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怪人 ダンジョンに立つ!!!!元イベント会社でヒーローショーの怪人やってたけど会社が潰れて無職になったので、ダンジョンに潜ります!変身スキルで無双するオッサンは好きですか!?  作者: 怪人工房店長 死蟲(しでむし)
第二章 ダンジョンとヒーローショー

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57話 コバンの副業

変な更新になりましたが本日もよろしくお願いします!!

翌朝。

昨夜の宴の名残で、冷蔵庫にはまだハイオーク肉が残っている。

だが問題は、コバンの収納に入ったままの「丸ごとオーク」と「丸ごとハイオーク」の遺体だ。普通はドロップアイテムとして精肉したものが手に入るので解体するとなると買取所では対応してない、とカイちゃんに説教された。

「さて、どないしよ……」

朝食を食べながら、ない知恵絞って考える。

カイちゃんが言っていた「精肉屋に持っていけ」という言葉を思い出す。

「よし、精肉屋探すか」

スマホで検索すると、家から自転車で15分ほどの場所に「肉のオグリ」という精肉店があった。レビューを見ると「ダンジョン素材も対応」と書いてある。

「ここや!!」

家から自転車をこいで八尾空港を越えて少し南側へ、信号を左折してちんたら走ると、手書きの看板が出てくる。「肉のオグリ←コチラ」分岐のところに看板が出てて助かった。なかったらたどり着けんぞコレ。

「肉のオグリ」に到着すると、店の前には「ダンジョン食材買取・加工承ります」という看板が立っていた。

店内に入ると、いかにも職人といった風貌の初老の男性が出迎えてくれた。

「いらっしゃい!!」

「はい、オークとハイオークを丸ごと持ってきたんですけど……」

「待って!?丸ごと!?聞いたことないでそんな話!!??そもそもどこに持ってるんや!?マジックバッグか?」

店主のオグリさん(?)が驚愕を込めて言う。そらそうか…。

「そのへんも説明しますわ。」

「さよか、ほな裏の作業場に案内するわ。そこで見せてんか。」

作業場は清潔で広々としていた。大きなステンレスの作業台が並び、壁には様々な包丁やナイフが掛けられている。

「じゃあ、出してもらえるかな?」

「コバン、頼むわ」

コバンが収納から丸ごとオークを一体取り出す。

「おお、こらぁ…立派なオークやな。重さは…100キロぐらいか?」

オグリさんがオークの状態を確認する。

「で、解体はウチに任せるんか?それとも自分でやるんか?」

「えっと…実はコバンが解体できるみたいなんですけど……」

「ほう、スライムが?」

オグリさんが興味深そうにコバンを見る。

「やってみてもらってもええか?ワシも勉強になるわ」

「コバン、頼むで」

「了解。」

コバンが丸ごとオークに近づく。

まず、オークの肉切り包丁を収納から取り出し、俺に渡す。

「父、これ、使う。」

「おお、やっぱりコレ使うんやな」

「その前に…」

コバンがオークに触手をのばし、挿し込む。

「コバン?何してんや?」

「血抜き。」

「ほぉ!?そんな方法で!?!?」オグリさんもビックリしてる。

血抜きを完全に完了した後に、コバンが俺に包丁を持たせ、自分の体を使って俺の手を誘導する。

まるでコバンが俺の手を操っているかのような感覚だ。

最初に喉元から胸にかけて切開。内臓を丁寧に取り出していく。

「ほう…」

オグリさんが感心したように見ている。

次に四肢を切り離し、骨と肉を分ける。

コバンの誘導は正確で、無駄がない。まるで何十年も精肉をやってきた職人のような手際だ。

背骨に沿って包丁を入れ、ロース肉を取り出す。

バラ肉、肩ロース、モモ肉…次々と部位ごとに切り分けていく。

「すごいな…完璧や」

オグリさんが唸る。

「骨も無駄にせんのか?」

コバンが頷くように震え、骨をきれいに切り分けていく。豚骨スープに使える部分、煮込み料理に使える部分、そして捨てる部分を見極めている。捨てる部分はすべてコバンが消化して原子レベルで再利用するらしい。

作業開始から30分。

オーク一体が、きれいに部位ごとに分けられた。

作業台の上には———

ロース肉(約15キロ)

バラ肉(約12キロ)

肩ロース(約10キロ)

モモ肉(約18キロ)

ヒレ肉(約3キロ)

ミンチ用の切り落とし(約8キロ)

内臓(レバー、ハツ、ガツなど約5キロ)

骨(豚骨スープ用、約20キロ)

皮(約3キロ)

合計で約94キロ。歩留まりは94%。驚異的な数字だ。

「…………信じられへん!」

オグリさんが呆然としている。

「ワシが40年やってきて、歩留まり90%超えたことなんて数えるほどや。それを初めて見るスライムがやってのける…?」

「コバン、すごいやん!?」

コバンがふるふる震えて喜んでいる。コレはドヤ顔だ。

「ちょっと待ってくれ…ハイオークもある言うてたな?ソイツの解体も見せてもらえるか?」

「ええっすよ!」

収納から丸ごとハイオークを取り出し、再びコバンが俺の手を誘導する。

ハイオークはオークの1.5倍のサイズ。だが、コバンの手際は変わらない。

血をすべて吸い出し消化し、内臓を取り出し、四肢を切り離し、部位ごとに切り分ける。

ハイオークの肉質はオークよりも締まっていて、脂身も上質だ。

「この肉は…高級レストランが欲しがるやつや」

オグリさんが肉の断面を見て唸る。

ハイオーク一体からは、約140キロの肉が取れた。歩留まり95%。

「スゴイなぁ…化け物か…」

オグリさんが感嘆の声を上げる。

「なぁ、コバン君…?」

オグリさんがコバンに話しかける。

「ウチでバイトせえへんか?時給3000円出すわ。いや、歩合制でもええ。解体一体につき5000円や」

「父、どうする?」

コバンが俺に尋ねる。

「うーん…ダンジョン攻略もあるしなぁ…」

「分身で対応できる…。1日ゴブリンの魔石2つ。足りない分は肉の不要部分で補える…」

「あ、さよか!?ほな行けるか!!」

「いけるか?頼むわ!!」

オグリさんが頭を下げる。

「最近、解体できる職人が減っててな…若い子は来えへんし、年寄りは引退していくし…コバン君がおったら、ウチは助かるんや」

「コバン、どう思う?」

「やってみたい。多分戦闘の役にも立つ…!」

「そうやなぁ…じゃあ、専業で一体つけよか?」

「ホンマか!!おおきに!!助かるわ!!」

オグリさんが握手を求めてくる。コバンがぷるぷる震えて応える。

「じゃあ、今日解体した肉やけど…買い取らせてもらってもええか?」

「お願いします!」

「ざっくり計算で悪いけどオーク一体で16万、ハイオーク一体で43万…解体はコバン君がやってくれたしそれを加味して。合計60万でどうや?」

「めっちゃええやん!!」

「それと、この骨な」

山口さんが豚骨を指さす。

「この骨からは最高の豚骨スープが取れる。ラーメン屋が欲しがるやつや。自分で使うか?」

「一部は自分で使いたいです。残りは売ってもらっても」

「わかった。じゃあ半分ずつやな。ウチで売る分は、別途3万で買い取るわ」

合計63万円。

「今日はええ買い物させてもろたわ。ほな、来週また来てくれるか?」

「はい、よろしくお願いします」

帰り道、コバンに話しかける。

「コバン、お前すごいな。解体とかどこで覚えたん?」

「狩猟動画見て覚えた、あとゴールデンカ◯イ。人型のきれいな解体方法…肉も同じ。」

「怖ッ!!でも、なるほどなぁ…」

暇さえあれば徹夜で動画見てたもんな…コバンは勉強家であるなと思う。本人もできることが増えると楽しいらしい

「ほな、コバン!来週も頼むで」

「了解。父、喜ぶ。…嬉しい。」

コバンがふるふる震えている。

家に帰ると、嫁様が出迎えてくれた。

「お帰りー。どうやった?」

「めっちゃ上手いこといったで!コバンがバイト決まったわ!」

「え?コバンが?」

「精肉屋で解体の仕事や。週一でオーク一頭解体で5000円もらえるって」

「すごいやん、コバン!」

嫁様がコバンを撫でる。コバンが嬉しそうに震えている。

「今日はコバンがさばいてくれたオークの肉があるから美味しいもん食べれるで!明日は豚骨スープ作るで!ラーメンや!」

「楽しみにしてるわ」

こうして、我が家に新たな収入源ができた。

コバンの解体技術が、俺たちの生活をまた少し豊かにしてくれる。

肉屋に行くコバンのためにもう一本肉切り包丁を確保する必要があるか。明日もダンジョンやな。

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