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怪人 ダンジョンに立つ!!!!元イベント会社でヒーローショーの怪人やってたけど会社が潰れて無職になったので、ダンジョンに潜ります!変身スキルで無双するオッサンは好きですか!?  作者: 怪人工房店長 死蟲(しでむし)
第二章 ダンジョンとヒーローショー

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54話 オークの肉は美味い!!

本日も宜しくお願いします!

読んでくれてありがとうございます!

さて3日間の電光説破スキルの習熟を終えダンジョンを出た。

買取所に向かうとカイちゃんにが居たので

「ただいまー」と、ごあいさつ。

「はーい、おかえりなさいー!いつも通り上でお待ちください!」

いつもの流れで、応接室の方へ向かう。

移動ついでと訓練ついでとはいえ殲滅はしていたので売り上げ的には日給200.000そこそこだろうと思う今回は肉はそこそこにしておこう。

どうせ明日以降大量のハイオーク肉が手に入るはずだ。

もう、売り上げ気にすんのやめた。

そしていつも通りノックなしで入ってくるカイちゃんに成果物を並べて見せると。

「コレ1日分じゃないやろ!?」

「バーレーたーか〜!!!!」

「なんのネタですか?!」

「すいません、1〜3層の3日分です……。「電光説破」スキルの修行に集中してたらこんな感じに……。」

「しゃーないなぁ…ちゃんと毎日出してくださいねマジで!!??」コバンのドロップ品リストと照会しながらチェックしていくカイちゃん。ちゃんと仕事してるところを見てるとほんとにちゃんとしてる様に見えてくるから不思議だ…。

「なんか失礼なことを考えてるオーラが出てますよ?セヤマさん?」黒いオーラがゴゴゴと、噴き出す。

コヤツ?!鋭い!!!!

魔石は例によってパチンコ屋の計数カウンターみたいな機械に流すと計算してくれる。3日分のお賃金690.100円!

20000だけ現金でもらってあとはカードへと振り込んでもらう。ヨシ!おうち帰ろ!

「ほな、カイちゃん!お疲れさんです!明日も来るわ〜!!」

「は~い、よろしくお願いしますー!!お疲れ様でした!!!!」

自転車で久宝寺緑地から跨線橋を越えてJRの線路を跨いで我が家へと帰る 跨線橋のてっぺんからみえる夕陽は例えようもなく美しい……。この間までの地獄の様な日々でいささかささくれ立っていた心が癒される様な気がする…。

 少し、疲れているみたいやな……まぁ、明日は明日の太陽がピカピカやねん!ってチエちゃんが言うてたから、明日になったらまた元気にやってるんだろうな。

コバンのエナジードリンクもあるし!

「ただいま〜!とーちゃん帰りました!!」

「ん!今日も無事か!?」

「当たり前や!3層までであぶない目にあうわけないて!ほな飯の支度するかー!」冷蔵庫にキャベツはあるあとはオーク肉の持ち帰り分がある…。献立は決まったな!

 オーク肉とキャベツの重ね蒸しだ!!!!


 洗ったばかりのキャベツの葉についた水滴を払いながら、今日の献立の主役を愛でるように眺めた。

「さあ、お前たちの良さを最大限に引き出すぞ。」

まな板に広げられたキャベツは、外側の濃い緑から内側の淡いクリーム色へと、グラデーションを描いている。俺は大きな葉を無造作にちぎり、芯に近い肉厚な部分は、包丁でざく切りにした。サクサクとした小気味よい音が、静かな空間に響く。

続いて、オークのバラ肉。塊肉からシロガネが切り出した、赤身と白身のコントラストが美しい薄切り肉を広げた。その肉には、小さじ一杯の塩と、スパイスミルで砕いた粗挽き黒胡椒が軽くまぶされる。このシンプルな下味が、肉の旨みを閉じ込める鍵となる。

俺は、直径二十センチほどの深めの鍋をコンロに置いた。まず、鍋底にちぎったキャベツの葉を敷き詰める。これは、肉が直接鍋底に触れて焦げ付くのを防ぐための天然のクッションだ。キャベツの青い香りが、熱される前の鍋の中にそっと立ち込める。

その上に、塩胡椒を振ったオークバラ肉を、一切れずつ隙間なく広げていく。肉の層が、キャベツの緑の上に淡いピンクの絨毯を敷くように整然と並んだ。

キャベツ (甘みと水分の土台)

オークバラ肉 (旨みとコクの源)

俺は、この工程を三回、丁寧に繰り返した。まるでミルフィーユを編むように、あるいは地層を重ねるように。最後の層は、惜しげもなく残りのキャベツで蓋をする。

ここで、決め手となる一滴。俺は、小さな器に入れた酒を、鍋の縁から一周、すっと回し入れた。日本酒のまろやかな香りが、食材の緊張を解きほぐす。水分はこれだけ。あとは、キャベツ自身が持つ水分と、オークバラ肉から滲み出る脂が、すべてを蒸し上げるのだ。


 コンロの火は、湯気が出るまでは強めの中火そののちフタをしてごく弱火。


あとは、時間がおいしくしてくれる。


俺は、タイマーをセットした。加熱が始まると、鍋の中では音のない闘いが繰り広げられる。

数分も経つと、蓋の隙間から、ほのかな湯気が立ち上り始めた。やがてその湯気は、キャベツの甘い匂いと、オーク肉の香ばしい匂いを一緒に運んでくるようになる。

コトコト、コトコト……。

微かな水の沸騰音と、キャベツが柔らかく縮んでいく音が、まるで子守唄のように台所に響く。俺は時折、鍋に耳を澄ませる。焦げ付く音はしない。ただひたすらに、蒸気という名の魔法が、食材を包み込み、旨みを交換し合っている。

約二十分後、タイマーが静かに鳴り響いた。


俺は期待を込めて、鍋の蓋を開けた。

ふわりと立ち昇る湯気が、天井の照明をぼんやりと滲ませる。

その向こうに見えた光景に、俺はほっこりと笑う…。

      挿絵(By みてみん)


キャベツは、青々とした色を失い、透き通るような翡翠色に変わっていた。形は残しつつ、歯が要らないほどトロトロに柔らかく、凝縮された甘みが全身から滲み出ている。

オークバラ肉は、脂がほどよく抜け、旨みが凝縮されて艶やかなピンク色をしていた。肉の層とキャベツの層が一体となり、ひとつの宝石のような塊となっている。

鍋底には、オーク肉から出た黄金色の上質な脂と、キャベツの甘い水分が混ざり合った、最高の出汁が溜まっている。

俺は、大きなお玉でそっとその塊を崩さぬように皿に盛り付けた。蒸されたキャベツから放たれる温かい甘い香りが、部屋全体を満たす。

「できたで」

「あ~コレ美味しいに決まってるやつ!」

食卓に運ばれたのは、調理前の素朴な姿からは想像もつかない、滋味深いごちそうだった。

息子の伊織はまだ離乳食も始まってないので一緒には食べられないが、嫁様と仲魔達と揃って

「「「「「「いただきます!」」」」」」

添えられたのは、ポン酢醤油と、刻みネギ。

俺は一口、何もつけずにキャベツと肉を一緒に口に運んだ。

まず感じるのは、極限まで引き出されたキャベツの、とろけるような甘み。その後に、オークバラ肉の濃厚な旨みと、下味の塩胡椒の輪郭が追いかけてくる。全ての旨みが、湯気に乗せて、五臓六腑に染み渡っていく。

「ふう……」

その一口は、一日の疲れを洗い流し、心まで温かくする、最高の癒しだった。見るとみんなガツガツ食べてる。

うむ、今日もビールがうまい!

そして、皿に残った黄金色の煮汁も、ご飯にかけ、すべてを味わい尽くす。

こうして我が家の夜はゆっくりと更けてゆくのだ。


明日は12層ハイオーク階層だ。さらなる肉を求めて深層へと向かう(違うと思う。)


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宜しくお願い致します!

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