第十六話『不機嫌な少女』
「ヨッシー…」
「…」布団に包ったままヨッシーは何も言わなかった。いつのまにか二人とも寝てしまい、朝がやってきた。
定番のラジオ体操が始まった。ヨッシーは亮介の隣なのだが…手や足の広げる運動は全て亮介目掛けてやっていた。おかげで亮介は倒れ、運ばれていった。
朝食。朝だというのに男子達はガツガツと食べていた。今日は男女ペアでのハイキングがあるのだ。ハイキングではなくサバイバルだった。つまり男の見せ場。その場でくじを引きペアを決める為、誰となるかわからないのだ!!それでも男子達は希望にかけて飯を食べて力をたくわえているのだ。
「21…21はっと。零ね」奈緒は新キャラの長谷川 零とペアになった。この長谷川 零と言う少年。実は奈緒の過去を知る少ない人間の中の一人である。
「奈緒。ずいぶんと女らしくなったな。流石チョッキンチョッキンしてきただけはあるな」
「あはは。ちゃんと女の子よ。毎月あの日がくるもの♪」
「ははは。悪い悪い。そんじゃ行きますか」
「うん」こうして二人は歩き出した。
一方、亮介はというと…。
「19…19とヨッシー!?」実はこのクラス三十人いて男子が一人女子より多いのだ。そこで一番女の子らしいヨッシーが女の子扱いされたのだが…。
「…」
「オイ。すまなかった。だけど…」
「だけど何さ!!好きってくれたじゃない!!」
「あれは勢いで言ってしまったんだ。」
「最低…」ヨッシーはプイっとどんどん先に行っててしまった。