37話 戦え!命救戦士 リトリーヴァー 1
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読んでくれてありがとうございます!
ヒーローショー!スタート!!!!
不気味な音楽が流れ出す…。そこに重低音の声が響き渡る。
「行け!!戦闘員ども!!!!冥宮帝国アヴィリンスの恐ろしさ!とくとニンゲンどもに轟かせよ!!!!」
「「「「ニャー!ニャー!」」」」」
ステージのあちこちから黒いタイツとプロテクターを装着した統一感あふれる猫さん型の戦闘員が跳びだす!
アクロバットを多用し、見映えのバツグンな登場だ。
センターの登場口から、コバン特製のCO2噴射マシンがハデに白煙を噴き出す!!
白煙が消えるとそこには禍々しいアーマーを装着した2mを超えるトラの怪人が姿を現す!
「さぁ!!もっと暴れてニンゲンどもに恐怖を与えるのだ!!!!」
「「「「ニャー!ニャー!」」」」
客席になだれ込み、子どもたちに武器を突きつけたり、急に近づいたりするが、絶対に触らない!!
プロの仕事である。中には泣いちゃう子供も居るが!
脅かすだけだぞ!
「よおし!戻って来い戦闘員!!」
「「「「ニャー!ニャー!」」」」
素直に怪人のところへ戻ってきて整列するねこねこ戦闘員たち。プロである。
「ニンゲンどもに、恐怖は存分に伝わったようだな!!はじめましてニンゲン共!俺は、冥宮帝国アヴィリンスのモンスター!ワータイガーのタイガオー様だ!それでは我々、冥宮帝国アヴィリンスの作戦を、愚かな貴様らでもわかるように説明してやろうではないか!我々はダンジョンより生まれた、モンスターである!この度この地上へ侵攻し、ニンゲン共を我等モンスターのしもべとしてダンジョンへ連れてゆくと言う見事な作戦だ!!よし、戦闘員どもよ!!」
「「「「ニャーッ!!!!」」」」
「会場のニンゲン共をダンジョンへと、連れ去るのだ!!ゆけい!!!!」
「「「「ニャーッ!!!!」」」」
戦闘員たちがステージ下に向かって走り出そうとする刹那、会場に声が響く
「待てっ!!!!」
ステージのキワッキワで停まる戦闘員たち、あたりをキョロキョロと見渡す…。
ぁ、一人ステージから落ちてる… 子供にウケとる!特別ボーナスおやつを後でやろう!
ステージの後ろに組み上げた足場の上にCO2の白煙があがる!!!!
ブシューーーーーーーーーッ!!!!
白煙が晴れると足場の上に立っている者が居る。
ステージよりも更に高いところに立ってるのだからそりゃあ目立つ!
「貴様!?何者だ!?!?」
ヒーロー登場のBGMに切り替わり、ヒーローがポーズをキメる
「人の領域取り戻す!!命救戦士!リトリーヴァー!!!冥宮帝国アヴィリンス!貴様らの好きなようにはさせん!!行くぞ!!」
ステージのバックパネルの上から更に跳び上がり宙がえりをしつつステージに着地!ダンジョンでのレベルアップをした身体能力なら、こんなことぐらいは余裕である。
「ええい!戦闘員どもよ!この邪魔者を始末しろ!!」
「「「「ニャーッ!!!!」」」」
リトリーヴァーVSねこねこ戦闘員✕4、アクション用のアップテンポな曲がフェードインしてくる!
アクションに合わせて最適な効果音が鳴る!!
コバン、マジすごい!!!!
跳んだり、はねたりの、ねこねこ戦闘員戦!
良いところで、タイガオーが止める!!
「コイツラじゃあテメエの相手は荷が重いか…。フフフ、ハハハ!ファ〜ッハッハッハッ!!!!ここからは俺が相手をしてやる!!さぁ、来やがれ!!!!リトリーヴァー!!」
超絶アクションの、一対一がスタートする!
殴る!蹴る!!ぶん投げる!!!!良い位置にコバンの分身がクッションに入る!!とても安全!!
ついでにトランポリンがわりに大ジャンプのサポートをしてくれてる!ぐう有能!!
ハイスペックなバトルの末、空中でお互いに蹴りをキメて着地!
ゆらり…、と立ち上がるタイガオー。
「…。やるじゃねえか、リトリーヴァー!!勝負は一時お預けだ!次は、決着をつけてやるぜ!!!!覚えてやがれ!!リトリーヴァー!!!!!!」
と、戦闘員とともに下手へハケて行くアヴィリンス軍団。
しばし、怪人たちの行動を見たあと、ステージ側に向き直り会場に、声をかけるリトリーヴァー。
「会場のみんな!大丈夫だったかい!?今日はここ、久宝寺ダンジョン祭りに、冥宮帝国アヴィリンスの奴等が現れているらしい!!みんな!!怪しいやつを見たら大きな声で、リトリーヴァー!!って呼んでくれ!!それじゃあ、僕はこの辺りをパトロールしてくるぜ!!!!リトリーヴァー…!ゴー!!」
と、上手へハケる。
空になった舞台に、息をきらせてタイガオーとねこねこ戦闘員達が、下手から入ってくる。
「リトリーヴァー………、あの野郎!次に会ったら必ず倒す!!!!」
「困ってるようじゃねえか?タイガオー!?」
「その声は!?」
イントロが流れる。
「俺様の!歌を聴けぇ!!!!」
で〜んでんでんでん でれっで!
「〽オトコのー中のオトッコー!!」
ねこねこ戦闘員もタイガオーもノリノリで手拍子入れるし客席も煽りだした!!!!
「オトコのー中のオトコー!!」
よし!そのままノリノリで行くぞ!!って!思ったら21秒ぐらいで音楽が止まる…。コバン…
「……。せっかくノッてきたとこやったのに……おっと…、自己紹介がまだだったな!俺様は、悪の個人商店、怪人工房の店長!!不死身の昆虫忍者、死蟲様だ!!!!今日は縁あって、冥宮帝国アヴィリンスの、用心棒としてやって来た!!」
「「「「「にゃー!!!!カッコいいにゃー!!」」」」」」
「で?タイガオー?作戦の方はどうなんだ?」
「ソレが…リトリーヴァーとかいうやつに邪魔されちまってよ…。」ココから音源ではなく、マイクで生しゃべりに切り換わる。
「ほぉ…なかなか愉快なことになってんじゃねえか………、まぁいい、それではここで作戦を再開してゆこうではないか!しかぁし!ニンゲンどもをただ攫うだけではつまらん、よって、この場で特に優秀なニンゲンを我らの仲間にしてやろうではないか!ともにセカイを我らの手に入れようではないか!!まず我々の仲間になりたいと言うならば元気よく挨拶が出来ねばならん!!挨拶すら疎かにする奴はシゴトを回してもらえんようになるからな!?我々怪人の挨拶は『おはようございます!!』や『こんにちは!!』というような大人しいものではない!!ただ二文字元気よく!『オス!!!!』だ!!わかったな!?!?」と、客席にマイクを向ける!
みんなポカーンと、してる!!
「ブーッ」と噴き出しながらズッコケる!タイガオーや戦闘員達も同じタイミングで!!!!パーフェクトッ!
やんなぁ、お前等!
ここでお客さんに一通り笑いが発生している、よし!ペースはもらった!
「返事は!元気よく!!『オス!!!!』だぞ!!わかったな!?!?」再び客席にマイクを向ける!!元気よく会場の子供達から、
「「「「「「「「「「オッス!!!!」」」」」」」」」」って返って来た!
「もっと元気よく!!『オッス!!!!』」マイク向ける
「「「「「「「「「「「「「「「「オーッス!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」
「スンバラシイ!!戦闘員ども!!拍手を送って差し上げろ!!!!」
「「「「ニャー!ニャー!」」」」ポテポテと肉球で拍手をするねこねこ戦闘員達。かわいい。
「さて……今聞こえてきたのは子どもたちの声がほとんどだったな!!大人たちは何をしてやがるんだ!?!?休みの日にこんなカッコしてええ大人が頑張っとんねん!!関係ない顔して観ている大人達!!さぁ、俺様と挨拶しようぜ!?ルールはわかってるな!?!?行くぜ!!レディース、アーンド、ジェントルマン、おとっつぁんアンドおっかさん!『オッス!!!!!!!!』」客席にマイクを向ける!!
「おおーっす?」少ない!!
「ブーッッ!」
って、全員ズッコケる。タイミング完璧!
3話続きます!
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