12話 こんごともよろしく
本日も宜しくお願いします!
読んでくれてありがとうございます!
一層、そして二層を安全確認しつつゴブリンとオークを撃破して三層へ、今日は三層での変身を試してみるつもりだ。団体さんで現れるのか?はたまた合体して巨大化するのか…。このあたりの情報は一切なかったりする。
誰もそんな奇特なことしないと言うね…。
なにせ誰もやってないならやってみたいのが人情だ。
新たな扉を開けていこうではないか。
事故率ゼロのスライム緑地だが、何が起こるかはわからない。
気を引き締めて行くのだ。
「変身ッ!!!!」
スライム緑地の大地からキラキラエフェクトが噴き出す!
メインテーマ曲のイントロが流れ出す!
「俺様の歌を聴けぇ!!!!」
あちらこちらの物陰からスライムさんが顔を出す。
ゴブリンやオークとは違う反応だ。
「オトコのー中のオトコ〜!」リズムに合わせてスライムさん達が揺れたりビートを刻んだりしている!?
ナニコレ!?
たのしーい!!!!
スライム緑地はさながら、ライブハウスのような様相になる。
たくさんの色彩のスライムさん達がノリノリで触手を伸ばしペンライトのように振りまくると光が反射してキラッキラだ!!
「ありがとう!!!!」歌い切って肩で息をする俺様の前に観客達が集合した。気分はロックスター。
アレ?スライムさん…まさか、襲いかかってくるのか!?
止めてくれ!俺様はお前達と戦いたくはないんだ!!
その時…不思議なことが起こった!!!!
スライムさん達が触手を伸ばし、絡まり、一体化していく。
蒼い衣のヒトが、ランランララランランランするアニメみたいに、俺様を持ち上げる!
まるで金色の草原……。
光が収束してゆき、そこにはメタリックな金色に輝く小さなスライムさんが一体、ふるふると揺れていた。
全く表情は読めないが、なんとなく仲良くなれそうな気がする。
「俺様と一緒に、行くか?」縦にふるふる揺れておる。
「良し、来い!」
スライム樹脂でコーティングされたプロテクターにスライムさんが取り付いて金色の装飾を追加してくれる。
「お?!やるじゃないか!」金色の装飾はふるふると自慢気に震える。
頭に直接的に声がきこえる。
「おめでとうございます!」
「うわぁ!ビックリするわ!」
「モンスターを魅了して仲間に加えました!!」
「あー、システムさんか、久しぶり。仲間って仲魔のこと?」
「すごくレアなスライムさんですね〜!コガネスライムさんです!名前付けてあげてくださいね!それでセヤマさんとリンクがつながるので!」
「へー、そんなシステムになってんのか。」
金色のメタリックだからな〜。よし、決めた
「お前の名前は……。コバン!」
ふるふるとお返事を返すコバン。とてもかわいい。
ポンとステータス画面が開く
#コバン 0歳
スキル: 空間収納
擬態
超再生
超消化
マジか…?見た目に反してめっちゃ強そうだぞ?
『ヨロシク…まだ…少し、言葉…できない。』
たどたどしい中性的な声が、脳に直接話しかけてくる。
コレってテレパシーとか念話ってやつかい?スゲえな意思疎通できる
『なまえ…コバン、ありがと…よろしく。』
やだ!うちのコめっちゃ可愛い!!
こうして、コガネスライムのコバンが仲魔になった!
衣装の一部に擬態はできるけど、変身解除の際に分離されるらしい、その時はリュックサックの一部に擬態すると…ナニコノコ!めっちゃ賢い!!!!
とりあえず、スライム緑地でコバンの性能テストやるか。
「あ、そういえば、相手スライムやけど殺れる?」
『大丈夫…敵意…わかる。大事、自分と、父ちゃん?だけ』
そこに躊躇はないらしい…カッコいいなコイツ…父ちゃんって呼んだ?俺様のコトを?息子にも呼ばれたこと無いのに!!
「斃したモンスターからはアイテムがドロップする、攻撃が終わったらアイテムの回収を頼むぞ!コバン!」
『任せて、父ちゃん』スライム緑地のアチコチに通常のスライムさんが湧き出してる。ダッシュで炎を纏ったホブゴブリンの剣で切り裂く。
コツは刃がスライムに食い込んだら発火。タイミングが大事!変身後のハイテンション状態だとよく見えるんだコレが!
コバンはコバンで触手を伸ばし攻撃している、アレ?スライムに触手が突き刺さった瞬間、スライムが溶け崩れてる?スライムのコアみたいなものを直接えぐってるのか…やんなぁ……コバン。
俺様の方も負けてらんねえ。
まるで、自分以外の全てがゆっくり動くような動作感覚。
空気の粘度を体感しつつ刃の先端は亜音速。
更に音速へと加速する。
ソニックブームが発生する!
スライム樹脂の風の属性がこちらに影響を及ぼす衝撃波を散らす!
完璧な相殺!
音速の挙動で緑地のスライムを吹き散らす。
ドロップする魔石とスライム樹脂はコバンが完璧に回収収納してゆく。
「コバン、ハラが減ったら回収したものを食っても良いんだぞ?」
『わかった。魔石、少しもらう…』
安いもんだ!おかわりならいくらでもある!!!!
スライム緑地をまたもや焦土と化し、エネルギー切れで変身が解けた。
「!!っハァ!!腹減った!!!!」
腰袋から ゼリー状のカロリーを取り出して補給する。
そうか、スライム緑地だと128匹天井がないから延々と狩りが続くのか!モンスターが複数展開するとこだと下手すりゃあぶねえのか…。気を付けよう。
「コバン?回収したアイテムの内訳、わかるか?」
『わかる~。スライム魔石346、火 スライム樹脂68、 水 スライム樹脂65、土 スライム樹脂72、風 スライム樹脂75、光 スライム樹脂66、闇 スライム樹脂70、スライム魔石は74個食べた』
「報告ありがとな、コバン!そっかぁ74個の魔石であんなに大活躍なら全然コスパええな!今後ともよろしくな!コバン!」
『うん、楽しかった…もっと』
「気持ちは分かる、でも今日はこれぐらいにしとこう。明日も遊びに来るからな!」
『わかった、明日…遊ぶ…?』
「ん、良い子だ!帰りの道中もよろしく頼むな」
『大丈夫。敵、たおす』
慈悲はないらしい。帰りの道すがらモンスターを見つけ次第コバンが触手を伸ばしてモンスターのアタマを包みこんで消化している。クールすぎるぜコバン!行き帰りで、オーク12体ゴブリン10体を斃した。
ゴブリンの魔石は、コバンのおやつになった。
査定でまたカイさんの顔が引きつるのが、マボロシで見える。
やったー!仲魔が増えたよ!!
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