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1-3 ナナの誕生③

 過去には、プリンセス エレンと蓮津光との間に生まれたオービスも、今までかつてない美少女ぶりが、コトールルミナス国の王室の血筋によって現れていたわけであるが、今回のナナは、オービスのケースとは、また異なるものであり、アルタコーネス国の美のエキスを飲んだコトールルミナス人から生まれたというケースからの今まで例のない、まさに突然変異のような奇跡の娘なのであった。ナナは、どちらの国の要素も含まれていることが元となり、様々な想定外のことを生み出していたのである。


 そして、退院をしたのち、その瞳の変化は、どのようにして起こっているかが、少しずつ、明らかになってきた。それは、ナナが目の前で見た色が気に入ると、その瞳がその気に入った色に変化していたのである。


 ただ本人は、あえて、目の色を変えたつもりはなく、無意識のうちに起こっていたことであり、3才になるまでは、ただ目の前の気に入った色があると、勝手にその色に変化していた。


 そして、3才を境にして、勝手に色は変わらず、自分から、瞳の色を変えたいと思う時のみ、変えられるように、その色の変化をコントロールできるようになってきた。しかし、さらにわかったことは、自分で色を想像したり、頭の中でその色を思い描くことはできず、目の前で見た色にしか変化できないということであった。


 そして、唯一、対象になる色がなくても、目の色を変えられる時は、自分の生まれ持ったブラウンに戻す時だけであった。


 そして、さらに、成長して、4才になってからのこと。今度は、その生まれ持った髪の毛の色を変えることができるようになっていた。これは、やはり目の色と同様に、目の前にある色を髪の毛の色に変えてしまう。しかし、これについては、そう簡単にはできないようで、変えたいと思っていても、何十回か試して、やっと一度できるというようなレベルであった。そんな理由から、これはあまり試してはいないようであった。


 それと、さらに、もう一つ、ナナが、5才になって、モデルデビューをした頃から、写真の被写体になる時、彼女は、不思議な才能を見せ始めたのだ。それは、今の自分を、その時の理想の被写体として判断ができるということであった。これは、どういうことなのかというと、自分がモデルとして被写体になる時、どうポーズをとればいいのか、自分を、今ここで、自分の魅力をカメラの被写体として、どうしたら最大限に表現できるのかが相手目線で感じ取り、表現できるということなのであった。


 もちろん、5才の彼女には、そんな難しい理屈などわからない。しかし、こういうポーズをして、こういう表情をすれば、ここでの自分の魅力を最大限に出せるのだと、カメラマンが被写体に要求することを、直感的に自身で表現することができるのだ。


 蓮津が、プライベートで、気軽に写真を撮る時ではなくて、改めて、1人のモデルとして、ナナを撮影しようとした時、その時の環境や状況に応じて、その構図や表情など、蓮津が望む条件に、かなり近いものを、ナナ本人から提供してきたことがあり、蓮津は驚いた。それは、1度や2度のことではなく、毎回、ナナは、わずか5才にして、自分の魅力を最大限に引き出せるものを自ら出していたのである。


 そして、その後も、これは、まさに、プロのカメラマンとして、大きく花開いた父親の蓮津光のカメラマンとしての感性を受け継いだものに間違いなかった。ナナは、これからモデル界に新風を巻き起こす、まさにファッションモデルの申し子なのであった。そして、ナナの生まれ持った特別なものは、こんなものではなかったのであるが、それに気づくためには、まだまだ長い時間が必要であった。

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