22話 久宝寺ダンジョンの最奥
久宝寺ダンジョン編 完結!
本日も宜しくお願いします!
読んでくれてありがとうございます!
10層に降り立った。
まっすぐの通路の奥に両開きのドアがある。ボス部屋ってやつだ。ボスを倒しその先のドアを抜けると帰還ポータルゲートがあるという。ボス戦は今まで散々闘ったホブゴブリンらしい。ならば大丈夫。
ドアの前で深呼吸…
「さて、行こうか。」
『行こう。父。』
「あぁ、負ける理由はねえ、行こう。」
ドアに手を触れると脳内アナウンスが流れる
『各層、シークレットボスとの遭遇及び討伐を確認、10層シークレットイベント発動。ボスのグレードがアップします。』
…
……
………。マジで?!低い音を響かせてドアが開いてゆく。
仲魔たちは…?コバンはいつも通りふるふるしている。
牙王は…凶悪な笑い顔である。大丈夫そうだ。
開き切った扉の中へと飛び込む!!
「変身!!!!」
足元から、光のエフェクトが迸る!!!!
俺様へと姿が変わる!!
「俺様の歌を聴けぇ!!!!!!!!!!」
最前列にゴブリンが20体、その奥に杖を持ったゴブリンが10体、さらに、その後ろにホブゴブリンらしい奴が5体、色違いの鎧を装備している!!揃いの鎧でポージングしてやがる!!!!鬼人戦隊ホブレンジャーか?!?!
そしてその更に奥……。ギラつく冠を被った巨体のゴブリンが玉座らしきものに座っている。
「王と近衛騎士ってとこか…牙王、猫ちゃんたちはどうだ?」
「すでに全員影の中だ!」
「よし!!隊長と副隊長は中列の杖ゴブリンを頼む!最前列は各隊の猫ちゃんで!俺様達であのホブレンジャーを叩く!あの王様っぽいやつは動き出してからでいい!」
『わかった。』
「承知した!イチゴ!ニボシ!サンゴ!シナモン!!聴いてたな!しっかり努めろ!!!!」
「「「「了解にゃ〜!!!!」」」」
猫猫忍軍が、影から飛び出す。音もなく駆け抜け途中のゴブリンの首をはねながら、杖ゴブリンに接敵してゆく。
杖ゴブリンの杖から炎の弾が放たれる。が!遅い!!
魔法を斬り伏せながら隊長達は危なげなく杖ゴブリンを蹴散らしていく。
俺様達も負けてはいられない。
隊長たちの活躍でど真ん中に出来上がった道を、玉座目指して吶喊する!!
立ち塞がるのは5色のホブゴブリン戦士!!
「行くぞ!!ホブレンジャー!!!!」
「「「「「ゴアアアアアアアアアアッ!!!!!!!」」」」」
コバンと牙王で二人ずつ相手取る形、俺様の相手は赤いやつ。多分、隊長かなんか。
なんか、全員武器が違う!
でもな、ヒト型の武器の扱いは共通点が多いから今さらの話だ
コバンは受けて流しつつ敵の急所を狙う。
牙王は敵の攻撃を上から叩きつぶしながら急所を狙う。
それでイイ。
相手がヒト型と言うのもアレだが…。そこまで難しい事はしてない。
みんな優秀で、俺様もラクに敵を排除してる。
レッドのホブゴブリンが必殺技を放つの見た。
見たなら、対処するだけだ。斬撃が飛んでくる。
変化しないなら、さばける。
誰にも当たらない方向へさばく。
やることはシンプル。コバンと牙王に致命的な攻撃が当たらないようにいちばんヤバいヤツの攻撃をさばいて
各自の合流をお膳立てするだけだ。
そうこうしてるうちに、コバンと牙王の方が片付いた様だ。
あとは赤いのを仕留めてキングを詰めるだけだ。
ホブレッド!てめえの強さはわかる!圧倒的な膂力!
闘っててキモチイイ!!
受けて流してさらに叩きつけて!こんなに楽しいことはありはしない!
全力で己と相手をぶつけ合うこの行程が…
楽しい!!!!
コバンと牙王の合流を待つまでもねぇ
ここは俺様だけで!
いける!!!!
「おおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
相手の剣を弾き飛ばし!
ガラあきの、首すじに、クサナギノツルギで、
斬り込む!!袈裟がけにバックリ裂ける
赤いホブゴブリンが光にかわる。
さぁ…、あとはテメエだけだ!
玉座に座ってる時間は……、おしまいだ!!!!
玉座のゴブリンが立ち上がる!
ホブゴブリンの1.5倍ぐらいか?
ただ、今まで相手にしてきたヤツラ以上の圧力が……。
面構えがまず、違う。劇画だ!!
ヤベェ!
何だよ!?
たのしい!!!!
死にたくもないのに、
ここで命賭けても惜しくねえと思ってる!
つい、口角が上がるのを抑えきれない!
俺様は、凶暴な笑みを浮かべて仲魔に指示を出す。
「コバン!牙王!!全力でやんで!」
『わかった。』
「了解だ、お館!!」
防御と回復は俺様の背中にスタンバイしたコバンが。
そして、遊撃手として牙王。更に
ねこねこ忍軍のトリッキーな撹乱攻撃。影から飛び出して斬りつけたら、別の影へと飛び移る。
仲魔の影なら自在に出入り可能。
次がどこから飛んでくるか、わからない。ただ、ワーキャットの攻撃では、キズを与える事はできるがアイツの生命には届かない。
だが、五月雨のような攻撃は、流石に鬱陶しいらしい。
「グ…ッガァアアアアアアアア!!!!!」
空気が、激しく震動する!!デカイ音というものは、それだけで生物を萎縮させる。ねこねこ忍軍がフリーズする。
ヤバい!ゴブリンの王が巨大な剣を振りかぶる!!
硬直したワーキャット達が全員しゅるんと影に吸い込まれる!セーフ、セーフ!!
大きな攻撃で直ぐには斬りかえせないその瞬間に、牙王の爪が食込む!肩の肉をゴッソリ削ぐ!攻撃力ダウンってとこだな。コバンの触手がゴブリンの王に忍び寄る……。
ナイスアシスト!!両足のアキレス腱を削ぎ落す!!!!
立つことも敵わず、崩れ落ちるゴブリンの王に、ジェット噴射をあげながらクサナギノツルギが肉迫してゆく!
狙いは頚動脈!!!!サクリとゴブリンの王のクビに飲み込まれそのまま逆方向へと抜けてゆくクサナギノツルギ。
首の皮一枚残して力なく、背中の方へゴブリンの王のアタマがぶら下がり、鮮血を噴き出して崩れ落ちる。
今まで見たこともない光の渦がボス部屋を満たす。
まさに、光の乱舞。身体がフワリとした感覚に包まれる、いつもより心地よいレベルアップだ。
と、同時にアタマにシステムさんのメッセージが聴こえた。
『10層シークレットイベント達成おめでとうございます!!!!久宝寺ダンジョンの最深部までのチャレンジが可能になりました!変身スキルが進化します!(変身)が(超変身)へとパワーアップですフォームチェンジでさらなる強さを追加できますフォームチェンジは4種類登録できるようになります!』
「おお?!マジか?!」
と、変身が解除される。飢餓感に胃袋が悲鳴をあげる。
持ち込みのおにぎりや惣菜をものすごいイキオイで喰う。
「ひとまずドロップ拾って、帰ろうか!」
『わかった。』
「おしッ!猫どもも良くやった!!帰るぜ!」
「「「「にゃ〜〜〜ッ!」」」」
開放された玉座の裏の扉を開けると、開放されたポータルゲートと下へと続く階段があらわれていた。
「また、くるで。」階段に挨拶してポータルに触れる。
1層へと念じると、エレベーターみたいな感覚があって景色が変わる。地上への階段が眼の前にある。
良し、帰るか!
完結詐欺!!!!まだまだ終わらなかったw
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