8-3 チョコレートガール③
スーツケースを引きながら、小走りで空港入り口に差し掛かった少女。
すると、コスメと実務は、両側から、腕をつかんで、
「ほらあ、つかまえたあ!」
驚く少女、
「あ、さっきのお姉さん!どうして、ここが?」
「そのわけは、どうでもいいけど、どうして逃げたの。話しを聞くって言ったじゃない。」
「だって、何かの勧誘か、何かでしょ。私、これから国に帰るんだから、どっちにしても、ここには残れないんだから、お話しを聞いても、何もできないのよ。それに、もうじき、私の乗る便がでちゃうのよ。」
「ねえ、あなた、国はどこ?どういう経由で帰るの?」
「ヨーロッパ経由で、チョリナート国に帰ります。」
「チョリナート国?聞いたことないわ。実務さん、知ってる?」
「ああ、とても小さな国ね。チョリナート国の人とは、会うのは、初めてだわ。あなたもそうだけど、女性が皆さん綺麗よね。とっても美人の多い国。私たちの国に迫るほどよ。」
「そうなの。初めて知ったわ。ところで、あなた、旅行なの。」
すると、なんだか恥ずかしそうにして、
「実は、日本にチョコレートを買いにきたんです。それだけよ。」
すると、実務は、すかさず、言った。
「えっ、だけど、チョリナートには、チョリモナがあるじゃない。ほとんど、チョコレートと同じよね。見た目も味も。」
「ああっ、あれね。」
「あなた、チョリモナ、食べないの。チョリモナが食べられれば、まさかわざわざ海外まで、買いに行かなくてもいいんじゃないの。」
「だけど、私、チョリモナは、食べないの。日本のチョコレートの方が、だんぜん、美味しいわ。」




