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そして何事も無く一週間後、ペットや人間の水死体が沢山発見されるように成り始めた。只の堪に有る自殺者と言うには多過ぎる人数が、だ。
「入水自殺者が多発とか何が起きている?」
「水霧さん。検死した所水死体は大抵体内を喰い尽されて居たとの事です。恐らく寄生虫か何かが原因かと思われます」
「……運営さんよ、そんな事をする寄生虫なんて居るのかよ?」
「昆虫相手には一応存在します。確かハリガネムシ、ですね」
「……何で今迄そんなのが放置されていた?」
「人間相手には殆ど寄生ケースが存在せず、居たパターンも誤飲と判断出来るレベルに少ないからです」
「じゃあ何で今回の話に成った?」
「水霧さん、恐らく誰かがハリガネムシを大量に捕まえて魔法や異能的に改造を行って海に放ったと予想されます」
「……やっかいな。だが、何故それが解った?」
「……水霧さんの生体パーツが与えた人の身体でハリガネムシと恐らく水霧さんの自衛の範疇で争い、入水から逃れた為です。……なので、水霧さんに生体パーツの追加注文が来ています」
「……噓だろ、おい」
……そりゃあ与えたパーツに自衛くらい出来る様にしたさ。それを呪術の媒体にされたらアレだからな。だが、それが理由で命が助かった例が出たので追加注文? ある意味で墓穴を掘ったか? いや、それで助かった奴が出たのにそう言うのは酷いか。……だが、そうか……。
「前提条件上嫌なのは解りますが人命救助に関わる事ですので、断るのは色々とアレですよ」
「……ははっ……で、注文は何人くらい来ている?」
「今回は予備も合わせて約一万個のパーツくらいを作りましょうか」
「これで合計約一万五千百人分、か。……」
……しかもこれ、ケールハイトとの話が更に面倒に成る奴な気がする。俺が直接的に如何こうした訳では無いが……。そして人体パーツを更に大量生成して約一万人に付与した。……はぁ、一つの精神を乗っ取る能力だった場合俺の生体パーツが対象に付与されている事で、能力がエラーを起こしたので助かった……と言う事なのだろうか? 強化型ハリガネムシを造った犯人を捕まえないと更なる強化版を用意されるだけだと思うのだがね……。
光源龍対策として、犯罪を本人側が現地では行わない事で、現場を光源龍に撃たれない様にする。今回は強化型寄生虫のばら撒きと言う訳だ。……はぁ、本当次から次へとメタが提示されるな、クソが。光源龍が空から全部片付けてくれる……とは行かないわな。要は実行犯が余りにも小さ過ぎるのだ。光源龍が空から狙い撃ちなんて、やれなくは無いだろうが、やれば余計な被害が多過ぎる事に成るだろうし……本当に面倒だ。其処で運営の人が対策について話し出す。
「さて、元ネタのハリガネムシの対策に付いてだが、基本的に水生なので、乾燥させる火で燃やす等が有効だが、体内に入り込んだハリガネムシに対してそれをやるのは色々と問題なのは解るよな」
「寄生されている側も死ぬ対策は最終手段だろうしな」
「消化器官の中に居る時なら意図的に胃の中の物を吐く事とか下剤とかで、体外に追い出す事もワンチャンだが、消化器官以外に移った後だとそれこそ切開手術レベルの事が必要に成る。此処迄は解るな?」
「……人間には効かないが、ハリガネムシだけに有効な手段って無いのか?」
「やる事の違う妖怪にはそう言う都合の良い飲み薬は有るが、ハリガネムシだけ殺す都合の良い飲み薬なんて無い。寄生虫を殺す奴は有るけども、改造されているし、効くかは解らん。そもそもハリガネムシが人間の中に入る例自体が希少だから、確認した訳じゃ無いから研究されている所が有ればアレだし、たぶんそう言う飲み薬を造る検証実験自体がまだされていないだろう。既存の奴が効きますとかは有るかも知れんが。それに居るのが分かれば切開手術で取り出すのが一番確実では有るし」
「それはそうなのでしょうが、犯人速く捕まえないとですよね」
「通常のハリガネムシの基準だと食べ物に潜み、捕食される事で体内に潜り込む。で、火に弱い。つまり食べる直前に食べ物の加熱処理を徹底すれば良いだけだ」
「……なんか危険度は其処迄でも無いのですかね……」
「これは通常のハリガネムシの話で、強化されている強化具合がどれだけかは解らんから、完璧な対策では無いがね」
俺は対策の為にやらないといけない事を考えるとため息が出る。生の物が食いにくいので下手したら限定的な食事制限レベルの事が必要だろうし……。まあ、加熱処理を徹底すれば食える事は食えるのだけども。
「……不完全にしてもある程度は有効なのは予想されるので暫くの間、生物は食え無く成りますね……」
「だな。はぁ、それが嫌なら速く捕まえるのだな」
「熱に弱いなら有名作品に炎を纏うのがデフォルトの奴が居ますけど、そう言う奴には効かなそうですよね」
「……はぁ、それな。ウチの火焔亜龍みたいに色々とやれれば良いのだがね」
「火焔亜龍、ですか?火焔龍ならルド様が造った奴に居るそうですが」
「火焔龍のやって居る事を研究施設により自前で再現した機械龍。具体的にはナノマシンに付けたナノナイフ群を自前で起こす風で操り、粒子単位で空間を攪拌し熱を空間に満たす奴」
「……えげつないにも程が有るのですが」
「熱とは結局原子や粒子の振動で、風での粒子単位での攪拌で熱を無理矢理起こしている訳だ。因みにこの技術はエアデーの方の研究の成果だな」
「……ははは、本当半端無いですね。熱を起こす事が目的ならナノマシンの熱耐性もヤバそうですけど」
……ヤバすぎないか、それ。
「一応骨と言うかカルシウムの融点は八百数十度。安全マージンを取るとしても、カルシウムの骨鎧は八百度くらい迄になら耐えられる。但しそれには」
「……それにはそれよりも融点の低い物が間接的に熱されるや蒸される事が考慮されていない。一応俺は骨鎧を使えるのですから頭に入って居ますよ。それくらい」
「対策は造ら無いで良いのか?」
「一応高熱環境の細菌を構成するタンパク質とかを使えば少しは身体の耐熱性を上げられますね。無根拠で無茶苦茶な温度出されたらアレですけど」
「まあ、流石に限度が有るか……」
「そりゃあ万能物質とか特殊物質とか無しに考えるならタングステンでも溶けるレベルの奴は無理ですって」
この物質が有れば特殊な温度に耐えられるとかは無しに、既存の物から選りすぐり考えるならば、そりゃあ、ねぇ。
「なら話を戻すが、性能としては火焔龍なんて居るだけで周りの物を溶かしてマグマオーシャンを作り操るから火焔亜龍の性能はまだ控えめだよ」
「……海とか水が沢山有る場所でなら何とか出来るのですかね?」
「その場合、例えば範囲内で熱による水蒸気爆発が連鎖で大量に発生するよ」
「うわぁ……何もない場所に飛ばせばどうでしょうか?」
「例えば何も無い空間に閉じ込めるパターンならその閉じ込める力を如何こうすれば出て来られるかも知れん」
「それが出来無い奴だったらどうです?」
「手法を出さず具体的に内容を言わず、後出しじゃんけんの仕様でそれは出来ませんとか言い出すと、反論で出した奴は出来ませんと言う奴を全部反論で並べれば良いだけだから、議論として成立し無いし、妄言と処理するよ」
「あはは、まあ、そうなりますよね」
「ま、それは良いとして、そうだな、これでも見ろ」
そして運営側の人はナノマシンで床材のコンクリートを液状化させて其処に手を入れてコンクリートの鈍器をそこから取り出した。
「よし、上手く行った」
「……それはアーバーンがやっていた奴ですか?」
「そうだな。ナノマシンでコンクリートを液状化させて、それの中で任意の形にコンクリートをナノマシンで押し固めた訳だ」
「それ、脱水で固める工程が有る奴ならなんにでも応用出来そうですよね」
「まあ、ある程度以上握力なり腕力なりが有るならコンクリート塊を床壊すなり壁壊すなりして調達して投げれば良いだけからアレだがね」
「ふむ……だがそれは水無しで出来る事ですか? 乾燥させて固めるコンクリートから脱水をさせて、それで工程を飛ばして固める訳だから、水が皆無だと無理じゃ無いか?」
「それについては、事前にナノマシンで色々と混ぜている訳だし、何とかしたよ。一応圧縮と言うかある程度以上の力を加えるだけでも水から氷も創れるらしいし」
そして運営側の人はまた武器を液状化させて床を元に戻した。割とガバ理論な気がするが、それが出来無いとしても、その時はある程度以上の量の水を液状化させたそれに混ぜてから圧縮と脱水を行えば良いだけでは有るか。
「……要はナノマシンで液状化させる際に水分もある程度混ぜているから問題無し、ですか」
「まあ、詳しい理屈を言わないならそう言う解釈が一番無難かな。このナノマシンに付いては水霧浄土、君に渡そう」
「……良いのですか?」
「エアデー側にも色々なナノマシンを研究上渡して居るから少ないくらいだから気にするな」
「解りました。じゃあ使い方を詳しく……」
そしてナノマシンの使い方をレクチャーされ、ナノマシンを譲渡された。材質縛りが有るとは言え、武器調達用の道具、か。あ、そう言えば。
「これで創れる鈍器って形を整えただけで、ちゃんとした武器としての組み立てがされてないと言う意味に於いて通常よりも割と脆い気がするのですが」
「だな。だから鈍器として以上の物はそれには求めるなよ。只でさえ材質縛りがある以上、ある程度以上の硬さの合金とかよりは脆かろうし。だから使うなら只の鈍器として使いな。コンクリートでぶん殴るのが有効な相手なら造形を変えて運用するくらいなら有りかもしれんがね」
「コンクリート塊を使って全力でぶん殴るとか場合次第で死ぬ奴が出るレベルな気がしますが」
「利用目的が武器運用なのだから別にそれで良いだろ」
「……まあ、それはそうですが」
防具で身を固めて居ない通常の範疇の人間の奴相手には十分過ぎると思う訳だが。
「それじゃあ渡したナノマシンの使い方を模索して見ると良いよ」
「そうですね、そうしてみます」
そして俺はその場を後にして、鈍器で作る奴のモデルを色々と調べてみる事にした。
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このハリガネムシ(魔法に依る強化済み)自体は許されちゃあかんと思うのです。
能力が洒落に成らんしな。
ハリガネムシの対策自体はネット調べれば出るし、載せていないのも色々有りますが、全部載せたら長く成りすぎるので割愛と言う事で……。




