第十五話『仲直りと新たな問題』
「亮介のバカ…」
「最悪…」
「あいつ奈緒泣かした」
「奈緒ちゃん泣かないで。ね?」友人達は奈緒のことを本当によく思っていた。
わかんねぇよ…。奈緒は幼なじみなんだ…。約束もした。だけどそれはちっさい頃の話だ。バカだ…あいつ、ずっと信じてたのかよ。記憶を取り戻してからずっと…。俺と結婚するために…奈緒。奈緒!!奈緒〜!!
夜風にあたろうかな…。嫌な事があったし。
「奈緒…」
「話しかけないで…」
「昔はいじめられっこでよく助けたっけ」
「…」
「約束しただろ?お前を守るってさ。だけど交通事故の後のお前の人格が変わった事にショックを受けてずっと忘れていたんだ。だけど、思い出した。お前と結婚する!!もう、ホモである必要はない!!お前がれっきとした女だから!!ごめん…」
「バカ…」
「え!?」
「今度浮気したら殺すからぁ!!バカ…でも、ありがとう。やっとその一言が聞けた。じゃあさ、キスして…」
「キス…したことない…」
「大丈夫。ほら早く」
「お、おう」二人は互いに顔を近づけた。そして唇がかさなっ
「りょうくん…。りょうくんの嘘つき!!」
運悪くたまたま夜風にあたっていたヨッシーが見てしまったのだ。
「ヨッシー?ヨッシー!!」
なんで!!さっき僕の事好きって言ってくれたじゃない!!嘘つき…。憎い…。あの女が憎い…。
「あの子…。」
「…」二人は立ち尽くしてしまった。
「ヨッシー。どうした…」クラスメート達はヨッシーを心配していた。
「うるさい!!ボクに構わないで!!」ずっと泣いていた。
消灯時間となり、亮介も自室へと戻っていた。
「ただいま…」
「…」ヨッシーは何も言わなかった…。