7話 オーク狩りそして…スライムジェノサイダー再び
読んでくれてありがとうございます!
2層へおりてきた。通路は一層より広い。
ここからは、炎の槍を使っていこうと思う。
一層で確保したゴブリンの魔石を槍に喰わせていく、そう、文字通りスライム樹脂が、魔石を食うように取り込んでゆくのだ。不思議な光景だ。
20個程取り込んだらお腹いっぱいらしい。
10m程前方に、第一オーク発見。
炎の槍をしっかと握り、渦巻く炎をイメージして槍先に集中する。
オークまでの距離、5m!
「点火!!」
槍先から渦を巻いた炎がオーク目がけて迸る!
胴体に命中した炎がそのまま後ろへ抜ける。
オークの土手っ腹の大部分を削り取って…
ドシャリと、崩れ落ちるオークの巨体。
やがて、間をおかず光に還ってゆく。
ゴブリンより大きな魔石と、梱包された肉隙間から見える見た目から判断するしか無いが多分、バラ肉ブロック。
ベーコン作るかー。美味いんだよね、ベーコン!
塩コショウして3日程冷蔵して、流水で塩抜きして、段ボール箱に吊るして、スモークウッドを使って燻煙を2時間程当てれば、簡単ベーコンの出来上がりだ。
あとは、1日冷蔵庫で燻煙香を馴染ませたら、食べ時。
ベーコンのコトに思考を飛ばしていると、更にお代わりのベーコン…もとい、オークが向こうから近付いてきた。
今度は、先ほどと違うイメージを槍先に集中する。
酸素を空気中から分離集中させて球形に圧縮、周りを炎で包みこんで球形にして…
「点火!」
火の玉がオーク目がけて結構な速度で飛んでゆく。
オークの顔面に触れるその瞬間、中の圧縮した酸素を解放する。
途端に破裂したかの様に巨大な爆炎が上がるとオークの上半身が吹き飛び、その場に崩れ落ち、光に還る。
今回は、魔石のみのドロップ。残念。
それにしても、炎の槍が優秀過ぎる気がする。
槍先は火と風の複合樹脂でできているので、軽く思いついた組み合わせで試してみたが、恐るべき威力だった。だってどちらも、オーバーキル気味にオークを瞬殺したんだもの…
燃費を確かめるためにゴブリンの魔石を取り出す。
炎の槍に魔石を取り込んでいく。8個取り込んだ時点で入らなくなった。感覚的には火炎の渦とファイヤーボールは同じぐらいの力の込め方をしたつもりなので、多分一発、小魔石4個だと推測する。一発400円…高いな…
もう少し消費の少ない感じで撃てれば、スライムジェノサイドが捗りそうだ。
次は炎を撃ち出さない方向で使ってみよう。
3層へと向かいながらオークを探す。
いた。ソロなオーク発見。槍先に力を集中してスタンバイ。初級忍術のサポートで、気配は薄くできるので気づかれる前に接敵。背後からオークの脇腹に槍先を突き入れ、
「点火!」
炎を体内で発生させられたオークは、脇腹を沸騰させつつ倒れ、しばらく呻いて光に還る。…エグいな…
今回は、肉あり!嬉しい。
ゴブリンの魔石を吸収させると、今度は1個で済んだ。
体内発火、一発100円、実用的なレベルだな。小さい魔石はしばらく売らない方向で行くか。
しばらく、オークを爆殺しながら二層を抜け三層へ
道中のオークドロップは 中魔石5、肉2。晩御飯の肉もゲット!チラッと見えたのは、ロースのぶ厚いやつ!
トンカツだな!テンション上がる。
三層へ、運用試験いよいよ本番である。
スライム緑地は、今日も平和そのものである。
これから起きる惨劇を知る由もなく、ふるふるしているスライムさん達がアチラコチラに散見される。
見つけ次第、
駆け寄って、
槍刺して、
点火!
内部から発火したスライムの残骸をかわして、ドロップ拾う。
以下繰り返し。完全にルーチン化できたな
魔石のトレードルートは、1対1なので斃したスライムさんの半数がスライム樹脂となる。ドロップした魔石は槍を意識するとドロップした瞬間に取り込まれている。
流石スライム樹脂、なにげに便利だ。
16:30になった、そろそろ今日は店じまいするか。
上にあがる階段に向かっている途中、奇妙なモノが居た。
どの属性でもない、金属光沢のスライムさん…。
コレはアレか?逃げるまでに倒せばオイシイやつ?
いっちょ殺るか!槍でドツキつつ点火!
普通のスライムならコレで燃え始めるはずだが、火は点かない。さすがメタルさん。
ふるる、と震えて、コチラを伺っている。いや、眼はないからみてるかどうかはわからないが…
舐めやがって。ここからは武器のオンパレード!
鎌を振り下ろし、鎖分銅を叩きつけ、槍の石突でぶん殴り、ホブゴブリンの剣で斬り付けた!
さすがのメタルさんも、ようやく光に還る。
カラダがふわりと軽くなる。やっぱりオイシイやつだった。後には、ホブゴブリンより大きな魔石と、金属の塊が
残されていた。拾い上げると
金属スライムの魔石(特大)
スライムメタルインゴット
と、出た。名前だけはわかるんだよな…詳細はわからんのだけど。
ともあれ、今日はラッキーだった。
金属スライムさん、ボーナスをありがとう。
階層をのぼり、最小限オークやゴブリンを排除しつつ買取り所へ。
本日買取りに出すのは小魔石とスライムメタル、一部の肉を除く他のもの
ホブゴブリンの剣とゴブリンナイフは今回は売ろう。最終的にスライムメタルが手に入ったし。
ゴブリンナイフ 2000
ホブゴブリンの魔石(大)5000
ホブゴブリンの剣 50000
オークの魔石(中)800×8=6400
オーク肉 150×500グラム=750
スライム樹脂(各種)200×5000g=10000
金属スライムの魔石(特大)20000
合計 ¥94,150
あら、スゴい!もうちょっとで日当¥100000やんか!?
ホブゴブリンの剣がデカいな、ハルタ君ところへのスライム樹脂納品はまだもう少し先になるので、とりあえず今日は買い取りで。
買い取りのおねーさんがまた少し顔面を引き攣らせている。
おかしいな…無害なオッサンやぞ、こちとら…
今日は、流石に金額がデカいので、手元に20,000残して振り込んでもらった。探索者証にはデビットカードみたいな機能がついてるので、特に現金は持たなくても良いのだけど、急に必要なこともままあるので、一部は現金でもらうのだ。
さて、まだ産院にいる嫁様と、息子ちゃんに会いにゆくのだ!
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