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2-20 その名は、アイフ20、、、エピソード2最終話

 というわけで、アイフ、こと、エリーゼには、こんな経緯があって、その後、エリーゼが、日本にやってきたのには、理由があった。


「コスメ、私ね。あれから、この顔のことは、忘れて、一生懸命に生きていこうと思っていたの。


 だけど、だめね。やはり、中にはごく僅かだけど、私のことをよく言わない人がいてね。本当に、僅かなんだけど、それを耳にすると、心が折れてしまって、どうしたらいいか、わからなくなってしまって。


 そこで、日本では、この国のように、美貌が第一なんてことはないと聞いて、それなら、日本で1年間、この素顔で頑張って、生きていく自信をつけたいって、思ったの。」


 すると、それを聞いていた、コスメと、実務、オービス、クラリスは、アイフこと、エリーゼの話しに心を撃たれて、涙を流しながら、感動していた。そして、コスメは、


「あなたって、なんていい人なの。あなた、もう大丈夫よ。これからは、その顔でも、日本で、モデルとして、こんなに頑張ってきたじゃない。あなたの国に帰っても、立派に、また医者としてやっていかれるわよ。」


「本当。ありがとう。そう言われたら、また自信がついたわ。本当に、ありがとう。」


それから、まもなく、エリーゼが、来日して、1年が過ぎて、モデルとしての仕事も、区切りをつけて、帰国の時が訪れた。


 その日、空港には、エリーゼを送り出すため、事務所から、コスメ、オービス、実務、そして、クラリスの4人が見送りにきていた。


「皆さん、本当にお世話になりました。」


すると、コスメが、

「これね、皆で寄せ書きみたいな手紙を書いたのよ。あとで読んでね。そんな、堅苦しいものじゃないから。」

「ありがとう。いい思い出になるわ。」


すると、そこへ、一歩前にでてきたクラリス、

「ねえ、エリーゼ、、、エリーゼって呼んでもいい?」

「ああ、いいわよ。どうしたの、クラリス。」

「じつはね、エリーゼに、帰る前に、お願いがあるのよ。言ってもいい?」


そこへ、コスメ、

「ねえ、クラリス。こんな、帰るギリギリにどうしたの。やめといたら。」

「ああ、コスメ、いいのよ、別に大丈夫。もう、最後ですものね、なんでも言っていいわよ。」


「エリーゼ、ありがとう。実はね、最後に、ちょっとだけ、エリーゼの、その綺麗な顔をさわらせてもらってもいい?」

「えっ、、、ええ、別にかまわないわよ、まだ時間もあるし、、、。」


クラリスは、嬉しそうに、

「本当!よかった、ありがとう!」


すると、クラリスは、右手のひらを、エリーゼの頬に、ゆっくりとふれていった。ちょっとだけ、タジタジのエリーゼだが、そのまま、じっとして、

「ど、どう?なんか、ものすごい密着するわね。」


ゆっくりと、その手を頬を軽くさすると、

「このスベスベの肌ったら、エリーゼ、綺麗なほっぺた、綺麗な肌よね、、、。」


そのまま、動けないエリーゼ、

しばらくすると、ゆっくりと、手を離すクラリス、

「ありがとう、エリーゼ。本当に、肌がスベスベで、ほっぺた気持ちよかったわ、ありがとう。」


なんだか、これでよかったのか、わからず、ちょっと困った様子を隠すのに必死なエリーゼは、

「よ、よかったわ、それなら、、、。」


コスメも、困り顔で、

「それにしても、変なこと、お願いするのね。まあ、でも、よかったわ。じゃあ、もういいわよね。」


 これで、やっと、本当にお別れの時がきた。皆、手を振って、だんだん離れていく。無事に航空機に乗って、空に上がって行った。


皆は、まだ空に向かって、手を振っていた。


 エリーゼは、離陸したのち、しばらくして、コスメからもらった皆からの寄せ書きを見ていた。


 皆、なんだか、おかしなことばかり書いて、ふざけすぎていて、真面目に書いていたのは、コスメだけだわ。面白すぎる。


こんなのずるいわ。笑っちゃうじゃない。


えっ!笑っちゃう?ええ、なんだか、変よ!顔が、なんだか、すごく、変!


 すると、急いで、機内のトイレに駆け込んだ。正面の鏡をみると、そこには、今、少し笑いかけていた、自分の顔があった。


 ええ?これは、少なくとも、さっきまで、楽しかったり、うれしかったりした気持ちと全くつながらなかった無表情の顔ではなかった。ゆっくりとその顔をさわってみると、さっきまで口を開けると、口しかあまり動かなかったのに、今度は、頬も一緒に動く。


 次に、目をぱちぱちしてみると、少しうれしいような顔に近づいているようにみえる。そうそう、さっきまで、きちんとできなかった、唇をとがらせてみたり、それをぐるぐると動かしてみる。気がついたら、自分は、鏡の前で、何をやっているんだろう。それに気づいて、自分がバカバカしく思えて、吹き出してしまった。しかし、それは、しかし、それは、、、紛れもなく、久しぶりに見た自分の笑顔であった!


「ええええっ!いったいどういうこと!?いったい、なにが起こったの!?私、、私、、顔が!、、顔が!治ったんだわ!!!!元の顔に!!!」


 エリーゼは、機内中に響き渡る声で、喜びのあまり、思わず叫んでしまって、一時、機内は、大騒ぎになっていた。


 エリーゼを無事に見送ったコスメたちは、モデルラボ事務所に戻ってきた。それぞれ、仕事に戻り、クラリスも、自分のパソコンで明日のスケジュールを確認していた。すると、ふと、窓から空を見上げていた。


 そういえば、そろそろ、エリーゼの顔が元に戻る頃ね。うーん、私も、こんなことは、めったにやらないんだけど、今回は、特別よ。いや、本当に、エリーゼは、あんなに、いい人は、なかなか見たことないわ。今回聞いた話しも、とても感動した話しだったし、この事務所にきてからも、エリーゼは、本当に皆のために、いつでも親切に対応してくれて、本当に、私も皆も感謝してる。


 だから、私も、何か、国に帰るのに、お礼をしたいと思ってて、何にしたらいいか、ずっと考えていたのよ。それで、顔を治してあげることに決めた。おそらく、1番気に入ってくれていると思う。だから、今回だけは、特別なんだから。私ったら、何を自分に言い訳をしているのかしら。でも、本当に、特別なのよ。いつもは、こんなこと、絶対にしないでしょ。もう、いいわ、言い訳するのは、やめにしよう。


 でも、、、だって、あの子の顔、今回はどうしても治してあげたかったんですもの。いいわよね、これで。きっと、喜んでくれていると思う、私からのこのお礼。私にしかできないお礼よ。じゃあ、元気でね。


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