人たちが多かったのである。
実際、主催者を務めるドマレス・イシュタリアは、究極の美人を見たいという単純な理由で開催を決めたので、その美貌だけで比較できれば、本人としては、最初は、それでよかった。しかし、いざ募集をしてみると、あまりにも様々なタイプの美人が多いことと、参加者たちが、その容姿の美しさが、彼の美人に対する常識のレベルを遥かに超えていたのであった。そこで、彼の好みだけで決めるにしても、その数多くの参加者たちの中から、優勝者を決めていくのは、参加者たちのレベルがあまりにも高かったので、彼が審査員を務めるにはハードルが高すぎたのであった。
すると、その審査員としての責任が重すぎると、とても趣味として開催できるレベルではないと感じられるようになり、恐ろしくなってしまったドマレスは、自分に代わって、究極の美貌追求研究所UBPRIに、美の審査員を依頼したのである。その時点で、応募が殺到したので、それらのすべての資料を研究所に送らせたところ、一度書類審査をして、かなり人数を減らしたいと、ドマレスに連絡をした。




