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3-1 ダイヤモンドは、誰の手に①

 ある大富豪が、企画、主催して開催したビューティーコンペティション。

そこでは、その優勝賞金が、実は、現金ではなく、800カラット、時価20億円のダイヤモンドを、優勝商品とした。


 すると、世界中から、じつに200組の参加者が応募されてきた。やはり、その商品の破格の豪華さにあモデルラボからもエントリーすることにした。参加者は、3人で1組となり、各チームでトーナメント方式で、先に2人勝てば、勝ち抜きで、次に進んでいく。


 そのビューティーコンペティションは、その大富豪の息子が、世界規模での多くの美人を見たいという自分の趣味が高じて、家にたまたまあった宝石を商品として、開催を決めていたのである。すると、当然、息子は、美人たちの審査員をしたいようだったが、父親は、ここまで本格的なものになるとは思わなかったようで、息子には任せられないと、フランソワ高木に審査員を依頼したのだった。


 そんな経緯もあっての開催で、開催場所は、フランスとなった。


 そして、かつてない出場者の多さにより、書類審査の後に、予選を行ない、最終的に8組のチームが勝ち上がっていった。


 そこには、モデルラボもエントリーされ、各国からも多くのモデルが大挙して出場していた。しかし、これほどの規模であれば、普通優勝すれば、もちろん、かなり世界的にも知名度が上がることとなるのだが、今回のコンテストは、これまでとは違っていた。しかしながら、別の意味で、各チームの本気度は、ものすごく上がっていた。

モデルラボは、オービスを筆頭に、双子姉妹のリリアナとバイオレットの3人が参加していた。そこに、共に来ていた、コスメとクラリス、そして、実務計子。


 すると、コスメは、


「これだけの大舞台も珍しいし、内容的にも、ランウェイじゃなくて、美人対決だなんて、エミリアが聞いたら、きっと血が騒ぐでしょうね。クラリスも、こんな規模の大きなイベントに来られて、勉強になるわね。」


「こんなの初めてで、本当に嬉しいです。」


すると、オービスも、


「なんか、参加者のレベルが高くて、優勝は簡単ではないかもしれないわ。でも、なんとしても、優勝しないとね。私たち、そのためにきたんですもの。」


 それは、今から、3か月以上前にさかのぼる。南の果てにある、世界的にも金持ちすぎる国とまで言われている国、ガレリア国。その国の中でも大富豪の中の大富豪である、ドマレス・イシュタリアがモデルラボを訪れた。ドマレス・イシュタリアは、イシュタリア家の長男であり、イシュタリア家は、世界的に有名な金持ちであり、油田を始め、ダイヤモンドの鉱山など様々な資産を所有している。なお、ダイヤモンドの産出国として世界一である。


「社長、ガレリア国から、ドマレス・イシュタリア様がおみえになりました。」

「わかったわ。それじゃ、実務さん、一緒にお願いね。」

「わかりました。」


 ドマレス・イシュタリアは、英語が話せないので、実務計子が1週間でガレリア語をマスターして通訳をすることになったのである。


すると、その依頼というのは、意外なものであった。


「実は、私は、個人的に世界中の多くのモデルに興味があって、今回、モデルさんたちの、美貌の競争みたいのをやってみたいと思ったのです。やっぱり、ランウェイみたいのじゃなくて、真剣に美人同士の競争みたいのをやってみたいと思ったのですが、まあ、私の個人的な趣味みたいなものなんですけど、簡単に言えば、1番の美人は誰か、という競争ですね。そして、それじゃ、賞金とか商品を何にしようかなと思った時に、たまたま居間のテーブルの上に、母親のダイヤがころがっていたんです。なんだか、大事にされてなくて、テーブルにいつもあったので、横にいた父親に聞いてみたら、ああ、それなら、お母さん、いらないんじゃないか、って言うんですよ。だから、こんなものでも、みんなほしいと思って応募してくれるかなって思って、そのダイヤモンドを優勝商品にして、今回モデルコンペティションを企画したんです。」


「そのダイヤって、いくらぐらいのものなんですか。」


「大きさが、卵くらいのもので、800カラットはあって、たしか、20億くらいじゃないかなあ。」


「ええええっ!に、20億ですかあ!」


「そうなんですよ。それで、企画して募集したら、世界中から、70組も来てくれて。あっ、応募そのものは、200組でしたけど、あまりに多くて書類審査で70組まで落としました。」


「それは、まちがいなく殺到するでしょうね。」


「ところが、ある日、母親が、あら、あたしのダイヤ知らない?って言うんですよ。そこで、あれ、いるの?ってきいたら、メモしたものをテーブルに置いて、メモした紙に乗せておくのに、ペーパーウェイト代わりに使っていて、気に入ってるって言うじゃないですか。それで、父親と2人で目くばせして、探しとくよって言ったんです。そのダイヤモンドは、実は、調べたら、一応、有名なものらしいです。


 しかし、まあ、別に、その程度のものなら、うちの家族には、どうでもいいことなんですけども。そこで、今回の依頼なんですけど、このコンペティションに参加して、優勝して、ダイヤモンドを取り返してほしいんです。いまさら、優勝商品のダイヤを変更とかできないので。もしも、他の人たちが優勝したら、ダイヤモンドは、持っていかれてしまう。金額なんて、大したことないですが、そうなったら、母親にバレて怒られてしまうんですよ。

実は、同じようなダイヤモンドを、色々と探して見たんですが、みんな、ちょっと小さすぎて、同じ大きさのものがなかったんですよね。かといって、もっと大きいのを買ってもよかったんですけど、やっぱり、あれを取り返すしかないと思うんです。


 それで、あなたたちなら、優勝間違いないって聞いたので、残念ですが、優勝してもダイヤは差し上げられないですが、その代わり、お金でお礼はしますよ。だけど、申し訳ないですが、そのままの金額の20億ではいけませんか。」


「ええええっ!20億ですか?!」


「そうですよね、やっぱり、少ないですよね。一応、やっぱり、ダイヤよりは、出さないといけないとは、思ったんですが、それじゃあ、30億でお願いできませんか?」


「いやいや、ぜんぜん大丈夫です。やります、やります。」


「そうですか。よかった。30億でも、どうかなとは、思ったんですが、それでは、特別枠というのを設けてあるので、あとの70組に参加してもらえますか。」


というわけで、参加することになって、なんとしても、優勝しなければならないことになったのである。

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