拐われ令嬢(仮)は勇者様から逃れたい!
短めです。それでも良ければ楽しんで見て行ってくれると嬉しいです。
『国の姫は私が拐った!』
たった一文のその文字に王国はざわついた。
「セレシア王女が拐われた!!勇者よ!」
一人の者が声をあげた。
拐われた姫の名はセレシア・ノーマン。
次期王妃の王女であり、公爵家の令嬢である。
拐われた姫を救いに行くために、立ち上がった
のは国の勇者である、英雄。アレス・リチャード。
英雄であり、国の王子兼セレシアの婚約者である。
「セレシア!今から俺が助けに行く!だから、それまで無事でいてくれ!」
立ち上がった勇者は神々しく叫んだ。
それとは裏腹に、不気味な笑みを浮かべて不気味な笑い声をあげる一人の女性がいた。
「ふふふふふ。まんまと罠に掛かったわね……拐われるなんてこの私がされるわけがないでしょう!?これで作戦は成功よ!」
私はセレシア・ノーマン。
拐われたはずの、次期王妃であり、公爵令嬢である。
私は前々から企てていたその計画をついに実行できたのだ。
私は拐われるなんてことはされない。
そんなバカな行動にはならないわ。
私の真の目的はあの勇者、アレスから逃れるための家出よ!
次々によみがえるアレスといた生活は、実に辛かった。
四六時中、愛を囁かされ・・・四六時中、私から離れないで・・・でも仕事は完璧にこなして・・・一見普通の完璧婚約者だが、それはただの婚約の防波堤。
最初の頃に婚約した頃に訊いたのよ!!
あいつが・・・あいつが・・・私を他の令嬢からの婚約の申し込みの防波堤だ、と言う言葉をはっきり訊いた。
は?そんなやつの下らない計画のために私は幸せな恋が出来ないの?ふざけんじゃないわよ。
私はお断りよ。
私は素敵な恋をして、自給自足の生活を送ってみたい!
普通の生活で、普通の人と、幸せな結婚をしたい!
防波堤の為に婚約した偽りの結婚なんてごめんだわ。
この日の為に剣術をならって、冒険者登録を秘密でしたの。
安定な収入を得て、私は静かな幸せな生活を送る!
そして素敵な恋を手に入れる!!
さあ、待っててね、私の幸せ生活!
最後まで見て頂いてありがとうございました。